高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

東国原氏の「真剣さ」「必死さ」

2007-01-29 22:05:31 | 活動徒然
 そのまんま東氏、いや東国原英夫氏が宮崎県知事に当選した。
 選挙翌日の新聞は「『政党離れ』波乱の兆し」(朝日)、「政党不信の嵐」(読売)、「政党の威信失墜」(毎日)、「政治不信2大政党直撃」(産経)――と、見出しが躍った。テレビのニュースも同様のトーンで報道していた。
 今回の知事選では元官僚の候補2人をはじめ5人が出馬。東国原氏が2位に7万票余りの大差をつけて圧勝した。
 翌日、各社の記者が取材に来た。「平成7年のような(東京・大阪の知事選の)青島・ノック現象でしょうか?」。
 マスコミの「政党離れ」という固定観念にいささかうんざりした。
 私の考えを述べたい。まず保守王国の宮崎で、保守が分裂したことが大きい。2位と3位の候補の得票を足せば、東国原氏の得票を上回る。有権者が保守の「内輪もめ」をどうみたか。
今回は官製談合事件で前知事が逮捕されたことによる出直し選挙。「官」に対する不信がある中で、官僚OBを擁立するという認識の甘さが、有権者の反発を招いていると思う。
 さらに、何よりも東国原氏の「真剣さ」「必死さ」が有権者に伝わったのではないか。約80項目のマニフェストを掲げ、芸能人の応援を断り、パフォーマンスではない地道な運動を行った。投票前のテレビでの各陣営のルポを見た。有力3人のうち東国原氏が最も一生懸命に動いているように感じたのは私だけではあるまい。
 その他、様々な分析はあるだろう。統一選、参院選を前に、政党として有権者にどう対処していくか。考えなければならない点は多々ある。
 しかし、一つの知事選の結果で、すぐに「政党離れ」と結びつける思考はいかがなものか。同日行われた愛媛県知事選は自・公推薦、社民支持の現職が圧勝した。
 投票日の夜、フジ・関西テレビ系の番組「発掘!あるある大辞典」が捏造事件で放送を休止した。
 同番組は「結論先にありき」でデータやコメントをそれに合せて捏造してしまったようだ。記者出身の私は、「政治報道も、結論からスタートした取材は気をつけなければならない」と痛感した。

 「右手をご覧下さい」

2007-01-04 23:07:05 | 永田町からのEメール
 「右手をご覧下さい」
 箱根・芦ノ湖の遊覧船のアナウンスが船内に響いた。景色の説明のアナウンスが続くが、小学3年生の次男は、自分の右手の平をじっと見つめながら、隣の祖母に尋ねた。
 「おばあちゃん、右手を見ているけど何もないよ。何があるの」
 一瞬の沈黙の後、家族は大爆笑となった。
 年末の家族旅行の出来事。あいにく私は仕事のため参加できなかったが、後でその話を聞いて、思わず吹き出してしまった。
 ところが、次男は「『右手をご覧下さい』って言えば、右手を見るよね。本当なら『右側をご覧下さい』だよね」と、反論する。
 なるほど次男の言う通りだ。もちろん観光案内などで「右手をご覧下さい」は慣用句だ。だが、素直な子どもにとって、そのまま自分の手を見るのは当然だろう。
 このことは、政治に関わる者として改めて考えさせられた。
 永田町の政治家や霞ヶ関の官僚が使っている言葉。自分たちだけで通じる〝業界用語〟を使ってはいないだろうか。
 新聞記者時代に原稿をチェックするデスク(これも記者用語か。次長・副部長などをデスクと呼んでいる)に言われた。「中学生が読んで分かる文章を書け」
 今年は、統一選、参院選があり、「政治決戦」の年といわれる。有権者にどれだけ公明党の実績と政策を理解してもらえるか。これから始まる通常国会でTV中継もある。一つの言葉を大切にしていきたい。