バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
風のV7(5)

ちくしょう!V7は離れていく。
コーナー毎に差が開く。
目一杯と飛ばしてるのに。
直線がないと、みるみる離れていくんだぜ。
オレはあせっちまった。恥ずかしいけどさ、焦ってたんだ。
磐梯吾妻スカイラインってさ、一番低速なのは福島側から上がってくるところなんだよな。
路面もところどころ波打ってるし、路肩なんかもちょっと怖いのさ。
反対に土湯峠の方から上がってくる道は路面もいいしさ、低速、中速、高速とコーナーもいろいろあってさ、すごく走りがいがあるわけ。
で、土湯峠からしばらくは低速から中速でさ、途中、低速の切り替えしやS字のテクニカルな部分を過ぎてさ、塩見峠の手前に俺たちが勝手に四連ヘヤピンって呼んでるところがあってさ、多分、地元の人もそうは呼んでねえと思うから、ほんの限られた人しか呼んでねえとおもうんだけど、それを過ぎるとさ、浄土ヶ原まで高速コースになるんだよ。
その手前にさ、すごく低速な部分があるんだ。
よく写真に出るスカイラインで3番目くらいに有名なコーナーの手前さ。
1速か、入れて2速か、パワーバンド使う奴ならな、そんなヘヤピンやら回り込んだコーナーやらの部分にさしかったのさ。
もう、V7は後ろ姿も見えねえ、ちきしょう!と焦ってコーナーに突っ込んじまった。
ひとつめの右、ヘヤピンカーブに速めに突っ込んで、ぎりぎり回れたんだけど、出口でアウトに飛び出しそうになって、もう、心臓が凍ったぜ。
アウト側の側溝に落ちたら、ただじゃすまねえ!
無理やり目をそらして思い切り倒し直したさ。
もう、ぜってー突っ込んだと思ったんだけど、ぎりぎりなんとかかわせた。
と、もうそこは左回りのヘヤピンだった!もう倒すこともできねえ!
いや、ラッキーだったのさ、
そこだけ、カーブの外側が駐車スペースみたいに広く取ってあったんだな。
対向車線をそのまま横ぎって、その駐車スペースに飛び出しちまった。
普通のガードレールとか、コンクリの壁だったりしたら、もう、本当にお陀仏だった。
とにかく慌てて急ブレーキ。
なんとか停まれた。
もう、情けねえ。
エンストもしちまって、危うく立ちごけしそうだったぜ。
ひさびさにやっちまった感じで、いや、こけなくてよかったんだけどさ、
気づいたら両手で思い切りハンドル握り締めてんだ。
それじゃ、速く走れるわけもねえ。
全身に力が入っちまって、歯を食いしばってるのがわかった。
はあ!!
息を吐いたら、感覚が戻ってきた。
V7の排気音が、遠ざかっていくのが聞こえたぜ。
ちっきしょう、このオレが、ジムカーナB級のオレが、筑波の壮行会でいつも上位を走るオレが、峠で女のV7にコケにされるなんざ、予想もしてなかったぜ。
V7って回し切るとあんな音すんのか。
なんかあの女の排気音聞きながら情けなくてよう。
しばらく動けなかったぜ。
ああ?話はこれで終わりかって?
いや、違うのさ。もっとひでえ恥をかいちまったんだよ。
いや、ひでえ目に遭ったぜ。こっから先はあんまり話したくねえんだけどなあ…。
聞きてえか?
え、写真の青いバイクか?
さあな、なんかにやけた中年オトコがいてさ、オレみてびびってやがったけど、
ツーリングの途中だったんじゃねえの?
まあ、それでさ、オレもまた走り出したのさ。
もうV7追いかけようなんて気は失せてさ。追いつけねえよ、もう。
だけどなあ、まさかなあ…。
いやあ、ひでえ目に遭ったぜ。(つづく)
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

« インターメッ... | 風のV7(6) » |
いやあ、もうエキストラ扱いです…(^^;)
次回は21日頃にUPの予定です。
みなさんもそんなコーナーを体験してみてください。。ネ。。雪が解けたら。
2009年の夏に走った時の記憶と残っている感覚、数枚だけ撮った写真、道路地図を元に書いているんですが、かならずしも忠実ではなくて、地元の方には申し訳ない限りです。
もうちょっとだけ走行シーンが続きますが、それは明日以降に…。
それにしても、走りやすくて気持ちのいい道でした。
もう一回行きたい!いつか必ず、バイクで行きます。
そうですか、そんなふうに描いていらっしゃるのですか、凄いですね一度しか走っていないのに、読み手はわくわくしますよ。あたかもナビが、かずかずのコーナーをトレースしているようです。バイクであの道を走ると、かなり寝かせますから、ほんと路面との対話みたいなものが生まれます。是非ともまた出向いてください。長文失礼しました。
そうでした。確かに、路面が近く、流れる感じが、特に土湯峠側が多かったように思います。
V7の女の子のライディング、あと少し。
忙しさとパソコン不調で記事がなかなか書けませんが、
もう少し走って、レストハウスに向かいます。
もうしばらく、お待ち下さい。
そして、いつか、必ず再訪します。
もう一度、走りたい場所です。