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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「働く男」星野源

2015年12月31日 | 本(エッセイ)
星野源にハマりそう・・・

働く男 (文春文庫)
星野 源
文藝春秋


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音楽家、俳優、文筆家とさまざまな顔を持つ星野源が、
過剰に働いていた時期の自らの仕事を解説した一冊。
映画連載エッセイ、自作曲解説、手書きコード付き歌詞、出演作の裏側ほか、
「ものづくり=仕事」への想いをぶちまける。
文庫化にあたり、書き下ろしのまえがき、ピース又吉直樹との「働く男」同士対談を特別収録。


* * * * * * * * * *


この頃、映画でもよく見かける星野源さん。
先にTVドラマ「コウノドリ」の、「しのりん」で、
私はすっかり星野源さんファンになってしまいました。
それで、目についいたこの本をさっそく手にとってみました。


実は本作の初版の帯にはこんな言葉が書かれていたのだそうです。

「どれだけ忙しくても、働いていたい。
ハードすぎて過労死しようが、僕には関係ありません。」


いやいや、しかし、この本の入稿直後に、倒れたのですね! 
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血。
その頃、私はそもそも星野源さんのことをよく存じていなかったのですが、
さすがにTVの芸能ニュースで取り上げられていたので、知っています。
過労が直接の原因ではなかったとのことですが、
その後彼も「働き続けること」に快感を見出すような突っ走り方をやめたそうで・・・、
何にしても無事復帰出来て良かったですね! 
ただ、テレビに映画、音楽活動・・・、
今も十分過ぎるくらいに突っ走っているように見受けられるのですが、どうぞご自愛を。


さて、本作は雑誌「ポパイ」に掲載された映画コラム「ひざの上の映画館」をまとめたものに、
その他星野源さんの活動がわかる様々なものを加えて一冊の本としています。
この文庫だけの特別付録として、又吉直樹さんとの対談も。
私が興味を持ったのは、やはりこの映画コラムです。
ラインナップは『ルドandクルシ』『ハート・ロッカー』
『プレシャス』『ザ・ロード』『英国王のスピーチ』など、
私も見たことがあるものが多くて、親しみを感じます。
そしてまた彼の文章は「映画評」ではなくて、
この映画で喚起された自分の思いをエッセイ風にまとめているというふうなのです。
実は私、本当はこんなふうな文章を書きたい!と常々思っているのですが、
いつもストーリー紹介で体力を使い果たしていることが多く・・・
うーん。やられました。
星野源様、ついていきます!


それと、なんだか全体に「男っぽい」感じがします。
どこがどうとは言えないまでも、やっぱり女の発想ではないところがそこここに感じられる。
なかなか、私には刺激的でした。


「働く男」星野源 文春文庫
満足度★★★★☆