MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』

2015-10-04 00:03:40 | goo映画レビュー

原題:『Boychoir』
監督:フランソワ・ジラール
脚本:ベン・リプリー
撮影:デヴィッド・フランコ
出演:ダスティン・ホフマン/ギャレット・ウェアリング/キャシー・ベイツ/デブラ・ウィンガー
2014年/アメリカ

列車と練習の終了の関係について

 ストーリーそのものは可もなく不可もないのであるが、変声期があることを知りながらそれでも厳しい練習に励む少年合唱団員たちの矛盾した存在に今更ながら気づかされた。短い期間で結果を出さなければならない彼らのフラストレーションがいじめにつながることもあるのだろう。
 作品冒頭で通過する列車の背後に主人公のステットが立ちすくんでおり、列車が止まると車輪の隙間からステットの顔だけが辛うじて見えている。突然、列車という巨大な鉄の塊に目の前がふさがれる12歳の少年という構図が、その後の声変わりするステットの困難さを象徴しているように思う。つまりボイス・トレーニング(training)をしていたステットが声変わりをしてしまい練習が途絶えてしまったため「ing」が無くなり、残ったものが「列車(train)」ということなのである。


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