「コメント力」 齋藤 孝 ちくま文庫
はっとする一言。いつもそんな言葉がつむぎ出せたら・・・。
齋藤孝氏の「質問力」、「段取り力」に並ぶ一冊です。
日本人は、コメント下手といわれます。
確かに欧米の著名人のインタビューの受け答えなどは実にユニークで楽しい。
著名人だけでなく、一般の人も、つまらない受け答えをするのは恥と心得ているようです。
いつぞやTVでみた、アメリカでハリケーンの只中を警備する警官のインタビュー。
「いやー、ぜんぜんたいしたことない。まったく問題ないね。」
しかし、テレビの画像では、彼の傘は裏返り、立っているだけでも大変そうな様子がしっかり映っている。
空元気とも思えるこの受け答えに、私ははアメリカ人のユーモア精神を見た気がして、感心してしまいました。
日本でこんな受け答えをしたら、不真面目だと、苦情が来るでしょうか。
でも、最近は日本でもトーク番組も多く、気の利いたコメントが、いろいろな場で求められていると思います。
そのためのテキストとなる、この本。
コメントを分析すると、
意味もないし、面白くないもの。
意味はあるが面白くないもの。
意味はないが面白いもの。
そして、意味があって面白いもの。
このようなゾーンに分けることができると、氏は言います。
もちろん、目指すべきは「意味があって、面白いもの。」
そのためには、専門的知識と、優れた感性が必要。
いいブログ記事を作ろうと思ったら、この辺の修行が必要ということですよね。
う~む、前途多難です。が、気長にがんばってみましょうか・・・。精進、精進。
この本では、いろいろないいコメント例が紹介されていますが、
そんななかで、「エースをねらえ!」の宗方コーチのせりふが多様されています。
コーチが、藤堂くんを呼び出していった言葉。
「男なら女の成長をさまたげるような愛し方はするな!それだけだ。」
そういえば、ありましたねえ、そんなセリフ。
いい言葉ですねえ・・・しみじみ。こう言われたら、ほんとに、めったなことは出来ない。
また、藤堂くんだからこそ、このセリフをきちんと受け止められる、そんな信頼すらもうかがわれますよねえ・・・。この他にも「エースをねらえ!」はお宝コメントの山・・・ということですので・・・、なんだか、また読みたくなってしまいました。