竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

海暮れて 鴨の声ほのかに白し   芭蕉

2016-12-22 | 芭蕉鑑賞
海暮れて 鴨の声ほのかに白し



「海辺に日暮して」と前書きがある。
芭蕉は、海辺に夕日が沈むのを眺めていたのだろう。
暮れて暗くなった海辺にたたずんでいたら、鴨の鳴き声が、うっすらと白く聞こえたというイメージ。

日が暮れても、残像のような鴨の姿がうっすらと白く見えた。
すると、その鳴き声までもが白く聞こえた。

YouTubeで鴨の鳴き声を聞くと、「ピュウルルピュウルル」と鳴くようである。
アヒルみたいに「ガーガー」とは鳴かない。
笛の音のような鳴き声。
それを夕暮に聞けば、哀愁を感じるような「しらべ」となるかもしれない。

「黄色い声をあげる」という言い方があるように、声にも色がついている。
日が暮れるということは、だんだんあたりの白さ(明るさ)が消えていくということ。
したがって鴨の声も、白く見える鴨の姿と一緒に、闇のなかへ溶け込んでしまいそうだという情景なのだろう。

http://blog.ebipop.com/2015/11/winter-basyo.html転載
コメント    この記事についてブログを書く
« 同行は父のチョッキぞご来光 | トップ | ねぎ白く 洗ひたてたる 寒さ... »

コメントを投稿

芭蕉鑑賞」カテゴリの最新記事