読みました!「勝負師の妻」
碁囲棋士・藤沢秀行さんの妻、モトさんが書いた夫婦生活50年・・・すさましい人生でした。
凡人の私なら到底がまんなど出来そうもない・・・何か月もつだろうか?
家に帰ってこない・家の事は顧みない・お金がない・客が多い・浮気をする・ギャンブルにのめる・・・
まぁぁここまでは、百歩譲って、ものすごい忍耐と、帰る家が無い、子供のため・・・として仮に耐えられたとしましょう・・・
しかし・・・しかしですよ!! 暴力は絶対に無理ですね・・・物を投げる、蹴散らす、壊す・・・バイオレンスは苦手です・・・
酒に酔ってすることなので、秀行さんは記憶に全くないらしいのですが・・・ガラスは粉々・・・血は噴き出す・・・血は苦手です・・・私・・・
しかし・・・しかしですね~~モトさんは耐え続けます!
やはりその根底には秀行さんの妖しいまでの魅力がありますよ・・・寝ても、覚めても、碁・碁・碁・・・碁の事しか考えていない、
その無防備さが女心・・・母性本能をくすぐるのでしょうか・・・
モトさんは出会ってから、ず~~っと今でも、深く、深く秀行さんを愛していらっしゃることが伝わります・・・
集中したら何も他の事は見えなくなる・・・対局直前は草履もきちんと履けないくらいに、頭の中は碁でいっぱい・・・
そのくだりでは、私は「坂本龍馬」を思い浮かべてしまいました。龍馬も何か考え事をしている時は、ご飯でもポロポロとこぼしていたと言いますから・・・やはり天才型の人にはこの身を削るまでの集中力が必要なんでしょうね・・・
それで、モトさんは華道池坊の師範なのですが・・・
秀行さんも華道のセンスあるそうで・・・碁と華という違う世界でも「空間をとらえる」という感覚が相通じるのではないか・・・と分析しておられました。
おもしろくて2時間ちょっとで読み終えてしまいました。
秀行さんの素晴らしいところは
①勝負師独特の勝負への執念はとことん燃やしつつも、その勝ちを奪うまでのプロセスに“美しさ”というこだわりを持ち続ける事・・・
②いつも碁に対しては「謙虚さ」を忘れない事・・・(お弟子さんにも「わからない・・・教えてくれ」と素直に聞く姿勢・・・)
③お金もうけがヘタな事・・・(ギャンブルはあくまで、息抜きなんです・・・)
人材育成とか、人を大切にするという誠意とか、徳を積むという事、は目にみえませんが、いつの日か、何らかの形で自分にかえってくるもんなんだな・・・と思いました。
途中登場しました;">「坂本龍馬」もその青春は世界のどの民族の前に出しても十分に共感を呼ぶと評されています。私の尊敬する幕末の志士です。またその話もしてみたいです・・・