高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

「物価高騰に直面する国民生活の不安を解消し」

2008-08-26 21:45:23 | 活動徒然
 原油、食料品などが高騰している。
 このコラムを読んでいる読者も物価高の直撃を実感していると思う。
 スーパーのチラシを見て少しでも安い品物を購入しようとする主婦。小遣いが減って昼食を工夫しているサラリーマン。皆、生活防衛に走っている。
 内閣改造後の今月4日。福田首相は与謝野・経済財政相に経済対策の取りまとめを指示した。それを受けて公明党は8日、与謝野担当相に対して「定額減税」を柱とする経済対策の実施を求めた。
 今、目の前で困っている人のために手を打つことが政治の大きな柱だと思う。
 わが国の経済状況は悪い局面に入ってきている。先日、内閣府が発表した4―6月期のGDP(国内総生産)速報値は、前期比0.6%減。年率換算でマイナス2.4%。6月の消費者物価指数も前年同月比で1.9%上昇。しかし、これは耐久消費財なども含まれているため、日常的な生活用品や食料品などはもっと上がっているというのが、国民の生活実感。
 景気が後退局面で給料が上がらず、物価高は容赦なく直撃してくる。
 政府の経済対策の方針をまとめる政府与党会議が11日、官邸で開かれた。
 与謝野担当相から経済対策策定にあたっての3つの柱立てが示された。そのペーパーを見て、わが党の税制調査会長・井上副代表が「ちょっと待った」と口火を切った。
 政府の提示した1番目の柱は「低炭素社会実現」などの構造変革の加速化の措置。これはこれで重要だが、生活者支援は3番目となっており、しかも「物価高」という表現もない。
 「このままのペーパーで記者発表するんですか。それは納得できない」。井上副代表が強い口調で押し切った。
 結局、生活支援が一番目となり、「物価高騰に直面する国民生活の不安を解消し」との文言が入ることになった。
 今、国民は物価高に苦しんでいる。そこに焦点を当てずに、いくら経済対策を打っても、それは国民ニーズとはかけ離れてしまう。何でこんなことが分からないのか。
 福田総理も与謝野担当相も、そして霞が関の官僚も、ちょっと街に出て、スーパーをのぞいたら、そんなことはすぐに実感できる。「安心実現内閣」と福田首相は言った。その意味は国民にとっての「安心実現」のはずだ。

有権者から金メダルを送られた人が政治を任される

2008-08-12 21:47:08 | 活動徒然
 内閣改造が色褪せてしまった。いや吹き飛ばされた感がある。
 今月1日に福田内閣が改造され、内閣支持率も新聞社、テレビ局によって微妙に違うが、概ね上昇した。ところが、「変った」という〝期待感〟も8日に開幕した北京五輪で、「もう過去のもの」という感じだ。
 テレビは朝から夜まで五輪一色。新聞も一面トップは五輪ものだ。
 開幕早々、金確実といわれたヤワラちゃんが負けた。「ママでも金」が夢と終わって、多くの国民が落胆した。男女サッカーも厳しい試合結果が続き、男女バレーも黒星スタート。
金メダル16個、合計37個とメダルラッシュに湧いたアテネ五輪と比べ、「今回は厳しいな」とテレビを見ながら思い始めた大会3日目。柔道男子66キロ級の内柴正人選手が優勝し、2連覇を飾ると、テレビ中継のトーンもガラッと明るくなった。翌日の朝刊各紙も紙面が躍動しているような気がするのは不思議だ。
 普段スポーツに関心のない人も。この時期になると1億総コメンテーターに変身する。また、日本人選手が登場すると、多くの人が手に力を込め応援する。
 五輪ではないが、初めて本大会に出場したサッカーのフランスW杯の予選を見に行ったことがある。国立競技場に多くのサポーターが終結した。試合前の国家吹奏の時、顔にはペインティング、茶髪の青年たちが「君が代」を必死で歌っていた。そこには自然な感情の発露があった。
 前回、インタビューで「超気持ちいいー」と叫んだ北島康介選手。100メートル平泳ぎで世界記録で見事2。今回は涙でインタビューに答えた。これもまた、日本中を熱狂させた。
 近代五輪の父、クーベルタンが「参加することに意義がある」と語ったといわれる。もちろん、出場するだけでも大変な五輪。しかし、北島選手や内柴選手をみると、やはり「勝ってなんぼ」という気もする。「努力をしたけどダメでした」は勝負の世界では通用しない。
 内柴選手の新聞記事の中でこんなのがあった。「強いやつが勝つんじゃない。勝ったやつが強いんだ」
 政治の世界でも「努力したけどダメでした」は通用しない。そんなことをしたら国民生活は大変になってしまう。すべては結果勝負だ。
 衆院の任期満了まであと1年余り。次の解散総選挙も各党勝負となる。どこまで国民に政策を伝えきれるか。「有権者から金メダルを送られた(当選した)人が政治を任される」