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北海道の樹を訪ねて24 野幌の栗その2

        ヤマモミジの紅葉。 薄い日に透けて。


野幌森林公園は、広大な森林公園。
この森林公園には、北海道開拓記念館、北海道開拓の村など、開拓記念と森林保護の施設があり、広大な森林は遊歩道で散策できる。

公園内には手付かずの原生林もあれば、伐採した後に植林された二次林もある。
かつて、太古の昔からつい140年程前までは、石狩平野全体が広大な森だったことを思い起こさせる。

大きな栗の樹を目指す僕は、森林公園の東側からアプローチする。



昨日の記事にも登場した、園内の道。もともと車道にまで拡幅された道だが、今は車での立ち入りは禁止の看板がある。しかし、車道自体は公園を貫いているため、時折、車が走りすぎていく。
園内の管理の為の車か。または知らずに迷い込んだか。あるいは知っての違反車両か…。

道は静かだが、人影はいつも少しだけ見えている。
静かに手をつないで歩く老夫婦。
横一列で楽しそうに話しながら歩くグループ。
一人、徒然に散策する僕のような人…。



少し大きな赤い葉は、ハウチワカエデの樹。
北海道に自生する樹で、多分野生の樹だろう。

色鮮やかな赤い色は、森の中を明るく彩る。

風もほとんどない。
静かな秋の日。



時折風が渡ると、鳥が一斉に飛び立つように、木の葉がざざっと舞う。
空に舞う木の葉のダンスはとても美しく、見ていて飽きることがない。

風が止み、もとの静けさに戻ると、

時折、    かさっ    かさっ 

音がする。
動物の足音か、と振り返っても姿はない。

また、    かさっ    かさっ 

気がつけば、風のない中、木の葉があちらで一枚、また、こちらで一枚、
春に芽吹いた枝に別れを告げ、樹の足許に落ちているのだった。

樹上での葉っぱの命は終わり、樹の足許、林床で、虫の寒さ避けになったり、微生物に分解されたりしながら、腐葉土に、そして土にと姿を変えて、樹を育て、森を育む。



寄り道した遊歩道は、落ち葉が散り敷かれ、かさかさと、足にやさしい散歩道になっていた。

ここは二次林。一度伐られて、後から植樹されたか、また自生してきた樹たちの林。
里山の森のイメージに近いだろう。
冬が寒く長い北海道では、森はジャングルにならないが、この景観は人が手入れした森のもの。

さあ、栗の樹を探そう。 
会えるといいのだが。                      (つづく)
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