原題:『Relatos Salvajes』 英題:『Wild Tales(野蛮な話)』
監督:ダミアン・ジフロン
脚本:ダミアン・ジフロン
撮影:ハビエル・フリア
出演:エリカ・リバス/レオナルド・スバラーリャ/リカルド・ダリン/フリエタ・ジルベルベルグ
2014年/アルゼンチン・スペイン
「暴力と復讐」というテーマにそぐわないラストシーンについて
本作は暴力と復讐をテーマにした6つの短編のオムニバス作品であるが、前半の「おかえし(パステルナーク)」、「おもてなし(ネズミたち)」、「エンスト(一番の強者)」は完全に頭のおかしくなった登場人物が巻き起こす物語で、最後に自分の両親の家に飛行機を突っ込ませたパステルナークや、相手のクルマのボンネットに挙がって大便を垂れるマリオなど全く共感できないが、後半の「ヒーローになるために(爆弾魔)」、「愚息(提案)」、「HAPPY WEDDING(死が2人を分かつまで)」はまだ共感できる部分はある。しかし「HAPPY WEDDING」のラストはテーマに即して観るならばどうしても却って違和感が残り、余りにも悲惨なストーリーが続いたために最後は無理やり丸くおさめたような印象ではあるが、全体的には非常に上手くできている。