医大生・たきいです。

医大生的独言。

「神様のカルテ0」を読んで

2015-04-18 23:59:59 | 読書感想文

やられたと思った。

医学部生の青春群像をネタに書き下ろした小説をベストセラーとして世に届け、直木賞も本屋大賞も総ナメ、印税ザクザク生活で臨床の第一線からは引退。その後山奥の温泉街で隠居生活を送りつつ、たまに下界に降りてきては気が向いた時に医師免許片手にバイト生活という将来を夢見ていたのだが、勉強に飽きて本屋をぶらついてこの本に出くわしてしまってとっさに甘すぎた人生設計を再考することに。夏川草介先生流石でございます。その本とは、「神様のカルテ0」。ゼロ。医大生・たきいです。



神様のカルテ0
夏川 草介
小学館


「神様のカルテ」の新刊。1,2,3と来てから0ときちゃうSTARWARS的物語構成が憎い。映画では嵐の櫻井くんが演じていた医師の栗原先生の学生時代から研修医時代までが書かれています。特に学生時代の描写の力量は流石の一言で、完敗を確信したわけであります。俺の観点間違っている気がするけど(笑)。でもそれだけ爽やかで素敵な文章です。特に医学部6年男子と医学部5年女子のドライブデートのシーンはわたくしの乾いた心には沁みました。笑

何かと忙しいこの季節、ちょっぴり手をとめてぜひお読みください。



ところで、医学部の話を描いた古典といえばこれです。芥川賞作家の南木佳士先生。

医学生 (文春文庫)
南木 佳士
文藝春秋


医学部生で読んだことある人は多いのではないかと思いますが、自分も浪人時代に読みました。新設間もなくのちょっと歪んだ空気の漂う秋田大医学部が舞台。今や秋田大医学部といえば美男美女であふれるリア充医学部として東北地方で名を誇っていまるだけに、これって大昔の話なんだよなぁという程度の感想しか正直記憶しておりません。

しかし今年卒業していった先輩曰く、医学部生活を終えて読み返してみると、医学部入学前とは丸っきり違った小説に見えるんだとか。自分も医学部卒業したら読んでみよう。

全力で読書しちゃったけど実は試験期間な今日この頃でございました。笑







(久々に微分積分やると頭痛い人(笑))