高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

延長国会は節電で早朝や夕方から本会議を開こう

2011-06-21 13:30:16 | 活動徒然
 梅雨の真っただ中の日本列島。蒸し蒸しする季節だが、永田町、霞が関周辺はノーネクタイ姿がほとんどだ。
 
 今年は福島第1原発の事故による夏の電力不足が懸念される中、環境省はスーパークールビズまで打ち出した。だが、同省が発表した許容される服装をみてみると、ポロシャツやアロハシャツは分かるが、ジーンズは果して涼しいのだろうかと思ってしまう。肌にフィットしたジーンズはかえって暑いのではと思うのは中年の証しなのだろうか。
 
 国会も今年は1カ月早めて5月からクールビズが始まった。衆議院ではこれまで本会議場は上着、ネクタイ着用だったが、今年からノーネクタイ可となった。(参議院はこれまでもノーネクタイ可だった)
 
 衆院の各委員会はクールビズOKだった。委員会で質疑や採決を行った後、本会議場に入るとき、わざわざネクタイを改めて締めなければならなかったが、今年はその手間をはぶくことができる。
 
 国会内も冷房設定28度だが、実は本会議場の空調は古いこともあって良くない。当選したばかりのころ、先輩のオヤジ議員が本会議場に入ると扇子をよくパタパタさせていた。1936年に完成した議事堂だが、本会議場の天井はステンドグラスの天窓になっている。太陽光を採り入れるのだが、これが夏の本会議になると特に暑い。
 
 ちなみに地震で天井のガラスの破片が落ちてきたときのために、イスの下に防災ズキンが収納されている。しかし、本当にガラス破片が落ちてきたら、防災ズキンだけでは身体は守ることはできないのだが…。
 
 通常、衆議院の本会議は午後1時から。これがまた暑さに拍車をかけている。今年はこれまでになく節電が求められている。延長後の国会は、午後の電力ピーク時を避けて、朝早くか、夕方から本会議を開いたらどうだろうか。また、クールビズも徹底し、本会議場の上着着用も変更すべきではないか。
 
 日本中が節電に努力する中、わが家でもエアコンを極力使わないため、妻が緑のカーテンに取り組んでいる。プランターのゴーヤも1㍍くらいに伸びてきた。窓にもネットを張り、ツルが絡みはじめ、さてどうなるか。
 
 私たちが子どものころ、エアコンのある家は少なかった。高校時代、通学で利用したJR(当時国鉄)山手線や中央線も冷房車は少なく、たまたま冷房車にあたると「ラッキー」と思ったものだ。
 
 経済発展とともに電力は空気のような存在になった。この夏はもう一度立ち止まって、ライフスタイルも含めて国民全体で考える季節になりそうだ。

資質が表れた鳩山、菅両氏の「言葉」

2011-06-07 12:59:35 | 活動徒然
 この欄で政治家の「言葉」の大切さを何度か書いてきた。民主党による政権交代後、俎上に乗せたのは政権トップを務めた鳩山、菅両氏だ。

 これまで何度もあきれるような発言を繰り返してきた2人だが、今回の内閣不信任案をめぐる発言は、2人の資質を端的に表したものだった。

 鳩山氏は1日、不信任案に賛成の意向を表明。採決の日の2日朝も記者団に「こんな党にしたつもりはなかった」。ところが、本会議前の民主党代議士会では「ぜひ一致して行動できるようお願いしたい」と、一転、不信任案の反対を訴えた。第2次補正予算の編成にメドがついたら菅首相が辞任をするという約束をしたからという。

 母親からの献金問題、普天間基地移設問題など、前言を翻すのはお手のものの鳩山氏。これくらいはよくあること。だが、岡田幹事長の2次補正は首相退陣の条件ではないとの発言を聞くと、真顔で「ウソだ。人間はウソをついてはいけない」と語る。テレビでこの場面を見ていた私はイスからずり落ちそうになった。さらに翌日は「口で約束したことを守るのはあたり前、それができなければペテン師」とも。「最低でも県外」の言葉は忘れたようだ。この人の辞書には「恥」という文字はないらしい。

 一方、不信任案が可決しそうなところまで追い込まれた菅氏。驚異の粘り腰を発揮した。

 民主党代議士会で菅氏は、

 ①震災の復旧復興に全身全霊を挙げて、最大限努力する

 ②民主党を壊さない

 ③政権を自民党に戻さない―の3点を述べた。

 復旧復興に全力を尽くすのはあたり前のことだ。政治は結果が全て。震災後の3カ月になろうとしている現在、いまだに10万人もの被災者が避難所生活を強いられている。この人の言葉は「全身全霊」、「最大限努力」など抽象的な表現が多く、具体的にどうするかが欠けている。さらに、②③点目は国民の側、特に被災者の側からいえば関係ないことだ。

 そして、退陣表明となった「一定のメドがついた段階での若い世代への引き継ぎも果たして」との発言が飛び出した。しかし、この「一定のメド」の解釈で混迷を深める。翌日の朝日新聞朝刊は「辞任は年明け示唆」と一面で見出しを打った。不信任案の賛成を表明していたある民主党代議士は本会議後、「総理を信じてあげないと」と私に話したが、見事首相にダマされてしまった。

 なぜ、野党は内閣不信任案を出したのか。中国の古典「荀子」に「拒諌飾非(きょかんしょくひ)」という言葉がある。「忠告されることを拒み、自分の非を弁護し、愚かな上に自分に付和雷同する者だけを重用していては、国は必ず禍いあうだろう」と説いている。

 国が滅びる前に早く辞めてもらわなくてはならない。