高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

あまりに軽い首相発言

2009-12-23 22:23:14 | 活動徒然
言葉があまりにも軽すぎる。鳩山首相のことだ。国のリーダーに失礼とは思ったが、そう言わざるをえない。
 まず沖縄・普天間基地問題。衆院選の真っただ中に開催された党首討論で、普天間基地の移設について、首相は「国外か、(沖縄)県外」と主張していた。首相就任から3カ月。沖縄県民や米国は首相の言葉に翻弄され続けた。
 11月の日米首脳会談。首相は「トラストミー」とオバマ大統領に語った。私(首相)の何を信じてくれと言いたかったのか。11月24日、タイで記者団から普天間問題を聞かれると「最後は私が決める」と大見栄を切った。今月9日にも会見で同様な発言をしている。だが、結果は「決めないこと」を「決めた」だけだった。
 次に首相の偽装献金疑惑。平成14年3月のことだ。自民党の加藤紘一元幹事長の秘書による脱税事件について、夕刊フジのコラムで首相は「秘書の罪は国会議員の罪」と断罪していた。今回の献金疑惑について、秘書が在宅起訴されても自らは上申書を東京地検特捜部に提出して逃げきろうとしているとの報道もある。今後、政治資金規正法違反事件が起きたら、疑惑をもたれた政治家は「私は知りませんでした」との上申書で済まそうとするだろう。
 まだある。天皇陛下と中国・習近平国家副主席の特例会見問題だ。
 この問題がクローズアップされた今月11日の会見で首相は、「1カ月を数日切れば杓子定規で駄目だというのは、国際親善の意味で正しいことなのか」と述べた。
 だが、外務省から宮内庁へ会見要請があったのは先月26日。数日どころか、「1か月ルール」に照らし11日もオーバーしていた。今後、他国から同じような要請があった場合はどうするのか。ルールは杓子定規に意味がある。首相は「ちょっとくらいルールを破ってもいいのでは」との感覚があるのだろうか。
 特例会見問題では民主党の小沢幹事長が、宮内庁長官の発言に反発していた。
 政治家が信念に基づき発言することは大切だ。だが、小沢氏は「天皇陛下ご自身に聞いてみたら、必ず『それは手違いで遅れたかもしれないけれども、会いましょう』とおっしゃると思う」と〝陛下のご心中〟まで語った。
 首相の言葉に「軽さ」を感じる一方、小沢氏の言葉には権力を背景とした「傲慢さ」を感じた人も多かったのではないか。

月50万円の子ども手当

2009-12-08 22:24:24 | 活動徒然
 それにしてもすごい。鳩山首相の虚偽献金疑惑のことだ。
 連日のマスコミ報道によると、母親から毎月1500万円。5年間で9億円もの資金が提供されたという。庶民の生活とケタが違う。
 総選挙前の6月に政治資金収支報告書に死亡した人から寄付を受けたと記載した「故人献金」が問題になった。その後、その資金は鳩山首相の個人資産から捻出されたとしていたが、ここにきて、母親からの資金提供ということが報道された。
 先月4日の衆院予算委員会で、母親からの資金が原資ではないかと追求されると、「無いと信じている」と答えた。
 しかし、この答弁にもクエスチョンが付きはじめた。
 毎月1500万円、5年間で9億という巨額なお金が流れても、秘書だけが知っていて、自分は知らなかったというのだろうか。
 世の中は今、デフレと円高が直撃。ボーナスはカットされたり、中にはボーナス自体が無い人もいる。景気・雇用の問題は深刻さを加え、師走に入り、生活への不安は募っている。
 ある週刊誌の見出しに「〝脱税〟首相夫妻は『外食&外遊』ザンマイ」と書かれていた。
 一方で親から毎月1500万円を提供されている人は、生活の不安について理解できるのだろうかと思ってしまう。
 菅副総理兼経済財政担当相がデフレ宣言したのは先月20日。政府・与党が○日、第2次補正予算に盛り込む追加経済対策を発表した。その間○○日。あまりにも手の打ち方が遅すぎる。デフレ宣言は何のためにしたのか。普通、デフレ宣言をする場合、「だからこのような対策を行う」と発表する。宣言だけでは不安をあおるだけになってしまう。
 一年前のリーマン・ショックを思い出した。「百年に一度」といわれた金融危機に、当時の麻生内閣は「解散」より「経済対策」を優先した。
 解散が先送りされた直後に出演したテレビ討論。控室で民主党の議員が私に言った。
 「解散が先送りされて良かった」
私は耳を疑い、問い返した。
 「あれ、民主党は解散したかったんじゃないの」
 「小沢(代表・当時)は金融が分からない。鳩山も菅も分からない。もし政権交代したら、日本が大変になる。ここは金融危機が落ち着いてから、政権交代した方がいいと思う」
私は目が点になった。一年後の今、経済がどこに向かおうとしているか、多くの国民が不安を抱いている。