自殺の偽装を施され最愛の妹を殺害された愛知県警豊橋署に勤務する和泉康正は、
“現場検証”の結果、2人の容疑者を割り出す。ひとりは妹の親友。もうひとりはかつての恋人。
康正は“復讐”のために懸命に真犯人に肉迫するが、その前に練馬署の加賀刑事が立ちはだかる。2人の警察官の“推理の攻防”の結末やいかに!?
ここに登場する刑事練馬署の加賀恭一郎が探偵ガリレオの湯川 学の原型かと思われる
この「どちらかが彼女を殺した」は1996年の作品でガリレオは1998年から書かれているし・・・
剣道大会で全国制覇するほどの武芸に秀でた秀才で粘着質な性格・・・だけど人情味溢れる加賀恭一郎
一方ガリレオの草薙俊平は帝都大学卒の警視庁捜査一課の刑事で趣味はテニス
どちらも大変に魅力的ではあるが私はここに登場する加賀さんが好きだな・・・
内容はオーソドックスな密室殺人事件で犯人は2人に絞られている
最後まで自殺の線も捨てきれない展開・・・
細かいトリックで封筒の破り方で右利きと左利きを見分けたり、死ぬ前に飲んだ睡眠薬が右利きの人間によって開封されているという事実・・・
最後まで犯人はどちらなのか判断しかねる
次々にあばかれる事実により二転三転する複雑な手の込んだアリバイ工作
東野さんにしてはずいぶん古典的な推理小説に真正面から取り組んでるな・・・と思った
でもとってもよく考えられていて静かなる日常を送る普通にまじめに生きている人間が犯罪に手を染めていく心理が明確に描かれていて飽きることなく集中して読めた
ただ親友に結婚相手を奪われるという話はよくある話・・・それだけの理由で無二の親友に殺意が芽生えるのか?
私なら違う道を選んであきらめられるはず・・・と思ったのだけど
ますます東野さんに惹かれていくなぁ~~次は当然「私が彼女を殺した」にすすむべきか・・・