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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「一角獣の繭」篠田真由美

2007年06月23日 | 本(ミステリ)

静かな高原で、蒼がであったユニコーン。
蒼は、つらい宿命を負った少女を守りぬけるのか。

           * * * * * * * * *

「一角獣(ユニコーン)の繭」 篠田真由美 講談社ノベルス

この物語はほとんどが、上高地の私的リゾート地内、豊かな自然の中で進められます。建築探偵桜井京介の事件簿、シリーズ13作目。
いよいよ、終盤に近づいた感。

前半はほとんど深春の視点で語られます。
蒼を高原につなぎとめておくことが、彼の使命。
熊のような大男なのに、女性のようなその名前。
バイトでお金を稼いでは放浪の旅に出るというライフスタイル。
世俗にまみれず、しかも、包容力があり、精神はきわめて健全。
そして、料理の腕も超一流!! 
こんな彼が蒼のそばにいるのはある意味、京介といるより安心。
なんと、今回は輪王寺綾乃の婚約者というニセの設定で、タキシードを着てるシーンまであるという、もしかしてこれは???と、ロマンチックな想像までしてしまう。

一方蒼は、晶那(あきな)という不思議な少女と出会う。
二人はつつましく恋に落ちるが、彼女の周りに次々と起こる身内の怪死事件。
事故か、自殺か、または殺人なのか?
この二人はどうなのでしょう。
あまりにも似すぎていて、はかなすぎて、私にはベストカップルのようには思えないのですが。
蒼にはもっと元気のよい女の子がいいんじゃないかなあ・・・。

さて、宿敵ともいうべき松浦窮が、不気味に、事件の背後に見え隠れしており、今回、彼を追い詰めていく京介が最後の鍵を握っています。

まあ、この事件の解決はともかくとして、最大の問題は、この巻、衝撃のラスト!
いったい京介って、なにもの????
以前から、仄暗い過去をほのめかしてはいましたが、とうとう、ここで急展開。
これはなに?!?
次作で、いよいよ、その秘密が明かされるらしい・・・。
待たれる次号!! 乞うご期待!!