順不同が残念だけど
* * * * * * * * * *
『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。
事件は異様な見立て殺人だと判明する…
掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
* * * * * * * * * *
あのベストセラー「その女アレックス」は、まだ記憶に新しい。
鮮烈なミステリでした。
でも、日本では出版が逆になってしまいましたが、
実はこちら「悲しみのイレーヌ」がヴェルーヴェン警部たちのデビュー作であり
また、ピエール・ルメートルのデビュー作でもあるのですね。
なんとも残念なのですが、私たちは先に「その女アレックス」を読んでしまっているので、
必然的に本作の悲劇的結末を知ってしまっているという・・・。
順番が狂ってしまったことで、すごく損をしてしまっているのですが・・・、
まあ、致し方無いですね。
で、仮に「その女アレックス」を読んでいない方が本作を読むとします。
実に悲惨な連続殺人事件が起きるのですが、
次第にこの本の題名が気になってきます。
悲しみのイレーヌ?
イレーヌというのはヴェルーヴェン警部の奥さんなんです。
しかも身重。
多忙な警部は思うように奥さんにしっかりついていてあげられないことを
いつもくやんでいるのですが・・・。
イヤーな予感がしますよね。
今にイレーヌの身の上にもこんな身の毛もよだつ事件が振りかかるのではないか・・・と。
まあ、そんな点では親切なような、不親切なような題名なのであります。
不意打ちよりましか・・・。
まあ、その点はおいておくことにして・・・。
本作は日本ではやりのミステリ風。
これでもかというくらいに、陰惨な猟奇殺人事件に加えて、
大きな作者のだましが仕掛けられています。
登場人物も個性的で魅力があります。
ヴェルーヴェン警部のお人柄が好きですねえ・・・。
背は極端に低いけれども、気持ちはおおらか。
もちろん頭脳は優秀。
この人と結婚したイレーヌもその良さが分かるステキな女性なんですよね・・・。
そしてその部下、
裕福でイケメンで優秀、金髪のルイが登場すればやはり嬉しくなってしまいますし・・・。
天が2物も3物も与えてしまう、こういう奴ってたまにいるんですよねえ・・・。
というわけで、日本の最近のミステリが好きな方ならきっと気に入る作品だと思います。
しかし、返す返すも、きちんと順を追って読みたかったですね・・・。
「悲しみのイレーヌ」ピエール・ルメートル 文春文庫
満足度★★★★☆
![]() | 悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3) |
ピエール・ルメートル,橘 明美 | |
文藝春秋 |
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『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。
事件は異様な見立て殺人だと判明する…
掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
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あのベストセラー「その女アレックス」は、まだ記憶に新しい。
鮮烈なミステリでした。
でも、日本では出版が逆になってしまいましたが、
実はこちら「悲しみのイレーヌ」がヴェルーヴェン警部たちのデビュー作であり
また、ピエール・ルメートルのデビュー作でもあるのですね。
なんとも残念なのですが、私たちは先に「その女アレックス」を読んでしまっているので、
必然的に本作の悲劇的結末を知ってしまっているという・・・。
順番が狂ってしまったことで、すごく損をしてしまっているのですが・・・、
まあ、致し方無いですね。
で、仮に「その女アレックス」を読んでいない方が本作を読むとします。
実に悲惨な連続殺人事件が起きるのですが、
次第にこの本の題名が気になってきます。
悲しみのイレーヌ?
イレーヌというのはヴェルーヴェン警部の奥さんなんです。
しかも身重。
多忙な警部は思うように奥さんにしっかりついていてあげられないことを
いつもくやんでいるのですが・・・。
イヤーな予感がしますよね。
今にイレーヌの身の上にもこんな身の毛もよだつ事件が振りかかるのではないか・・・と。
まあ、そんな点では親切なような、不親切なような題名なのであります。
不意打ちよりましか・・・。
まあ、その点はおいておくことにして・・・。
本作は日本ではやりのミステリ風。
これでもかというくらいに、陰惨な猟奇殺人事件に加えて、
大きな作者のだましが仕掛けられています。
登場人物も個性的で魅力があります。
ヴェルーヴェン警部のお人柄が好きですねえ・・・。
背は極端に低いけれども、気持ちはおおらか。
もちろん頭脳は優秀。
この人と結婚したイレーヌもその良さが分かるステキな女性なんですよね・・・。
そしてその部下、
裕福でイケメンで優秀、金髪のルイが登場すればやはり嬉しくなってしまいますし・・・。
天が2物も3物も与えてしまう、こういう奴ってたまにいるんですよねえ・・・。
というわけで、日本の最近のミステリが好きな方ならきっと気に入る作品だと思います。
しかし、返す返すも、きちんと順を追って読みたかったですね・・・。
「悲しみのイレーヌ」ピエール・ルメートル 文春文庫
満足度★★★★☆