映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

16ブロック

2007年06月30日 | 映画(さ行)

ニューヨーク市警の刑事ジャックが、裁判所へ証人を送り届ける。それだけの任務。ほんの16ブロック先。時間の猶予はは118分。

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「ダイ・ハード4.0」は、まあ、そのうち観ることとして、本日は、DVD「16ブロック」で、ブルース・ウィリスを拝見しました。
ダイ・ハード4.0の方も似たような設定だったのでは?
ただ、この作品は、ダイ・ハードよりもう少しシリアスです。

ジャックは、酒びたりで昔の怪我で足を引きずって歩く、くたびれたさえない刑事。
このたびの任務もいやいやながらひきうけて、そして遭遇する最悪の一日。
この護送するエディは、警察内部の不正の証言をすることになっている。
それを阻止するために、なんとジャックの仲間の刑事たちが、エディの命を狙うのです。
まだ、かすかに残っていた正義感が揺り動かされ、ジャックはエディを守って裁判所へ送り届ける覚悟を固める。
とすれば、ジャックもまた彼らの攻撃の対象となり、16ブロックのサバイバル・ゲームが始まります。
エディは、強盗など、悪いことばかり繰り返してきたしょうもないヤツなのですが、どこかひょうきんで、憎めない感じ。
彼もまた、ジャックが命を懸けてまで自分を守ろうととすることで、気持ちが変わっていきます。
もともと、プラス思考の持ち主のようですね。
自分は、変わることが出来る。
悪いことからはきっぱり足を洗って、シアトルでケーキ屋をはじめるのだ、と、語るエディ。
人生を半分捨てていたジャックも、そんなエディの希望を持った考え方に、感化されていくようです。
この二人の気持ちの通い合いがバック・ボーンにあって、なかなか渋い味の出た作品に仕上がっているのでは・・・と。

そしてもう一人、ジャックの命を狙わなくてはならなくなった友人の刑事と、ジャック。この二人の関係もなかなか鬼気迫る感じです。
敵対関係となるときも、決してののしりあったりしない。
あくまでも穏やかな口調で、諦めにも似た静かな殺意・・・。
デビッド・モースはうまい、と思いました。
この方は、絶対、他の作品でも見ているなあ・・・と思ったら、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とか「グリーン・マイル」、「夢駆ける馬ドリーマー」、結構見ているものに出ています。今度、見れば分かると思う・・・。なかなか、人の名前、覚えられないんです、実は・・・。

2005年/アメリカ/101分
監督:リチャード・ドナー
出演:ブルース・ウィリス、モス・デフ、デビッド・モース
「16ブロック」公式サイト