高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

タバコ、やめるか続けるか

2010-09-21 16:07:33 | 活動徒然
 やめるか、それとも、続けるか――。政策の話ではない。

 喫煙の話だ。

 10月1日からタバコが値上げされる。値上げのたびに多くの愛煙家が「決断」を迫られる。私もその一人なのだが…。

 昨年暮れに政府・民主党で議論された平成22年度の税制改正。ガソリン税の暫定税率を廃止するとマニフェストで掲げ、政権交代をした民主党だが、小沢一郎幹事長(当時)の"ツルの一声"で、1年目はあっさりとそのマニフェストを放棄した。

 さらにムダを省いて財源をつくると言いながら、それもままならず、タバコ税を上げると決定した。しかも1本あたり3.5円の税率引き上げとなった。

 日本たばこ産業(JT)は「大幅な需要減少が見込まれる中、メーカーとしてのコスト削減だけではカバーしきれない」として、主要銘柄で1本5.5円~7円の値上げに踏み切る。

 例えば、1箱300円のマイルドセブンは410円に。過去10年で3度も増税されたタバコだが、海外と比べてもまだ安いのは確かだ。昨年6月段階で、ノルウェー1450円、イギリス1150円、アメリカ840円、フランス830円、ドイツ740円――となっている。

 タバコは「健康に良くない」「有害だ」と指摘されながらも、愛煙家からは「それなら売らなければいい」、「自分の体を犠牲にして財政に貢献しているんだ」との声がある。

 タバコの価格は大半が税金。1箱300円の場合、本体価格は37%の110.84円。たばこ税が58%の177.88円。さらに消費税5%に相当の14.28円。1日1箱吸う人なら年間約7万円弱を納税していることになるわけだ。

 平成10年12月、旧国鉄の債務処理のために「たばこ特別税」が創設された。その増税の恩恵にあずかったJR東日本が首都圏の駅の全面禁煙にしたのは驚いた。「タバコで借金を返してもらったのに、そんな仕打ちは…」と思った愛煙家も多いのではないか。

 しかし、世の中は確実に禁煙、嫌煙、さらに絶煙の流れになっている。

 多くの愛煙家がタバコをやめることで、税収は減る。一方、健康増進につながり、医療費の伸びにブレーキがかかれば、財政に貢献できる。

 結局は、財政の問題というより、個人の意思の問題だ。禁煙した方が自分の健康にとってプラスは間違いないのだから…。

納得できる説明なく、置き去り

2010-09-07 17:50:45 | 活動徒然
 「子どもの成長と一緒に、自分も成長していかないと」  

 児童虐待の報道が後を絶たない中、児童虐待防止を特集した先日のNHKの番組。その中で、6歳と2歳の男児を持つ母親の言葉に、3人の子の父親でもある私はハッとさせられた。  

 母親は「言っても聞かない子どもたちにイライラする」とも語っていたが、児童虐待予防の「しつけ方講習」を受けて、「しかる時は分かりやすく納得させること 」と心がけ、「一緒に成長する」ことを学んだ。  

 番組で知ったが、「虐待のサイクル」というのがあるそうだ。「イライラ」に よる 体罰で一時的に言うことを聞かせても、結局は親子関係が悪くなり、問題行動はなくならない。そして、体罰が繰り返されるという循環だ。

 これを避けるためには、「分かりやすく話し、納得させること」ということだが、 相手は子ども。実際は、大変に難しい。これは「言葉」が大切な政治家にも通じる。 だが、最近は納得させるような丁寧な説明がなく、逆に、言葉が軽くなっている 。

 永田町では次期首相を事実上決める民主党代表選の真っ最中。先日の日本記者 クラ ブ主催の公開討論会は、まさに国民にとって、「分かりにくく、納得できなかった」 のではないか。  

 菅首相は小沢前幹事長を攻撃。まるで与野党の党首討論のようだった。「お金にまみれた政治文化を変えなければいけない」と語ったが、その人を代表、幹事長と担いで「トロイカ体制」といって手を組んでいたのは首相自身ではなかったか。  

 また「やるべき政策課題」として雇用を連発するが、具体的にどうするのか、 まったく語っていなかった。これでは「納得しろ」といわれても無理がある。  

 一方の小沢氏も「政治とカネ」について、「一年有余の強制捜査の中で実質的な不正、犯罪はなかったと結論を得ている」と強弁。だが、捜査内容は検察しか分か らな い。国民は土地取引の4億円の出所や政治資金収支報告書の虚偽記載がなぜ行わ れた かなど、さまざまな疑問点が残る。それに対して「納得させる」説明になっていなかった。  

 「普天間問題」もそうだ。「3人集まれば文殊の知恵ということがある」といい、 国外・沖縄県外移設ができるような言い回しをした。だが、政権交代後、民主党はその「文殊の知恵」を出してこなかった。  


  国民が納得できず置き去りにされたまま、次期首相が決定し、政治が動く。ある意味で「児童虐待のサイクル」に似て、国民は政治から〝虐待〟を受けようとしている。