バイクライフ・バイクツーリングの魅力を北海道から。
聖地巡礼-バイクライディングin北海道-
リーンとロール軸(2)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
バイクのロール軸とは何か。
なぜ、ロール軸に沿った方がいいのか。
リーンとロール軸。
第二回目の今日は、ロール軸とは何かについて改めてお話しします。
まずは、ロール軸の「ロール」について。
これは簡単、バイクを傾ける際のバイクの動きのことを指します。
(以前の記事でもお話しましたね。)
直立したバイクを、コーナーの内側に傾ける、その時のバイクの傾く方向の動きが「ロール」です。
ちなみに、バイクの車体の動きには前後が上下に揺れる「ピッチング」
前後が左右に動く「ヨーイング」、
そしてバンクする方向の動き「ローリング」の3つがあります。
「…イング」をつけない時は、「ピッチ」、「ヨー」、「ロール」と言います。
例えば、「ヨー方向の動きが制御しにくい」とか、「意図に反してロールの速度が変化する」なんて言い方をします。
その3つの動きを図にしてみました。

もちろん、バイクの動きはこれだけではありません。
なにしろ、走行中は全体が高速で前方に移動していますし、上り坂では情報に、下り坂では下方に、全体が移動してますよね。
カーブでは、車体は向きを変えつつ全体が右とか左の方向に移動していきます。
また、バイクは右に傾きながら前が下がってバイクの方向が右回転していったりと、3つの動きが常に複雑に組み合わさって動いています。
つまり、この「ピッチ」「ロール」「ヨー」の3つの動きの名称は、
バイク自体が大きく移動している状況をひとまず外して、バイクを中心にして、仮にバイク全体が止まっていると考えたとき、バイクの姿勢がどう変化しているか…を、大きく3つの雨動きを基準として考えようしたものです。
じゃあ、実際の動きと違うなら、こんなの関係ないのか?
といえば、さにあらず。
実際の動きはかなり複雑ではありますが、
例えばブレーキングや加速の時は、「ピッチ」方向の動きを制御しないと、前につんのめりすぎて怖かったり、ブレーキをそれ以上強くかけられなかったりしますし、
カーブでは、車体をロールさせないと、バイクは曲がってくれません。
そして、バイクをロールさせるのは、ただバイクを倒すためではなくて、バイクに「ヨー運動」を生じさせて、進行方向を変え、カーブを上手く通過するためなのです。

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(ブレーキングでは前が下がり、後ろが上がる、ピッチングの動きが生じる。フロントはフルボトムしている。)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(加速時は前が上がり、後ろが下がるピッチング。)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(右コーナーを旋回中のダ二・ペドロサ。直立から倒すのはロール方向の回転。)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(そして左コーナー。右のフルバンクから左のフルバンクまで一気に切り返すこともある。これもロールの動き)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(3台のバイクがコーナーを走る、後ろのバイクと先頭のバイクとでは、車体の鼻先の向きが変わっている。このような回転がヨー回転。スピン状態が一番速いヨー回転となるが、危険だ。)
このように、ひとつひとつの動きを分解して用途別に意識することによって、バイクの走りの中の運動を、分かりやすくとらえ、実行することができます。
そして、「ピッチ」、「ロール」、「ヨー」の3つの方向の動きは、
主に加減速で生じる「ピッチ」、
ライダーが身体でバイクを傾ける「ロール」
カーブを曲がることで結果的に生じる「ヨー」
というふうにまとめることができます。
四輪でも、この3つが生じますが、
加減速で生じる「ピッチ」
ハンドルを切ることで生じる「ヨー」、
ヨー運動をきっかけに荷重が外側に移動して、外側が沈み内側が持ち上がる「ロール」
と、バイクとは動きに違いがありますね。
バイクの走りの楽しさはいろいろありますが、カーブでハンドルを回していくのでなく、身体でバランスをとりながらバイクを傾け、旋回していく、あの姿、あのかっこよさと気持ちよさが醍醐味の1つであることは、誰しも認めてくれるのではないでしょうか。
さてさて、ここまで来て、もう一度、バイクの3つの動きについて、どう動くのか、おさらいしてみましょう。
この、「ピッチ」、「ロール」、「ヨー」の3つの動き、
それぞれ、回転していくような動きになりますね。
このとき、自然で一番回転しやすいのは、バイクの重心位置を回転の中心にした場合です。
そして、回転するときには、重心を貫く、回転軸ができて、その軸を中心に回転運動が起こります。

コマがきれいに回転するのは、コマの回転軸がコマの重心を上下に貫いて通っているからです。
フィギィアスケートのスピンやジャンプがきれいに決まるためには、回転軸をきれいに作り、身体の重心をぴたりとその回転軸の中に収めていなければなりません。
モノが回転するとき、自然と重心位置が動かないような回転をしたがるものなのです。
つまり、それぞれの回転は、その回転の中心が車体の重心と重なったとき、一番効率がよく自然な動きになり、それからそれると、回転は不自然だったり、非常に無駄な力のかかるものとなります。
さてさてさて、
ここまでで明らかになったのは、
1 バイクは複雑な動きをするものだが、分析して単純化すると、「ピッチ」「ロール」「ヨー」の3つの回転運動をしている。
2 これらの回転運動は、バイクの重心を中心とした回転軸に沿って起こるときが一番効率よく、動きに無理、無駄がない。
ということです。

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(バイクがカーブに向けて傾くロールの動きをするとき、その回転軸(=ロール軸)はどこにあるだろうか。)
さあ、バイクを傾けてコーンリングしたいとき、ライダーはバイクをロールさせる方向に操作することになりますが、そのとき、バイクの重心が回転軸となるような動きを、バイクは自然とするはずなのです。
ライダーがするべきことは、その動きをじゃませず、その回転軸に沿って、回転方向に力を加えて動かしたり、動きを止めたりする、そんな操作をすれば、一番効率的で、無理がなく、バイクも安定して、つまり、楽で、スマートで、安全で、結果的に速い、そんなバイクのリーン(傾け)ができることになります。
では、バイクがロールするとき、その回転軸はどうなっているでしょうか。
そして、回転軸の上に必ずなければならない、バイクの重心位置は、どこでしょうか。
それが次回のお話です。
ライテクインデックスⅢへ。
バイクのロール軸とは何か。
なぜ、ロール軸に沿った方がいいのか。
リーンとロール軸。
第二回目の今日は、ロール軸とは何かについて改めてお話しします。
まずは、ロール軸の「ロール」について。
これは簡単、バイクを傾ける際のバイクの動きのことを指します。
(以前の記事でもお話しましたね。)
直立したバイクを、コーナーの内側に傾ける、その時のバイクの傾く方向の動きが「ロール」です。
ちなみに、バイクの車体の動きには前後が上下に揺れる「ピッチング」
前後が左右に動く「ヨーイング」、
そしてバンクする方向の動き「ローリング」の3つがあります。
「…イング」をつけない時は、「ピッチ」、「ヨー」、「ロール」と言います。
例えば、「ヨー方向の動きが制御しにくい」とか、「意図に反してロールの速度が変化する」なんて言い方をします。
その3つの動きを図にしてみました。

もちろん、バイクの動きはこれだけではありません。
なにしろ、走行中は全体が高速で前方に移動していますし、上り坂では情報に、下り坂では下方に、全体が移動してますよね。
カーブでは、車体は向きを変えつつ全体が右とか左の方向に移動していきます。
また、バイクは右に傾きながら前が下がってバイクの方向が右回転していったりと、3つの動きが常に複雑に組み合わさって動いています。
つまり、この「ピッチ」「ロール」「ヨー」の3つの動きの名称は、
バイク自体が大きく移動している状況をひとまず外して、バイクを中心にして、仮にバイク全体が止まっていると考えたとき、バイクの姿勢がどう変化しているか…を、大きく3つの雨動きを基準として考えようしたものです。
じゃあ、実際の動きと違うなら、こんなの関係ないのか?
といえば、さにあらず。
実際の動きはかなり複雑ではありますが、
例えばブレーキングや加速の時は、「ピッチ」方向の動きを制御しないと、前につんのめりすぎて怖かったり、ブレーキをそれ以上強くかけられなかったりしますし、
カーブでは、車体をロールさせないと、バイクは曲がってくれません。
そして、バイクをロールさせるのは、ただバイクを倒すためではなくて、バイクに「ヨー運動」を生じさせて、進行方向を変え、カーブを上手く通過するためなのです。

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(ブレーキングでは前が下がり、後ろが上がる、ピッチングの動きが生じる。フロントはフルボトムしている。)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(加速時は前が上がり、後ろが下がるピッチング。)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(右コーナーを旋回中のダ二・ペドロサ。直立から倒すのはロール方向の回転。)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(そして左コーナー。右のフルバンクから左のフルバンクまで一気に切り返すこともある。これもロールの動き)

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(3台のバイクがコーナーを走る、後ろのバイクと先頭のバイクとでは、車体の鼻先の向きが変わっている。このような回転がヨー回転。スピン状態が一番速いヨー回転となるが、危険だ。)
このように、ひとつひとつの動きを分解して用途別に意識することによって、バイクの走りの中の運動を、分かりやすくとらえ、実行することができます。
そして、「ピッチ」、「ロール」、「ヨー」の3つの方向の動きは、
主に加減速で生じる「ピッチ」、
ライダーが身体でバイクを傾ける「ロール」
カーブを曲がることで結果的に生じる「ヨー」
というふうにまとめることができます。
四輪でも、この3つが生じますが、
加減速で生じる「ピッチ」
ハンドルを切ることで生じる「ヨー」、
ヨー運動をきっかけに荷重が外側に移動して、外側が沈み内側が持ち上がる「ロール」
と、バイクとは動きに違いがありますね。
バイクの走りの楽しさはいろいろありますが、カーブでハンドルを回していくのでなく、身体でバランスをとりながらバイクを傾け、旋回していく、あの姿、あのかっこよさと気持ちよさが醍醐味の1つであることは、誰しも認めてくれるのではないでしょうか。
さてさて、ここまで来て、もう一度、バイクの3つの動きについて、どう動くのか、おさらいしてみましょう。
この、「ピッチ」、「ロール」、「ヨー」の3つの動き、
それぞれ、回転していくような動きになりますね。
このとき、自然で一番回転しやすいのは、バイクの重心位置を回転の中心にした場合です。
そして、回転するときには、重心を貫く、回転軸ができて、その軸を中心に回転運動が起こります。

コマがきれいに回転するのは、コマの回転軸がコマの重心を上下に貫いて通っているからです。
フィギィアスケートのスピンやジャンプがきれいに決まるためには、回転軸をきれいに作り、身体の重心をぴたりとその回転軸の中に収めていなければなりません。
モノが回転するとき、自然と重心位置が動かないような回転をしたがるものなのです。
つまり、それぞれの回転は、その回転の中心が車体の重心と重なったとき、一番効率がよく自然な動きになり、それからそれると、回転は不自然だったり、非常に無駄な力のかかるものとなります。
さてさてさて、
ここまでで明らかになったのは、
1 バイクは複雑な動きをするものだが、分析して単純化すると、「ピッチ」「ロール」「ヨー」の3つの回転運動をしている。
2 これらの回転運動は、バイクの重心を中心とした回転軸に沿って起こるときが一番効率よく、動きに無理、無駄がない。
ということです。

(写真出典は、モトGPオフィシャルサイトより。)
(バイクがカーブに向けて傾くロールの動きをするとき、その回転軸(=ロール軸)はどこにあるだろうか。)
さあ、バイクを傾けてコーンリングしたいとき、ライダーはバイクをロールさせる方向に操作することになりますが、そのとき、バイクの重心が回転軸となるような動きを、バイクは自然とするはずなのです。
ライダーがするべきことは、その動きをじゃませず、その回転軸に沿って、回転方向に力を加えて動かしたり、動きを止めたりする、そんな操作をすれば、一番効率的で、無理がなく、バイクも安定して、つまり、楽で、スマートで、安全で、結果的に速い、そんなバイクのリーン(傾け)ができることになります。
では、バイクがロールするとき、その回転軸はどうなっているでしょうか。
そして、回転軸の上に必ずなければならない、バイクの重心位置は、どこでしょうか。
それが次回のお話です。
ライテクインデックスⅢへ。
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