高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

高校球児の懸命プレーから学ぶこと

2010-03-25 13:19:53 | 活動徒然
 プロ野球の開幕とともに、選抜高校野球が21日から始まった。

 3年前のこの欄でも書いたが、毎日新聞静岡支局の記者時代、〝センバツ〟の取材をした。第58回大会で東海地区代表の浜松商の担当記者として私も〝甲子園の土〟を踏んだ。

 当時のスクラップ・ブックを開いてみた。昭和61(1986)年3月31日付の毎日新聞静岡版。記事の頭に[甲子園で高木陽介記者]とクレジットが入っている。「全員野球で昨春のお返し」「眠れるPLに鮮やか〝足攻〟」「実った勝利への執着」との見出し。

 一回戦で強豪PL学園と対戦した浜松商が8―1で快勝した記事だ。実は前年の〝センバツ〟初戦でPL学園と対戦し、1―11で敗れていた。その時はK・Kコンビの清原、桑田がいて相手にならなかった。K・Kコンビが卒業したとはいえ、優勝候補のPL学園と2年連続で対戦となり、支局の同僚たちは初戦敗退を覚悟していた。担当記者の私も半ばあきらめかけていた。

 ところが、試合は見出しにあるように浜松商の快勝。取材後、原稿用紙に向かった私も興奮し、200行以上(当時の新聞は1行13字)の原稿を1時間くらいで書きあげたのを覚えている。(400字詰め原稿用紙で6枚以上)

 〝センバツ〟出場が決まってから1カ月半の取材で、勉強になることが多かった。当時ベンチに入れるのは15人。浜松商の部員32人のうち17人はスタンドからの応援だ。だが、陰になって支えるメンバーがいるからこそ、活躍できるナインがいた。高校生だが、レギュラーも裏方もお互いの存在を尊重していた。甲子園という目標に向かい、厳しい練習に耐える選手。スクラップ・ブックの記事は、そのことが所々に書かれていた。

 政治の世界ではお互いを尊重することが希薄だと感じてしまう昨今だ。

 与党・民主党では幹事長批判をした副幹事長が更迭され、混乱している。野党第一党の自民党も離党騒ぎや執行部刷新の声が大きくなっている。

 景気・経済の低迷や、沖縄の基地問題に象徴される外交・安全保障など課題山積の国政。党内でゴタゴタしている余裕は政治にはないはずだ。球児たちの懸命なプレーをみて、両党とも内外の課題に取り組む姿勢を学び直してもらいたいものだ。

政調なき民主党への不安

2010-03-09 15:23:07 | 活動徒然
民主党は政策を議論する「議員政策研究会」を設置することになった。

昨年の政権交代後、「政策決定の内閣一元化」という方針を打ち出した民主党は政策調査会(政調)を廃止した。
大臣、副大臣、大臣政務官ら政府に入った議員は、予算編成や法案策定に携わったが、それ以外の民主党議員は政策決定に関与できなくなった。
報道によると、中堅・若手の議員からは不満が強まり、政調復活を求める声があがっていたという。

いうまでもなく、国会は唯一の立法機関。
一人ひとりの国会議員は国民の代表として、予算や法律の審議、議決を行なう。
政権交代をして間もなく半年。この間、政府に入らなかった民主党議員は政調のない中、どのようにその採決の判断をしてきたのだろう。
各省副大臣主催の「政策会議」を開いていたが、最初の頃は百人以上も集まり、議論をするどころか法案や制度の説明会で終ったという。
ある省の幹部官僚に聞くと、最近はその「政策会議」の出席者もめっきり減り、「まるでガス抜きの会合だ」と話していた。

もちろん、政調がなくても個人で政策や法案を勉強している人はいるだろう。
しかし、「これは勉強不足だな」とうかがわせる場面に遭遇した。

民主党マニフェストの一つ「高校授業料無償化」法案の衆議院本会議での質疑での出来事。
一年生の民主党女性議員が「給付型の奨学金制度も確立すべきではないか」と文部科学相に問いかけた。

すると、私の後ろに座っていたわが党の議員が、「給付型奨学金を削ったのは民主党だろう。
自分で削って、何が確立すべきだー」と野次を飛ばした。
質問をしていた議員は一瞬、キョトンとした表情になった。

まだ自公政権だった昨年8月、実質的な給付型奨学金の交付となる
「高校奨学金事業等の充実改善」事業で455億円を概算要求に計上していた。
鳩山内閣は自公政権の概算要求をいったん白紙にしたが、昨年10月の概算要求では同事業に120億円を改めて計上。
しかし、年末に決定した平成22年度予算案には、計上はゼロであった。
その決定は民主党政権が行ったものだ。

自らゼロと査定しておきながら、本会議で要求する矛盾。
質問者は一連の経過を知らなかったとしか思えない。

新たにスタートする「議員政策研究会」で、民主党議員は
どのような勉強をするのか。
政策決定には、民主党の議員一人ひとりが責任をもってもらいたいものだ。