原題:『GAMBA ガンバと仲間たち』
監督:河村友宏/小森啓裕
脚本:古沢良太
出演:梶裕貴/神田沙也加/高木渉/矢島晶子/高戸靖広/藤原啓治/大塚明夫/野沢雅子/野村萬斎
2015年/日本
「友情」「努力」「勝利」のつまらなさについて
主人公で町ネズミのガンバがワインのラベルを見て海の存在を知るところは『進撃の巨人』(樋口真嗣監督 2015年)と似ているが、そんな町ネズミが船乗りネズミのボスのヨイショと差しで戦うことになり、圧倒的に不利な状況の中でヨイショの足にしがみ付くことでヨイショを倒し一目置かれることになる。それはクライマックスにおいて白イタチのノロイの体にガンバと仲間たち全員でしがみ付くことでノロイを倒し、さらにノロイと共に海底に沈んでいくガンバを救いにシオジが潜っていき、ガンバの手に「しがみ付き」引き上げるところまで続き、これは正に漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』が編集方針として掲げるキーワード「友情」「努力」「勝利」の3つを体現しておるのであるが、そのような物語が面白いかどうかはまた別の話なのである。
個人的にはガンバのキャラクターデザインはテレビアニメ『ガンバの冒険』のずんぐりむっくりの方が愛嬌があると思ったが、それよりも驚いたことはエンディングテーマ「ぼくらが旅に出る理由」を倍賞千恵子がカバーしていることで、以前、小沢健二が童話のようなものを書いていたことに違和感があったのだが、これで元々そのような素質があることが分かった次第である。