朱蒙(チュモン)が見た日本古代史(仮題)

「朱蒙」「風の国」「善徳女王」・・・韓国発歴史ドラマを題材に日本史を見つめ直す

アルチョンはなぜ自決しようとしたのか

2010年04月24日 | 善徳女王

「善徳女王」第25話で自決を図ろうとするアルチョンをトンマンが止める場面があるが、「なぜアルチョンが自決しなければならなかったのか」という疑問を持った人が(もしかしたら)いるかもしれない。まあ、「善徳女王」を第1話から観ている人にとってはすごく自然な流れであるわけなのだが。

化粧を施したアルチョンが郎徒(ナンド)たちを引き連れて宮殿に入り、真平王に直訴する場面がある。これはつまりナンジャンキョリ(郎粧決意)ということだ。詳しくは第1話からマヤ夫人の説明を引用しておこう。

お前はナンジャン(郎粧)を知らぬのか
ファラン(花郎)が顔に化粧をすることをナンジャンと言う

ナンジャンキョリ(郎粧決意)を知らぬか
死を覚悟するという意味だ
戦に出る前日や大義のため戦うとき
ファランたちは化粧をする
戦って死ぬ決意だ

己の最後の姿を美しく残すために・・・

本来、ファランの一人に過ぎないアルチョンが王に直訴するなどということは許されざることなわけである。 しかし、唯一それを可能にする方法がナンジャンキョリ(郎粧決意)なのだ。死を覚悟するのと引き換えに、アルチョンはチョンミョン王女の死をキチンと調べてくれと真平王に訴えたわけだ。命懸けの行動だったのである。

しかし、結局それは受け入れられなかった。となればアルチョンは死ぬしかないわけである。そうでなくとも、もともと規律に厳格なアルチョンのことだ。ナンジャンキョリ(郎粧決意)が受け入れられないまま生きていくことは恥さらし意外の何ものでもない。

それでも耐えろと、トンマンは諭したわけだ。