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聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
ビート製ナサート管(樹生使用物品3)

樹生さんのGPZって、マフラー左出しで珍しいねすよね。
青いGPZ1100も95年しかなったカラーですし、左出しのマフラーも少数派だから、この組み合わせで樹生さんのGPZだってわかりますよ。
いや、それ、よく言われます。
左出しって、なにかこだわりがあるんですか?
そ、それが…申し訳ないのですが、実は右出しの方が好きなんですよ。
ええ?どうして左出しにしたんですか?
まずですね、マフラーを交換してみようかなって思ったんですね。
やっぱり迫力のある音や、モアパワーを求めてですか?
い、いえ…その、…一回やってみたかった…というのが本当のところでしょうか。
GPZクン、装備で270㎏ありますから、とにかく押し引きが重いんですね。で、少しでも軽くならないか…と、
そして、それに加えて、カスタムと言えばマフラーだよなあ…って気持ちもあってですね…。
あなた、本当に樹生さん?
なんか、言ってることが違うような気がしますけれど…。
い、いや、こっちが本当でして…。
それで、でもうるさくなるのは嫌で、当時はとにかく静かなマフラーが欲しかったのと、それから、キャブレターのセッティングをし直すのも嫌で、パワーはそんなにいいから、静かで、ノーマルキャブのままで、ってのを探したんです。
いろいろあったでしょう。
ええ、当時、月木レーシングの宮崎選手がNK-1で速くて、その月木レーサーがかっこよくてね。
東京に用事があった時、ヘルメットとグローブを持って月木レーシングまで行って、レプリカモデルに試乗させてもらったりもしました。右出しでしたしね。
どうでした?
いや、よかったですね。ハンドリングも軽くて、鋭くて、でも乗りやすく…。
じゃあ、それにしなかったのですか?
すこ~しね、少しだけなんですが、音が大きい感じがですね、したんですね。
それと、センタースタンドを外さなくちゃいけなかったんですよ。
ああ、よくありますよね、リプレイスマフラーを付ける場合、センタースタンドを付けられなくなることは。
それが、どうも、ひっかかってですね。
旅先とか、チェーンメンテの時とか、僕はセンタースタンド多用派でして、結構使うんです、センタースタンド。
ああ、でも、レーシングスタンド使えばいいじゃないですか。
そうなんですけれど、当時の僕は、そのひと手間のためにチェーンメンテをさぼるような気が、自分でしてしまって、それで踏み切れなったんです。
で、どうして左出しになったんですか?
で、静かで、センタースタンド使えて、軽い、そして低速~中速にパワーの谷ができない…と探していったら、ビートジャパンさんの出してる、チタンフルエキゾースト、カーボン巻サイレンサーの「ナサートRR」てのが見つかったんです。
ほほう。
機械曲げで16万5千円。値段は何とかぎりぎり出せる値段。これならレーシングスタンドも買わなくて済むし、センタースタンドもそのまま、そして雑誌なんかで乗っているデータだと、94デシベル以下で、一番静かな部類だったんです。パワーカーブも公開していて、全域アップのきれいな曲線でしたし。
それで、決めたんですか?
はい、本当は両方出しの左右対称のルックスが好きだった。次は右一本出しだったんですが、まあ、つけてみようと思って。
で、どうでしたか?

やっぱり、ノーマルの方が静かでした。ナサート管はうるさくないんですが、低回転から腹に響くような、低い音量のズオオオオ…という音がするんですよ。
いいじゃないですか。
ええ、いい音です。今はすっかり慣れました。でも当初はそれでも、住宅街では遠慮したくなるような音だと思ったんですね。今でも住宅街の中は気にして、できるだけ静かに通過していますけれど。
パワーはどうでしたか?
広島に住んでいた時だったんですが、交換前、交換後にパワー計測してもらったんです。
すると、交換前後輪で100ps、交換後後輪で110ps。10馬力のUPでした。
そしてすんごくきれいな、まっすぐ伸びていくパワーカーブなんですよ。
体感的にも、ごく低速からぐいっと車体を押してくれるトルクが感じられて、本当に優れたマフラーでした。
ちょっと、まってくださいよ。樹生さんのGPZ、国内仕様でしょ、ノーマルで後輪100ps出るわけないじゃないですか、ゲタ履かせてたんじゃないですか?
エンジンは一回も、開けていないので、カムも何もかもノーマルです。でも、慣らしとか、マイクロロンとか、ちょっとだけ工夫はしてたんですね。それと、当時の主治医「カワサキショップキティ」さんの整備技術のおかげもあると思います。
検査してもらったショップの人も、こんなコンディションのいいのは本当に珍しい、驚いたと言っていましたが。
だからゲタじゃないと思いますが、まあ、わかりませんけれど。
それにしても、ビートのナサート管の効果はばっちりだったんですね。
素晴らしいものでした。
上の写真が初代のサイレンサー。一番上、タイトル写真のサイレンサーが去年(2011年)夏に交換した、2代目のサイレンサーです。
このときの顛末は「GPZ君、サイレンサー交換」の記事に書いています。
すでに型落ちし、在庫もないものでしたが、ビートジャパンさんが特注で製造してくれたんです。
サイレンサー単体で6万円。
とてもお得で、ビートさんの製品とユーザーを大切にする姿勢に感動した買い物でした。

左出しのサイレンサーなので、右側からの眺めは、マフラーがなくて、少しさみしいと言えばさみしい眺めです。
それに、左側にチェーンラインとサイレンサーが固まって、右側はリヤブレーキのみと、これもバランスがよくない気もしているのですが、まあ、こんなバランスは気分の問題なんですけれども。
まあでも、見慣れればいいんじゃないですか、樹生さん。
そうなんですよ。
まあ、オーナー馬鹿なんですけど。
ところで、どれくらい軽くなったんですか?
ノーマルがとにかく重い鉄製で16㎏とか言われました。
フルチタンでカーボンサイレンサーのこのナサート管は本当に軽くて、10㎏以上軽くなったと聞いています。
実際に重量を自分で計った訳ではないので、あまり断言できませんが。
では、乗車時の感覚も大幅に変わったんですか?
それが、あんまりわかりませんでした。
加速が良くなり、トルク感も全域で本当に増して、パワーは上がっています。
でも切り替えしで驚くように軽くなったか、と聞かれると、いやもうかなり昔のことですかれど、そこまで激変ではなかったような…。
ただ、当時はまだそういうセンサーが鈍かったせいなのかもしれませんけれど。
で、この買い物は、どうでした?

98年にマフラーを替えて、もう14年が過ぎました。
このマフラーで7万キロ以上走っていますし、もう、これがGPZクンだと言ってもいいんじゃないかと思います。
左出しも、自分ではほとんど意識することがありません。
去年、ビートジャパンさんにお世話になって、改めてものを買うというのは、人と人のつながりなんだな…と思いました。
いい買い物をしたと思います。
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まで変わって、違いがわかりやすいパーツの一つですよね。
機能面以外にも、見た目、排気音ががらっと変わって、対費用効果は大きいですね。
GPZ1100を下からのぞくと、エンジンから伸びてきた排気管は、オイルエレメントを過ぎ
たところで左右に分岐しますが、右への配管は、かなりぐねぐねと曲がっていて効率が
悪そうに見えます。
恐らく左側からの方が右側よりも多く排気されているかもしれません。
排気効率を考えると左一本出しはベストかもしれませんね。
それに、右一本出しにすると、センタースタンドの足をかけるところが妙に目立ちます。
後輪出力110PS。
GPZに丁寧なナラシを施した記事がありましたが、機械がそれに応えてくれるみたいで、
オーナーとしてはうれしいですよね。
BEETの姿勢もすばらしいですね。
オイルフィルターのでっぱりが右側にあって、それを避けて左側に集合するんですよね、GPZの排気管。
そこから素直に後方へ出すと左出しになってしまうという…。
ナラシの記事を覚えていてくださったんですね。
自分のところに来た商品を徐々に自分のものにしていく、それがナラシだと思います。靴にしても、何にしても、ちょっと大変ですが、ナラシってけっこうどきどきして、好きなんです。
ビートさんには、本当に感謝しています。
コスト、効率、利益計上が至上命令化していく感のある昨今のビジネス界ですが、顧客と自社製品を愛する方が、ずっと大事だと思っています。それが時代遅れだとしても。
そう、カスタムといえばマフラー。
ドゥカティといえば、乾式クラッチのメカニカルな音、
野太い排気音。ST4を薦めてくれたショップの方がST4に乗っていらしてエンジンを掛けてくれた瞬間のあの衝撃は今でも忘れられません。
元々、スピードに興味がなく、エンジンのキャラクターの濃いものを探しておりました。
昔から気になっていた、BUELLライトニング、ショップ巡りでで見かけ一目惚れした、モトグッチカリフォルニアビンテージ1100、大らかで懐の深そうなBMWのR100R等です。勿論何を購入してもマフラーだけは替えたい、替えてみたい。全てが思いっきりミーハーな感覚でした。でもとても楽しかったです。
ST4を購入後レオビンチ、テルミニョーニ等探しましたが、とっくに生産中止。中古を探していたところ、オークションでメーカー不明のカーボン製のマフラーを見つけました。穴が開くほど画面を見て調べていたので、取付金物に特徴があった事で、ドゥカティパフォーマンスであることはほぼ間違いなく、頑張って購入。取付も済ませ、いざ点火。
予想をはるかに超える音に即エンジンを切りました。
ただご近所に迷惑掛かる!と思うと同時に正直痺れました。
基本的に休日の朝早く日の出位に大きい通りまで押して行き、暖気も2000回転程度、水温が上がって来たらすぐ出発、峠で朝練、昼には帰る生活です。
明らかに軽く、グズつく発進時が随分スムーズになり、トンネルでも音が聞こえ、いけない事とは思いながら、止められない。情けないもんです。正に情念の塊です。
なので、樹生さんの一つ一つの姿勢が眩しい。
自分もそうありたい、でも止められない。知合いのバイク好き車屋さんにバッフルを作って貰おうかなどと半端な事まで考える始末。
ただ、樹生さんのブログに出会ったことで、自分が浅ましいという、そういう感覚を持てました。
出会っていなければそれでいいと思っていたと思います。
感謝しております。未だ葛藤中です。
バイクの愉しみの中に「音」というのも確かに在ると思います。
特にドゥカティはあの独特のパルスの効いた音が魅力ですね。街中でも思わず振り返るような、そんな感じです。
私は元々田舎育ちで、自転車少年で、例えば原付の時は、本州の田舎の、狭い集落の中の道を、家の前のきれいな水路でおばあさんが大根を洗っているような、その前を通させてもらったり、軒下を通るような道をとぽとぽと駆け抜けていくような走りが原点だったので、静かなバイクが好みになってしまったのだと思います。
あと、当時はとにかく長時間走り続けるような走り方もしていたので、音が小さい方が最後は疲れない…というのもあったかもしれません。
でも、静かに走っているつもりでも、バイクを知らない人から見れば遊びでCO2をまき散らしてうるさくしている暴走族にしか見えないかもしれず、私の場合も所詮は自己満足。飛ばす時は飛ばしますので、言い訳もできません。
どんな楽しみでも、楽しみというのにはどこかに後ろめたさがついて回るものなのかもしれません。
それでも、バイクで走るのが好きなんです。
薫りまで漂ってくる情景表現豊かな作品のリアリティの
礎がなんとなく垣間見えるような気がします。
分析ばかりしているみたいで申し訳ありません。
作品の数々、素直に引き込まれながら楽しく読ませていただいております。
又、誇張ではなく正直にじっくり読み返したい作品が殆どで、きちんと感じ取れた時に感想を書かせていただきます。
他にも気になる記事が沢山あり、時間が足りません(困)
嬉しい悲鳴です。
音の件はなんといえばいいのか、又一つ分かったような感じがしております。
後ろめたくても好きなんですよね。
ただ末永く、気持ちよく乗り続けるには自分で自分の首、又は他人の首を絞めるような行為は極力避けなければいけないのですね。それを自覚し乗りたいと思います。
有難うございました。
ありがとうございます。
日々の中で書き流した記事もありますが(結構多いです^^;)、じっくり考えて書いた記事もあります。
私自身も、このブログには愛着を覚えています。
ただ、この書き手としての樹生和人と現実の私とは、別人だと言っていい…というか言わねばなりません。
どうしても、書くときには、何かが肥大し、何かを隠蔽してしまうものですが、私の場合も、そういう傾向があると思います。
あくまで、web上の記事としてお読みいただければ幸いです。
誤解を招かないよう気を付けて文字にする事を意識して書いていましたが、読み返してみると確かになんだか盲信しているかのようで、無用のプレッシャーを・・・。失礼いたしました(汗)。このWeb上の一面で想像を膨らませて神格化するようなタイプの人間ではありません。ご安心ください。
例えばですが、樹生さんが実際は粗野で物凄くバイオレンスな
人物で血みどろの日々を送っていたとしても、特に驚きはありません。人物に奥行きがあってかえって好ましいとおもいます。(極端ですいません)
何分、こういう書込みをすることが初めてでしたので、戸惑いながら書いております。今のようにお気づきの点があれば是非ご指摘いただきたく存じます。
ST4さんの書かれている内容、語り口などから想像しているだけの私ですが、ST4さんが、誰かを簡単に盲信して崇拝する方だとは、到底思えません。
そうした慎重さと、節度と、ご自分の価値観をしっかりお持ちの方とお見受けしております。
何と言いますか…半分は私の「照れ」であり、半分は「いつか正体がばれて幻滅されたくない…」という、見栄というか、そんな感情です。(^^;)
丁寧にお読みいただいて、本当に筆者冥利につきます。
ブログの生みの親として、更新終了とともに埋もれて消えていくのでなく、誰かが読んでくれ、そして面白いと感じてくれたり、本気でじっくり読み直してくれたりする…。それは、本当にニヤついてしまうほど、うれしいことです。
また、バイクに関して、こうした感覚を共有できることは、普段の暮らしではなかなかなく、バイクメディアの中でも、実はそんなにないようにも思います。
どうもみなさん「健康」というか、まあ、そうあるべきなのですが、ですから、同好の(同病の?)士がいると、素直にうれしかったりもするのです。
私の中では、「ライダー」文化といいますか、そういうバイクとの付き合い方、バイク旅のあり方、ライダー的、トホホ的生き方は、継承していきたいもの、残していきたいものでもあるので、こんなふうに書いている…という側面もまた、あったりもします。
もちろん、書いてしまったものは、書き手を離れてそれとして存在しますので、どう読まれようと、それは読み手次第であるのは大前提ですけれど……。
…というわけで、また是非感想をお聞かせください。