高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

復興予算成立に向け「スピード感」と「大人の対応」必要

2011-09-27 13:13:41 | 活動徒然
 野田政権が発足して3週間。ようやく衆参の予算委員会での論戦が始まった。

 野田内閣がまず全力をあげて取り組まなければならないこと。それは東日本大震災の復旧・復興と原発事故の対応だろう。26日の予算委でも野田首相はその2つを強調していた。

 震災の発生から半年以上が過ぎた。被災地の復興への道のりはまだ険しいものがある。「お盆までに仮設住宅に(被災者)全員入居」と国会で答弁しながら、結局、実現しないまま退陣していった菅前首相。その後を受けた野田首相は、復興予算となる第3次補正予算を早急に成立させ、復興を形あるものにしなければならない。

 ところが、今回の予算委員会には肝心の補正予算案が提案されていない。今の状況では早くても10月下旬に予算案が国会に提出されるという。復興予算の中には震災で崩壊した道路や港湾などインフラの整備、新たな街づくりのための交付金なども含まれる。だが、これから冬を迎える中、復興の工事は雪などで困難をきわめる。野田首相は就任直後、東北3県の被災地を視察した。現場の声をどう聞いたのか。

 8月9日、民主・自民・公明の3党は民主党の政策見直しに関しての確認書に合意した。そこには「復興のための第3次補正予算の検討」と3党で協議することも書かれている。だが、補正予算に関して3党協議が一向にスタートしない。

 民主党では予算の財源について議論しているが、なかなかまとまらない。協議しようにも政府・与党がまず意見を集約しないと入り口にさえも立てない。野党時代の民主党であれば、責任も感じることなく、党内がまとまりませんでしたで済んだが、今は政権与党。議論も大切だが与党としての自覚があるのだろうか。

 一方、自民党は党内で「解散に追い込むべきだ」と3党協議に後ろ向きな意見もあるようだ。また国会の会期延長をめぐり対決ムードもある。だが、被災者の立場からすれば、「何党だろうが早く復旧・復興をやってもらいたい」というのが本音だろう。

 3次補正予算案に関して言えば、民主党は党内を早くまとめ、自民党もここは細かいことにこだわらず、協議をして被災者に応えることを優先すべきだ。

 1000年に一度といわれる今回の震災と原発事故。政治に求められるのは「スピード感」と「大人の対応」だ。




平野国対委員長も認めた 不完全な野田内閣

2011-09-13 14:11:25 | 活動徒然
 「今の内閣は不完全な状態で、十分な国会答弁ができない」

 臨時国会の会期をめぐって開かれた与野党の国対委員長会談の席上で、民主党の平野国対委員長が発言した。

 野田内閣がどのような政治を行なうか。臨時国会で所信表明演説を行ない、野党からの代表質問を受ける。さらに一問一答形式の予算委員会で議論を深める。「予算委を開け」という野党の要求に、平野国対委員長は〝正直〟に(?)冒頭の発言をした。

 内閣が発足して9日目にして、鉢呂経済産業相が辞任。「死の町」「放射能をうつしてやる」など、閣僚の前に人間としてとんでもない発言が辞任の引き金となった。

 野田首相は就任会見で、閣僚、党役員人事について質問され、「バランスを考えたことは事実ですが、基本的には適材適所なんです。適材適所」と発言。だが、原発所管の大臣として鉢呂氏が〝適材適所〟だったのか。

 鉢呂氏は「周辺市町村の市街地は人っ子一人いない〝死の町〟だった」と語ったが、住民に強制的に避難指示を出したのは、今の民主党政権ではないか。住民は離れたくて故郷から出たのではない。それを担当の大臣が、まるで他人事のように発言した。辞任は当然だが、平野国対委員長の「不完全内閣」が正しかったということになる。

 それ以外にも、わずかな期間で〝不完全〟な発言が閣僚から飛び出している。

 組閣の当日、「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と言った一川防衛相。今後の日本の防衛・安全保障を〝素人〟に任せて大丈夫かと思った国民も多かったのではないか。

 さらに小宮山厚労相の「たばこ700円」発言。安住財務相は小宮山発言について「個人的な見解。ご高説は承るが、所管は私だ」と不快感を表明。さらに「税という点でいうとタバコだけを抜き出して議論するのはバランスを欠く」と述べた。藤村官房長官も「個人的な思いを述べただけだと思う」と引き上げに慎重姿勢。ところが、小宮山氏は「個人的意見というより、厚労省を代表して述べた意見」と反論した。

 これまでも政府としての方針を決める前に、閣僚や党幹部が勝手に発言をして混乱した民主党政権の2年間。野田内閣になっても変っていない様子だ。

 とはいえ、日本の抱える課題は待ったなしだ。臨時国会は今日からスタート。震災復興・経済対策に必要な予算について既に公明党は提言している。野田内閣にはスピードが求められている。

 だが、〝不完全〟なままではまた、遅くなりそうだ。