高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

「失敗」をどう克服するかが大切 自公民 臨時国会で試される「成長」

2011-10-25 12:53:54 | 活動徒然
 「強い!」

 その言葉が思わず出てしまうようなレースだった。

 第72回菊花賞。中央競馬のクラシック3冠最後のレースでオルフェーヴルが史上7頭目の3冠馬に輝いた。

 馬券を買っていたわけではないが、ディープインパクト以来、6年ぶりの3冠達成なるかというレースだったので、思わずテレビの競馬中継に見入ってしまった。

 3歳牡馬のクラシックは、「最も速い馬が勝つ皐月賞」「最も運の良い馬が勝つダービー」「最も強い馬が勝つ菊花賞」と言われる。今回のオルフェーヴルはその強さを証明するようなレース展開だった。

 京都競馬場。一周目の下り坂では前に行こうとするオルフェーヴルを池添騎手は「我慢してくれ、我慢してくれ」と願いながら、馬群の中団に。その後はうまく折り合い、4コーナー手前からジワジワと前に出てきて、直線を向いた時に一気に爆発。先頭に出ると後続の馬はついてこられない。2馬身半の差をつけゴール板を駆け抜ける姿は、まさに「最も強い馬」だった。

 性格は「やんちゃ」と言われるオルフェーブルはデビュー戦で勝った後、池添騎手を振り落した。今回も走り終えた後に相方を落馬させるというおまけがついた。

 競馬は血統が重要といわれる。だが、血統さえ良ければ、大丈夫かといわれれば、そんな甘いものでもない。

 オルフェーヴルは新馬戦こそ勝ったものの、その後4連敗を喫している。池江調教師はスポーツ紙のインタビューで次のように語っている。「気性が幼く、折り合い面に不安を抱えた馬でした。昨秋の京王杯2歳ステークスで10着に敗れてからは、馬に我慢を教え込むことが最大のテーマ。菊花賞で3000㍍の長丁場を克服してくれたことは、成長の証明」。やんちゃなオルフェーヴルは「我慢」を覚えた。

 相撲界には「負けて覚える相撲かな」という言葉があるが、負けた後、失敗した後にどうしていくのか。勝負の世界ではポイントになってくる。

 政界でも2世議員や議員になる前の肩書きなどで「地盤」「看板」「カバン」などの〝血統〟が当選の有利、不利と考える場合がある。だが、議員バッジをつけた後、どのような仕事をしたかが重要。競馬をはじめ勝負の世界と同じように結果がすべてだからだ。

 民主党政権になって2年。多くの失敗があったが、それをどう克服していくかが3人目の首相には問われている。

 一方、下野した自民、公明もその後の〝調教〟がうまくいっているのか。次の選挙で政権を再び任せてもらえるか。臨時国会では互いの成長が試されている。

小沢さん「けじめ」をつける時です。

2011-10-11 15:16:18 | 活動徒然
 「小沢問題はもういいかげんにしてほしい」

 民主党の小沢一郎元代表の政治資金規正法違反事件の初公判が先週の木曜に開かれた。

 テレビは開廷前から特番を組み、新聞も夕刊、そして翌日の朝刊も1面、社会面と報道が過熱。自民党時代、47歳で幹事長に就任して以来、20年以上にわたって永田町政治の中心にいたのだから、マスコミが騒ぐのは分からないではない。だが、多くの国民が冒頭の言葉のように感じているのではないか。

 だが、自分も国政に関わり、少なからず小沢氏を見てきた一人として、あえて一言書こうと思う。

 私が毎日新聞を退社し、衆院選に出馬したのが「政治改革」が争点となった93年だった。

 当時の「政治改革」論議は、リクルート事件、東京佐川急便事件と「政治とカネ」問題が続いたことからスタート。長く続いた自民党単独政権が政・官・業の癒着によって腐敗しているとして、政権交代可能な選挙制度にしようとの声が高まった。特に中選挙区制は同じ選挙区で自民党の候補者同士が争うので、金がかかるといわれ、小選挙区制が注目された。その中心にいたのが小沢氏だった。
 
 同年年6月。宮沢内閣不信任案に与党でありながら賛成をした小沢氏らは自民党を離党し、新生党を立ち上げた。選挙制度改革に慎重な者を「守旧派」、自らを「改革派」と称した小沢氏は自民党を過半数割れに追い込んだ。もちろんメディアもそれに同調した論調であふれた。

 選挙後に発足した細川政権に私たち公明党も参加。「選挙制度こそ政治改革」という熱病のような雰囲気の中、94年1月に現行の小選挙区比例代表並立制の改正公職選挙法が成立した。

 あれから17年。小選挙区制での選挙は5回目にしてようやく政権交代が実現したが、「政治とカネ」の問題はなくなっていない。中選挙区はカネがかかるといっていたが、小沢氏の政治資金管理団体「陸山会」は2009年の衆院選で民主党候補91人に4億4900万円の資金を提供している。

「改革派」と称した小沢氏が今度は「政治とカネ」で被告席に立っている。何と皮肉なことか。

 小沢氏が新生党を結成した時、田中角栄の金権政治を批判してきた立花隆氏が朝日新聞にこう書いた。

 「あなた方のつくったそうした政治構造が、リクルート事件を生み、佐川事件を生み、金丸事件を生んだのではなかったか。(中略)自分たちの過去にけじめもつけずに、何が新生だ。ちゃんちゃらおかしい」

 初公判後の会見で、都合の悪いことには一切答えない。ときには恫喝、開き直る。そういった「小沢的」なものに国民はうんざりしている。もうそろそろ小沢氏は「けじめ」をつける時がきている。