原題:『Force Majeure(不可抗力)』
監督:リューベン・オストルンド
脚本:リューベン・オストルンド
撮影:フレドリック・ヴェンツェル
出演:ヨハネス・バー・クンケ/リーサ・ローヴェン・コングスリ/クラーラ・ヴェッテルグレン
2014年/スウェーデン・フランス・ノルウェー
夫と妻の「本能的」な役割について
夫のトマス、妻のエバ、娘のヴェラと息子のハリーのスウェーデンの4人家族は冒頭で写真を撮られるシーンからしばらくは仲睦まじく、同じ電動歯ブラシで一緒に歯を磨くほど何でも一緒にしているのであるが、2日目の山腹のレストランのテラスで起こった「事件」を契機にバラバラになり、それは吹雪の中で行方不明になったエバをトマスが見つけ出して2人の子供の元に連れ戻すまで続く。
そしてその時、トマスは事故発生時は役に立たないが「事後処理」は上手くやってくれることにエバは気がつき、自分たちのそれぞれの役割を自覚し、だからラストで、乗っていたバスの運転手の運転技術が怪しいことに気がついたエバは事故が起こる前にいち早く乗客たちにバスから降りるように促すのである。意外と「道徳的」な作品である。因みにヴェラとハリーは実際の姉と弟である。