バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
開陽台へ(7)終
(17:04 北見市 こがねちゃん弁当三輪店前 )
午後5時を回り、夏とはいっても影が長くなってきた。
さあ、帰ろう。
ツーリングの夕方。帰路は、いつも少し慌ただしい。
今日も別に何時までという制限があるわけじゃない。
でもここから距離で400キロくらい。
今午後5時となると、そろそろ行こうかという気になる。
先導は引き続き、ひでGさんとプルプルさんで。
(17:37 国道39号 北見市留辺蘂付近)
涼しくなってきた、夏の夕方近く。
夕日を追いかけて走る。
隊列を組んで。
僕は2番目。
(だいたい同じ頃 だいたい同じ場所)
振り向くと、かねしんさんとさんにーさんが走っている。
隊列の安心感というのは、確かにある。
もう500キロ以上走ってきたのだ。
(18:21 国道450 遠軽町丸瀬布付近)
北見~丸瀬布間、約70キロ。
涼しくなる中での快走が楽しめた。
交通量も少なく、国道450は路面もよく、風景の変化も適度にあって、時々通過する町のリズムもちょうどよく、走りやすい。とてもいい道だ。
ひでGさん、プルプルさんのペース配分はとても気持ちいい。
ついて走ると、とても楽だ。
そして楽しく、バイクを生き生きと走らせる。
僕のペースは、風景を味わったり、風の表情や、川を渡る時のちょっとした匂いの変化なんかを感じられたらいいなと思って作っているのだが、ひでGさんのペースは、バイクに乗ることの喜び、楽しさがまずあり、それがあふれんばかりで、そして風景の中を、流麗に流れていくのだ。
このペース、この世界の作り方には、初めて出会った。
これは素晴らしい。
バイクツーリングの世界は、本当に奥深く、幅広く、尽きせぬ魅力にあふれている。
新しい楽しさに触れた、そんな一日にもなった。
(18:37 国道450 遠軽町丸瀬布 道の駅まるせっぷ)
道の駅まるせっぷで、高速に乗る前の最後の休憩だ。
プルプルさんが眠気対策に強烈なミントの錠剤(?)のようなヤツ(ほら、よくあるじゃないですか、商品名知らなくてすみません)をくれたのだが、普段そういうのを全く口にしない僕は、小さな一錠でもかなり爽快感があるというのに、もらった10錠ほどを一気に口に入れてバリバリやっちまったもんだから、もう眠気とか何とかというレベルじゃなく、ひー!!となってしまった。
今度からは一錠ずつにしよう。
高速に入ってからはさんにーさんが先頭で。
かねしんさん、僕、しんがりはひでGさん、プルプルさんだ。
本当に最後まで一度も先頭を走らなかった。
贅沢をさせていただいた。
さて、ここでもさんにーさんが僕を気遣い、高速道路での巡航ペースについて相談してくれた。
ありがたい。
入念に打ち合わせを。
では、出発。
高速といっても、丸瀬布から旭川近くのジャンクションまでは無料区間。
一車線区間と追い越しできる2車線区間を繰り返しながら、距離を稼ぐことができる。
道路設計技術も年々進歩するので、新しい区間ほど走って気持ちよい。
この区間も気持ちよく走れた。
次第に夜へと変わっていく景色。
徐々に闇に風景が沈んでいき、かわりに町の灯りが遠くからでもあたたかく灯りはじめる。
GSX-Rにとっては眠っているようなペースだが、平和な中にも追い越しのタイミングや車線変更の方法、見切り、加速の仕方など、さんにーさんは後方を視野に入れ、繊細にプランニングして走って行く。
ああ、もうすっかり風格が出ている。
いろいろ考えながら走っていると、単調なはずの高速道路も、あっという間に時間が過ぎていく。
それはやっぱり、先頭のさんにーさんがだれた走りをしていないからだ。
こういうところに差が出る。
安全に楽しく走り切れるかどうかは。
これは技術の差でもあるが、もっと、意識の差だ。
走りをどうとらえるかという、意識の差なのだ。
(19:59 道央自動車道 比布大雪PA)
旭川手前のPAで休憩。
既に午後8時。完全に夜になった。
長時間走り続けたツーリングだが、みんな元気だ。
僕も、先週からの仕事で肩凝りと頭痛が続いていた。今朝も痛み止めを飲んで参加したのだ。
だから、もし肩凝りと頭痛がひどくなるようなら、途中離脱も考えていたのだ。
しかし、ひどくはならなかった。
いや、むしろ改善傾向にある。
バイクで長時間走って肩凝りが改善傾向なんて、笑ってしまう。
ほぼ1時間に一回は休憩をとるペースを、みんながしてくれたこと、こまめに水分や塩分糖分などを摂取し、どかんと満腹にしなかったこと、走行中、先頭を走る人がいつも走りを楽しむようなリズムを刻んでくれたこと。
そんなことの積み重ねで、体調もあまり思わしくなく、肩凝り頭痛もあった僕が、一日元気に走ってこられたのだ。
みんなに、本当に感謝だ。
さあ、まだまだ旭川。札幌までの道は長い。
そろそろ疲労が押しかかってくる頃。
休憩はこまめがいいといういうことで、砂川でまた休むことにして。
また高速に出る。
(20:52 道央自動車道 砂川PA)
かねしんさんのホーネット、ブレーキランプは明るくつくのだが、テールランプが球切れをしていたようだ。高速に入る直前に僕は気が付いたのだが、高速に入り、夜間になってくると、やはり切れていて、ブレ―キを転倒しないと、後ろ姿が闇に沈んで見えなくなる。
最後尾にひでGさんが踏ん張っていてくれるから、後ろから猛スピードの車が知らずに追突…ということはないのだが、姿は周囲の車に見えていた方がいい。
それで、少し車間を詰めて、かねしんさんの姿をGPZのライトがほのかに照らす距離にしてみた。
全身を照らしてまうとミラーに反射して眩しいから、バイクと腰の高さまでライトにかかるような距離を保つ。
追い越しはさんにーさんと僕が同時に右車線に出て、スペースを作っておき、その間にかねしんさんを入れるように。
まあ、そんなことしなくても大丈夫安全なのだが、半分お遊びだ。
ひでGさんもそうだったが、さんにーさんも非常に理に適った、美しい走りをするので、とても合わせやすい。
いやホントに上手い人の後ろは楽だ。
(21:02 同所)
砂川PAで我が家に帰るコールをした。携帯電話を持っていないから、公衆電話から。
楽しかった一日が終わる。
プルプルさんはここでもどら焼きをみんなの分買ってきてくれた。
ありがたくいただく。
とてもおいしく、あと一走りの力が湧いてくる。
もう一走り。
江別のPAに入ったら、そこで最後のミーティングと挨拶を。
ひでGさん、プルプルさん、さんにーさん、かねしんさんは、江別西インターで降り、
樹生はさらに高速を西へ。自宅へ帰る。
今日一日への感謝の気持ちがあふれ、
一日をともにした仲間への感謝の気持ちがあふれ、
あと少し、安全に、走りきって帰ろうとの決意が新たになる。
楽しい一日だった。
自宅に着いて、距離計を見ると939.8㎞。
また一つ、バイクツーリングの楽しさを見つけた、そんな旅だった。 (完)
午後5時を回り、夏とはいっても影が長くなってきた。
さあ、帰ろう。
ツーリングの夕方。帰路は、いつも少し慌ただしい。
今日も別に何時までという制限があるわけじゃない。
でもここから距離で400キロくらい。
今午後5時となると、そろそろ行こうかという気になる。
先導は引き続き、ひでGさんとプルプルさんで。
(17:37 国道39号 北見市留辺蘂付近)
涼しくなってきた、夏の夕方近く。
夕日を追いかけて走る。
隊列を組んで。
僕は2番目。
(だいたい同じ頃 だいたい同じ場所)
振り向くと、かねしんさんとさんにーさんが走っている。
隊列の安心感というのは、確かにある。
もう500キロ以上走ってきたのだ。
(18:21 国道450 遠軽町丸瀬布付近)
北見~丸瀬布間、約70キロ。
涼しくなる中での快走が楽しめた。
交通量も少なく、国道450は路面もよく、風景の変化も適度にあって、時々通過する町のリズムもちょうどよく、走りやすい。とてもいい道だ。
ひでGさん、プルプルさんのペース配分はとても気持ちいい。
ついて走ると、とても楽だ。
そして楽しく、バイクを生き生きと走らせる。
僕のペースは、風景を味わったり、風の表情や、川を渡る時のちょっとした匂いの変化なんかを感じられたらいいなと思って作っているのだが、ひでGさんのペースは、バイクに乗ることの喜び、楽しさがまずあり、それがあふれんばかりで、そして風景の中を、流麗に流れていくのだ。
このペース、この世界の作り方には、初めて出会った。
これは素晴らしい。
バイクツーリングの世界は、本当に奥深く、幅広く、尽きせぬ魅力にあふれている。
新しい楽しさに触れた、そんな一日にもなった。
(18:37 国道450 遠軽町丸瀬布 道の駅まるせっぷ)
道の駅まるせっぷで、高速に乗る前の最後の休憩だ。
プルプルさんが眠気対策に強烈なミントの錠剤(?)のようなヤツ(ほら、よくあるじゃないですか、商品名知らなくてすみません)をくれたのだが、普段そういうのを全く口にしない僕は、小さな一錠でもかなり爽快感があるというのに、もらった10錠ほどを一気に口に入れてバリバリやっちまったもんだから、もう眠気とか何とかというレベルじゃなく、ひー!!となってしまった。
今度からは一錠ずつにしよう。
高速に入ってからはさんにーさんが先頭で。
かねしんさん、僕、しんがりはひでGさん、プルプルさんだ。
本当に最後まで一度も先頭を走らなかった。
贅沢をさせていただいた。
さて、ここでもさんにーさんが僕を気遣い、高速道路での巡航ペースについて相談してくれた。
ありがたい。
入念に打ち合わせを。
では、出発。
高速といっても、丸瀬布から旭川近くのジャンクションまでは無料区間。
一車線区間と追い越しできる2車線区間を繰り返しながら、距離を稼ぐことができる。
道路設計技術も年々進歩するので、新しい区間ほど走って気持ちよい。
この区間も気持ちよく走れた。
次第に夜へと変わっていく景色。
徐々に闇に風景が沈んでいき、かわりに町の灯りが遠くからでもあたたかく灯りはじめる。
GSX-Rにとっては眠っているようなペースだが、平和な中にも追い越しのタイミングや車線変更の方法、見切り、加速の仕方など、さんにーさんは後方を視野に入れ、繊細にプランニングして走って行く。
ああ、もうすっかり風格が出ている。
いろいろ考えながら走っていると、単調なはずの高速道路も、あっという間に時間が過ぎていく。
それはやっぱり、先頭のさんにーさんがだれた走りをしていないからだ。
こういうところに差が出る。
安全に楽しく走り切れるかどうかは。
これは技術の差でもあるが、もっと、意識の差だ。
走りをどうとらえるかという、意識の差なのだ。
(19:59 道央自動車道 比布大雪PA)
旭川手前のPAで休憩。
既に午後8時。完全に夜になった。
長時間走り続けたツーリングだが、みんな元気だ。
僕も、先週からの仕事で肩凝りと頭痛が続いていた。今朝も痛み止めを飲んで参加したのだ。
だから、もし肩凝りと頭痛がひどくなるようなら、途中離脱も考えていたのだ。
しかし、ひどくはならなかった。
いや、むしろ改善傾向にある。
バイクで長時間走って肩凝りが改善傾向なんて、笑ってしまう。
ほぼ1時間に一回は休憩をとるペースを、みんながしてくれたこと、こまめに水分や塩分糖分などを摂取し、どかんと満腹にしなかったこと、走行中、先頭を走る人がいつも走りを楽しむようなリズムを刻んでくれたこと。
そんなことの積み重ねで、体調もあまり思わしくなく、肩凝り頭痛もあった僕が、一日元気に走ってこられたのだ。
みんなに、本当に感謝だ。
さあ、まだまだ旭川。札幌までの道は長い。
そろそろ疲労が押しかかってくる頃。
休憩はこまめがいいといういうことで、砂川でまた休むことにして。
また高速に出る。
(20:52 道央自動車道 砂川PA)
かねしんさんのホーネット、ブレーキランプは明るくつくのだが、テールランプが球切れをしていたようだ。高速に入る直前に僕は気が付いたのだが、高速に入り、夜間になってくると、やはり切れていて、ブレ―キを転倒しないと、後ろ姿が闇に沈んで見えなくなる。
最後尾にひでGさんが踏ん張っていてくれるから、後ろから猛スピードの車が知らずに追突…ということはないのだが、姿は周囲の車に見えていた方がいい。
それで、少し車間を詰めて、かねしんさんの姿をGPZのライトがほのかに照らす距離にしてみた。
全身を照らしてまうとミラーに反射して眩しいから、バイクと腰の高さまでライトにかかるような距離を保つ。
追い越しはさんにーさんと僕が同時に右車線に出て、スペースを作っておき、その間にかねしんさんを入れるように。
まあ、そんなことしなくても大丈夫安全なのだが、半分お遊びだ。
ひでGさんもそうだったが、さんにーさんも非常に理に適った、美しい走りをするので、とても合わせやすい。
いやホントに上手い人の後ろは楽だ。
(21:02 同所)
砂川PAで我が家に帰るコールをした。携帯電話を持っていないから、公衆電話から。
楽しかった一日が終わる。
プルプルさんはここでもどら焼きをみんなの分買ってきてくれた。
ありがたくいただく。
とてもおいしく、あと一走りの力が湧いてくる。
もう一走り。
江別のPAに入ったら、そこで最後のミーティングと挨拶を。
ひでGさん、プルプルさん、さんにーさん、かねしんさんは、江別西インターで降り、
樹生はさらに高速を西へ。自宅へ帰る。
今日一日への感謝の気持ちがあふれ、
一日をともにした仲間への感謝の気持ちがあふれ、
あと少し、安全に、走りきって帰ろうとの決意が新たになる。
楽しい一日だった。
自宅に着いて、距離計を見ると939.8㎞。
また一つ、バイクツーリングの楽しさを見つけた、そんな旅だった。 (完)
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« 開陽台へ(6) | GPZクン球... » |
本当に素晴らしい一日でした。
企画をしてくださった、さんにーさんに感謝。
私を後押ししてくださった樹生さんに感謝。
若いエネルギーを分けてくださった、かねしんさんに感謝。
そして、ひでGに…
開陽台もそうですが、私の大好きな多和平では、みんなで
来れた喜びを噛みしめていました。
何よりも、「ライダー、樹生和人」さんを拝見できた日でもありました。
どうもありがとうございました。
あれから一週間ですね。
本当に楽しかった。
言ってよかったです。
ありがとうございました。
忙しいのと、仕事疲れで、いつもよりも記事を練ることができず、なんだか書きっぱなしのレポートになってしまいました。
書かなくてもいいことや、書かなくてはいけないのにかけていないことなどもたくさんあると思います。
でも、あの日の楽しさは僕の中にずっと残ると思います。
ありがとうございました。
成熟されたライダー同士が走るとこんな雰囲気になるんだなと強くと感じました。
やっぱりぼくは若いし経験不足だなーとも感じましたが(ライディングスキル以外でもです)、それでも心底楽しめたのが皆さんの懐の深さなんだとおもいました。
ホントに与えてもらってばかりで、感謝感謝です。
高速でもてっきりぼくは樹生さんは進路変更しないで走ってるとばかり思ってました(笑)
さんにーさんと同じタイミングで出ていたんですね。
樹生さんのライディング、そして生のGPZを見れたのもホントに嬉しかったです。
実はけっこうホーネットとGPZだけの写真を隠し撮りしてます(笑)
ぜひまた、走りたいです。そしてぼくも、そう思われる人にもなりたいです^^
そういえば、樹生さんのブログを読んだり話を聞いたりしていると純正ステップに戻すのもありなのかなーと思ったり。
色々検討してみます。
楽しかったですね!
スーパーハイパフォーマンスのリッターSS、GSX-R
シャフトドライブ、スポーツロングツアラー1300cc、タンデム!FJR1300。
マルチクォーター超高回転型カットビネイキッド、ホーネット250、
カワサキハイスピードツアラーGPZ1100。
全然違う個性のバイクが集まって、みんな楽しく、一日に900キロも走れたなんて、なんだか達成感があります。
あの5人4台のバランスで生まれた、一回だけのあのツーリングでした。
ツーリングって毎回、一回だけの体験ですね。
もちろん、一人でも複数でも、面白くない時も時にはあって、それは仕方のないことだし、そこから学ぶことも大いにあるので、そうやって少しずつ、楽しいツーリングを作っていけるようになっていくんだと思います。
みんなでつくるツーリングでしたね。
カスタムはいろいろ考え方や楽しみ方があって、せっかく純正から変えるんですから、自分の狙いに近づくようになると、すごく楽しいですよね。オリジナルペイント、すごくかっこよく、ホーネットにもかねしんさんにも合っていました。
ああいう純正バージョンがあったみたいな…。
すごいなあと思いましたし、それも立派な、本当に素敵なカスタムの一つだと思います。
また走りましょう!