『パフューム』と言っても広島県出身で紅白出場を果たした3人組のテクノポップアイドルユニットではない。そちらはそちらで好きなのであるが(*^_^*)、こちらは映画の話。
ドイツ・フランス・スペイン合作映画という異色作であるこの『パフューム』は、多様なにおいが出てくる映画。におい?映画でしょ?と思うかもしれないが、ところがこれが驚くべきことにそうなのである。
驚異的な嗅覚を持って生まれたジョン=バティスタ=グルヌイユが主人公。18世紀のパリで孤児として奴隷のように育てられた彼は、愛を知らず「におい」にしか興味を持たない青年に育つ。彼は究極の香水の材料となる「処女の香り」を保存するため次々と殺人を犯していく。。。
映画でどのように香りを伝えるのか。興味はその一点に尽きる。
そしてそれは、対象物に対する極端な接写、むせ返るような湯気的表現、不快なそして軽やかな音など、映像/音楽にて表現できるあらゆる手法を組み合わせることで見事に成功していた。映画を観続けて四半世紀を越えるボクも、初めて観る映像体験。悪臭漂う場面などは少し気分が悪くなるぐらいだ。
実はボクはにおいフェチ気味である。昔から人より匂いに敏感であると感じながら生きてきた。詳しくお話したいところであるが、あまり詳しく書くとヤバい人と思われるので書かないw。しかしこの映画の中の「匂い立つ処女の色香」には、かなり嗅覚が刺激され興奮気味だったことは確かである。
予告編などでは少々ホラー的な要素をちらつかせていたので、グロでゴアな描写を期待して観にいったところもあるのだが、逆にギリギリのところでそのへんは排除されており、全体的に緻密で麗美な映像にまとめられていた。そこがちょっと残念w
またこの映画には驚くべき結末が待っている。 笑えるくらいの衝撃である。
知人は「絶対原作を読んでからのほうがよい」と言っていた。その真意の程は定かではないが、原作を読んでいてはあの衝撃は味わえないのではないか?
ま、原作も欧州にて禁断のベストセラーと言われているもの。機会を見て読んでみたいと思う。(パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』)
何点かネットで感想を読んで、「キモい」「ストーカーじゃん」という声を聞いたが、そんな薄いところで判断しないで欲しい。とても深く理知的論理的でありながら、恐ろしく奇想天外な着想。そんな稀有な話であり、非常に興味深い2時間半だった。
評価:★★★★☆
ちなみにボクの好きなのは「のっち」「あ~ちゃん」「かしゆか」の順。
特に「Baby cruising Love」が好き。
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