原題:『Kingsman: The Secret Service』
監督:マシュー・ボーン
脚本:マシュー・ボーン/ジェーン・ゴールドマン
撮影:ジョージ・リッチモンド
出演:コリン・ファース/マイケル・ケイン/タロン・エガートン/サミュエル・L・ジャクソン
2014年/イギリス
イギリス製「スパイもの」の特性について
『キック・アス』(マシュー・ボーン監督 2010年)が「ヒーローもの」のパロディーであるように、本作は「スパイもの」のパロディーとしてよく出来ている。冒頭にダイアー・ストレイツ(Dire Straits)の「マネー・フォー・ナッシング(Money for Nothing)」を流すところからしてふざけているのが分かるのであるが、例えば、主人公のハリー・ハートがエグジーとカフェに入り、ギネスビールを飲んでいる背後の壁には「Guinness for Strength(滋養強壮にギネス)」というポスターが貼られており、その後の店内のストーリー展開を予想させ、あるいは高級スーツ店「キングスマン」のハリーの書斎にはイギリスのタブロイド紙「ザ・サン(The Sun)」が壁一面に貼られているのであるが、その内の一面の見出しが「ブラッド・ピットが私のサンドイッチを食べた(Brad Pitt ate my sandwich)」というくだらないもので、ギャグの細かい部分までこだわるところはさすがイギリス映画である。
しかし主演を演じたコリン・ファースが途中でいなくなってしまうのは余りにももったいないような気がするのは私だけではないような気がする。