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「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

野生動物と共存できるか

2018-07-01 08:56:04 | 私の著書
『野生動物と共存できるか』2006、岩波ジュニア新書



若い世代に書いた本で、たくさんの生態学的な事象を紹介しながら、個々の動物をみるだけでなく、環境や生き物のつながりを守ることのたいせつさを書きました。思いがけないことに、その年の「もっとも入試によく出題された本」に(養老孟司を抜いて!)選ばれました。そして、光栄なことに中学2年の国語の教科書2つに採用されました。

感想



2018年になって、8刷になりました。本が売れない時代に増刷をつづけているのはありがたいことです。

以下、読後感想
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のろのろまちこ 2018/09/26
そんなこともこんなこともあるのだと驚くことばかり。単純な対策では保全はできないとわかる本。学者、行政、生活者と一体化しないと守れないとすると、それらをつなぐために教育は必須だと思う。広く読まれてほしい。

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yamakujira 2017/07/18
中高生向けのレーベルだから読みやすいし、保全生態学の入門書として大人にも読んでほしいね。野生動物の保護すなわち棲息環境の保全については、価値観をどれだけ共有できるかが課題だろう。とにかく殺したらかわいそうと言う都市住民と、どんどん駆除しろと訴える農山村民、それぞれに殺すことと殺さないことの必要性を啓蒙しなければならないね。でも、ラッコの事例のように損得で納得できなければ共感しない人も多いんだろうなぁ。保護保全がどれだけ地域に利益をもたらすか、可視化や数値化できるといいのに。

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くろじら 2017/06/13
岩波ジュニア新書なので若い子に語りかけるように書かれているためとても読みやすい。生物多様性保全の中でも、人との軋轢の生じやすい里山の哺乳類(モンゴルのモウコガゼルにしてもスリランカのゾウにしても、それぞれの国の里地の動物だと言えるし)との関係性を考える上では、まさに入門書としてうってつけだと思う。ただし、最後の野生動物の価値についての著者の意見は、やはり甘いと思うな… 社会は損得以外では動きませんよ、残念ながら。特に爬虫両生類、魚類、無脊椎動物などを含めた多様性を守りたければね。

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ジュリ 2016/08/15
人間がヤギを島に持ち込み大繁殖し、その影響で島の植物が減ってしまった。これは人間の責任だから、責任をとって駆除する。これっておかしいと思う。責任をとる必要はあるかもしれないけれど、人間の都合で殺すのはかってすぎる。殺すのではなく、他の方法を考えてほしかった。著者は自分のやっていることを正当化するために言い訳をしているように思った。

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尾張こまき 2013/11/16
わかったようでわからなかった保全生態学について中高生向けにわかりやすく解説された本。この本を手にした「動物が好き」っていう子の考える「動物」ってなんだろう。フラッグシップ種、バンビちゃん症候群、考えるヒントに出会う若者たちが一人でも多く育ってくれますように。保全研究活動の現場の話が素晴らしくて、紹介される本を全部読みたくなります。ミソサザイのアイヌ神話は多くの示唆に富んでいます。けど、ヒグマやツキノワグマがいなくても別に困らない(いわんやアユモドキをや)って人が日本の大多数だろうなぁ。

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つん 2013/06/13
たまには難しそうで専門的なものを読みたい、と思い図書館で手に取りました。 保全生態学・・・初めて聞いた。(゜o゜) 全然わからなかったら困るなぁ、と思いながら読み始めましたが、とても分かりやすく書かれており、面白かったです。 アホウドリについては、NHKのテレビでも観ました。テレビでは分からなかった大変なことがたくさんあったんですね。 これを読んで、自然界のバランスはとても微妙で、しかもいろいろなつながりを持っていて複雑なんだということが分かりました。

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たこやきまんとまん 2013/04/20
先生に薦められて読みました。自分が野生動物対していかに無知だったかを思いしらされました。でもこれから何を見、何を考え動けばいいのか考える機会を得られました。野生動物保護とかに興味がある人には目を通して欲しいです。初めての人でも取っつき安いかと。先生の体験談から動物番組の見方など様々な視点からの書き方がされてます。

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銀雪 2009/07/27
大学のレポートのために読んだ。野生動物との共存そのもの以外のことでも考えさせられることが多く、ホロリとさせられた。

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ぴょこたん 2006/09/02
ネタバレ動物について考えるとき、ペットや家畜と野生動物は別なんだという事を認識させられた。 野生動物を生かすためには、増えすぎた動物を殺すことも必要だとか、人間の立場も考えてだとか非常に現実的な事を言っているのに好感が持てる。 もうちっと文章が上手ければ…。 オオカミが西洋では悪魔の動物であるのに対し、日本では神として祀られていたのに、日本オオカミが絶滅に追いやられた、つまり日本でも悪魔の動物になってしまったという悲しい理由には合点がいく。感心させられた。

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kid
環境保全の意味とその大切さについて、とてもわかりやすく書かれている。真の豊さとは、人間社会に必要のないまたは害である生き物も大切にすることではないか。100年先を考えて過ちを正す勇気を持たなければいけない。それが巡り巡って人への恵みとなるのではないか。これは確実に、私達一人一人身近な問題のはずだ。


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