高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

テレポリティクスと説明責任

2007-10-22 22:25:40 | 活動徒然
 先々週の金曜日の夜だった。知人と食事をしていると携帯電話が鳴った。TBS・「みのもんたのサタデーずばッと」の女性ディレクターからの電話だった。
 「あのーっ、誠に突然で恐縮ですが…」。いつも明るい声のディレクターが、妙に声が沈んでいる。「無理は承知なんですけど、明日の番組に出演できないかと…」。
 それまで「サタずば」には2週連続で、出演したのだが。
 「みのが〝政治とカネ〟の問題でぜひ高木さんにと言っているのですが」と、人の気持ちをくすぐるように話す。しかし、翌朝は日程が詰っていたため、お断りをした。
 9月の終わりは、金曜の深夜にテレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演。その後TBSへ移動し、「サタずば」に出たことがあった。
 みのさんは「徹夜なんですよね」と紹介の時に語りかけてきた後、「政治家は体力が必要ですよね」。ギネスブックに載るくらい、毎日レギュラー番組をはしごしているみのさん。ある日の番組中のこと。スタジオでのトークが終わり、ビデオが流れた。ナレーターの声がスタジオに響く。茶の間の画面はビデオの映像が映っている。ところがスタジオのみのさんは、なんと、立ちながら眠っているではないか。
 政治家も体力勝負だが、みのさんにはどの政治家も負けるのでは…と思ってしまった。
 「テレポリティクス」という言葉がある。今、政治は新聞、雑誌などの活字以上にテレビの影響が大きい。象徴的なのは〝小泉劇場〟だった。「ワンフレーズポリティクス」ともいわれる短い言葉で言い切る小泉元首相。2年前の〝郵政選挙〟もまさにテレビが作り上げた選挙だった気がする。与党の一員として、私もその恩恵を受けた一人だった。
 テレビの影響を無視できない状況の中で、各党は有権者へのアピールを、いかにしていくか。悩ましいところだ。
 政党また政治家として、ていねいに説明責任を果たさないといけないと思う。しかし、テレビでは長々と話すことは難しい。特に討論番組では、1分程度で話しをまとめなければならない。ある放送記者は「20秒ですよ」という。
分かりやすい話。今、永田町の政治家に求められていることではないか。

福田内閣がスタート

2007-10-03 23:39:28 | 永田町からのEメール
福田内閣がスタートした。先月25日、首班指名の本会議に先立ち、太田代表と福田総裁との間で15項目にわたる「自由民主党・公明党連立政権合意」に署名した。
 参院選の与党敗北を受けて、「改革を急ぐ余り、そこから取り残された人たちや地域、弱者に対するセーフティネットが十分でなかたことを率直に反省し・・・」と、合意文章の前文で確認した。
 「公明党は庶民の政党ではなかったのか」
 参院選後に、多くの支持者から厳しいご批判をいただいた。その反省に立っての政権合意だった。
 政権協議が行われる4日前の20日の朝日新聞はちょっと変だった。まず3面の社説。「公明党 まだついて行くなら」のタイトル。「自民党総裁選が行われている。(略)これは首相選びである。連立を続けるなら、注文つけてもおかしくない」と、公明党はもっと〝物申せ〟と主張している。
 しかし、次のページの政治面トップは「公明ずけずけ」「埋没の危機、自民へ談判」の見出し。「連立政権協議に向けて、公明党が注文攻勢をかけている」と報道しているが、見出しを見る限り、批判的なニュアンスがある。
 同じ日の新聞で、一方は「遠慮することはなかろう。連立政権合意を単なる儀式に終わらせてはいけない」と主張し、他方は「ずけずけ」という見出しで〝批判〟する。
 「天下の〝朝日〟はどうなってんだ」と多くの読者が思ったのではないだろうか。

政治記者

2007-10-01 23:11:23 | 永田町からのEメール
テレビのニュース番組で政治家の記者会見が映される時がある。
 記者の質問に答える形だが、総理大臣は一日2回、官邸で通称「ぶらさがり会見」を行っている。記者がマイクを持ちながら、総理の周りを取り囲みながら質問するものだ。
 公明党も水曜に北側幹事長、金曜に太田代表が定例記者会見を行っている。何か大きな出来事があると、定例会見とは別に「ぶらさがり会見」を行うこともある。
 5年間にわたって党の広報局長を務めた関係で、多くの会見に立ち会ってきた。
 最近感じることは、記者の皆さんがメモをとらなくなったことだ。そのかわり、パソコンでメモしている。その一方で、どの記者もボイスレコーダーを会見する政治家の前に置き録音している。
 私も新聞記者出身だが、当時はボイスレコーダーなどなかった。一言も聞きもらすまいと真剣勝負だった。
 しかし、今の記者は、パソコンのキーに向ったまま、会見者の顔も見ない。例えば話しにくい時など質問によっては目が泳いだり、表情が変わるのに・・・。
 録音をして、パソコンのキーをたたくだけなら学生のアルバイトでもできる。相手が話したくないこと、隠したいことなどを聞き出し、真実を明らかにするのが記者の役目のはず。このような状況が続くなら、政治ジャーナリズムは死んでしまう気がするのだが・・・。

「やはり2つが残った」

2007-10-01 22:28:01 | 活動徒然
 「やはり2つが残った」
 国会内の衆議院30控室。先月24日、自民・公明の連立政権協議。2回目の交渉を終え、公明党の控室に戻った北側幹事長の第一声だった。
 公明党が連立政権に参画して8年。これまでも小渕、森、小泉、安倍と内閣が変るたびに、連立政権合意を結んできた。
 しかし、その協議は水面下で行われてきた。公明党が何を主張し、どこを押し込んで、どこを妥協したのか、多くの有権者は分からなかった。
「何のための連立政権か」。今回の新内閣スタートにあたって、わが党の主張を事前に明らかにして、政権協議に臨むことになった。協議4日前の20日、北側幹事長が「連立政権協議に臨むにあたって」という基本姿勢を発表。これまでにない異例のことだった。
 2時から始まった政権協議。出席者は公明から北側幹事長、斉藤政調会長、井上副代表。1回目の協議は約1時間、それぞれの主張を述べあった。
その後、〝政権合意〟を文章化する作業に入った。午後5時半、2回目の協議に〝交渉3人組〟が出発。午後6時半、協議を終えて、冒頭の北側幹事長の言葉が発せられた。
 「経済財政運営」「地域格差」「年金」と各項目はほぼ合意。15項目のうち「医療」と「政治資金」だけが残った。
 公明は「来年4月から実施予定の高齢者医療の負担増の凍結」と「政治資金の一円以上の領収書の添付義務付け」を強く求めていた。
 そして午後8時から3回目の協議がスタート。公明控室の外には多勢の記者が待機している。トイレに行く私に記者が寄ってきて「内容はどうなっているんですか」「明日の朝刊紙面あけているので、お願いしますよ」
 そうこうしているうちに8時半すぎ、北側幹事長らが戻ってきて、一言。「大筋合意ができました」。待っていた太田代表はじめ役員からもほーっと、ため息が漏れた。
 翌日の産経朝刊では「自公『1円以上』合意・領収書添付、公明粘り腰」と見出しが躍った。高齢者医療も〝負担増凍結〟の方針が確認された。
 「(自民に)言うべきことは言う」と太田代表は語っている。福田内閣がスタートし、公明党にとってその姿勢がさらに問われてくることは間違いない。