映画と本の『たんぽぽ館』

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「グイン・サーガ136 イリスの炎」 宵野ゆめ

2015年06月02日 | グイン・サーガ
もつれる後継者問題

イリスの炎―グイン・サーガ〈136〉 (ハヤカワ文庫JA)
天狼プロダクション
早川書房


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さて、サイロンですね。
アキレウス大帝亡き後、後継者問題が未だに決着を見ない。
私達からすると、グインでいいじゃん、って思っちゃうんだけど、そうは行かないのね・・・。
グインは「一代限りの王」ということだったんじゃなかたっけ?
 後継者となれば、グインの人格だの功績は別の話で、やっぱり血筋がきちんとしていないと、国民としては納得出来ないのだろう・・・。
 誰もいないのならともかく、オクタヴィアもいることだし・・・。
オクタヴィアがあとを継いで、後見人としてグインがそのまま「王」でいいじゃないのねえ。
まあ、そう思うんだけどね・・・。
 しかしグインの立場の正当性を裏付けるもう一人正当な跡取り、「シルヴィア」がいないわけだし・・・。
 っていいたいけど、いるんだよね、これが。
せっかくアウロラに救われ、記憶もないままにつかの間平穏な日々を過ごしていたのに・・・。
全く、この人は記憶を失ったままのほうが幸せだったよね。
それがまたとんでもない運命の始まりで、何者かの陰謀でなんとパロへいって、
 王位継承の名乗りを上げるなんてことになってしまってる。
・・・どうなっちゃうのだろうね。
すご~く、気になるね。


そしてまた、彼女が産み落としたこどもが・・・。
いるんだよね。けど。洪水でどうなっちゃったかもわからないのだけれど・・・。
まあ、ここで死んでしまっては話がつまらないから、きっと生きながらえて、
 思いも寄らないところでまた登場するんだよ。
 だってこの子だって王位継承権はあるんだから。
ではグインの双子たちはどうなっちゃうのだろ?


うーん、物語は本当に主要人物の二世たちが主役に移り変わっていくのかもしれない。
これじゃあと100巻あっても足りなそうだよ、ホント・・・。
私はねえ、もしかしたらどこかにナリスの隠し子がいてもおかしくないような気がする・・・。
怪しげな「ナリスの復活」はなしにして欲しいけど、ナリス2世ならいいなあ・・・。
 けど、それってもちろんリンダの子じゃないよね・・・?
あたり前でしょ。リンダは処女なんだし・・・。
 その結婚の前に、ナリスは相当浮き名を流していたようじゃない。
それなら、もう結構な年だよね・・・?
だからさ。出てくれば面白いでしょ。


それで、前の時に、なんだかグインがいても安心感がない
 ・・とか言っていたんだったような気がするけど。
それなんだけどね、やっぱりそういう印象は拭えないような・・・。
 継承問題なんかさ、とにかく今はオクタヴィアしかいないわけだから
 「彼女が後を継ぐ、自分が補佐する」って一言いえば済むだけだと思うけど。
 なんだか他人事みたいに黙ってるだけで・・・。
ちっとも頼りにならない感じ・・・?
まあ、今後に期待しましょう・・・。

「グイン・サーガ136 イリスの炎」宵野ゆめ ハヤカワ文庫
満足度★★★☆☆