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「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

ジャワ島中部Pangandaranのルサの食性

2023-11-15 22:02:54 | 研究
ジャワ島中部Pangandaranのルサの食性の季節変化

高槻成紀・辻大和・A.W. カンティ・B. スリオブロト

この論文は以下のように公表されました。
Seiki Takatsuki, Yamato Tsuji, Kanthi Arum Widayati, Bambang Suryobroto. 2023.
Seasonal changes in the dietary compositions of rusa deer in Pangandaran Nature Reserve, West Java, Indonesia。Austral Ecology, 48: 1056-1063. こちら


摘要:ジャワ中部のパガンダランのルサの食性を調べたところ、雨季と乾季で明瞭な違いがあった。雨季には芝生状のCynodonが50%を占めるほど依存的であった。これに対して乾季にはCynodonは20%前後に減少し、繊維が30-40%に増加した。この時期にはルトンの落とした枝をルサが食べられることが知られているが、糞組成でも果実が増加した。温帯では「夏は食物が豊かな季節だが、冬は乏しくなる」のに対して熱帯では「雨季は食物が豊かな季節だが、乾季はそれに加えて果実も食べられるさらに豊かな季節である」という違いがあることがわかった。

調査地のパンガンダラン保護区

降水量の季節変化


ルサの糞組成 graminoidはイネ科など、fruitsは果実、フィbれは繊維、culmは稈(イネ科の茎)
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