2014年年初めの読書感想です
つくるは36歳。鉄道会社で駅や電車の設計という、ものつくり(名前通りの)仕事をしている。
高校時代つくるは男女5人と青春そのものを楽しみ、絶妙なバランスを取りながら5人だけの王国を築いていた。不思議なことに親友男女4人は色彩に関係した苗字を持っていたアカ・アオ・クロ・シロ・・・
だけどその男女4人から大学2年の夏に突然絶縁されて、そのショックで翌年まで自殺のふちをさまよった。そんな過去と直面すべきだと恋人にうながされ、16年ぶりにかつての仲間を訪れることにする。彼の《巡礼》の旅
久々の村上ワールドを旅させてもらいました
1Q84以来の楽しき世界でした
1Q84よりはわかりやすい導入で、推理小説か!!と思わせるような展開もあり
とても面白かったです
今回はリストのピアノ独奏曲「巡礼の年」
5という数字は4でも6でもない・・・微妙なバランスを取りながら、あらゆるものを生み出し、あらゆるものを入り込ませない結界を作る・・・
フィンランドの美しい風景
駅といういろいろな人が通り過ぎていく雑踏の中にある静寂
人はもしあのときああしていたら・・・自分の人生はまったく違うものだったかもしれない・・・などど思いがちだが、結局はどう寄り道しようとも到着すべきところにしか到着しない・・・
そうであったかもしれない
そうでなかったかもしれない
まさしく村上ワールドにどっぷり浸かることができました
ラストも余韻を残すような感じで霧の中へ歩いていくような・・・それもよかったな・・・