石田波郷の春の句10句を鑑賞(14)
天地に妻が薪割る春の暮
死なざりしかば相逢ふも実朝忌
春昼の墓こゑもなし手鏡に
胸の上に雁ゆきし空残りけり
苜蓿の焼跡蔽ふことをせず
春夕べ襖に手かけ母来給ふ
蝶燕母も来給ふ死に得んや
蠶豆の花の吹降り母来て居り
月食の春夜を母も寝並べり
きらきらと八十八夜の雨墓に
10句の中で表題句を採った天地に妻が薪割る春の暮
死なざりしかば相逢ふも実朝忌
春昼の墓こゑもなし手鏡に
胸の上に雁ゆきし空残りけり
苜蓿の焼跡蔽ふことをせず
春夕べ襖に手かけ母来給ふ
蝶燕母も来給ふ死に得んや
蠶豆の花の吹降り母来て居り
月食の春夜を母も寝並べり
きらきらと八十八夜の雨墓に
今回の掲句はなんとも哀しいものばかり
採った句にすくわれた
私も療養の体験があるが
隣の寝台が空いた時の心の悲惨さは残酷だったのを忘れられない
読者はどれを選句しますか(丈士
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