高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

ドクターヘリ予算を削った民主党

2009-11-24 17:26:30 | 活動徒然
 「公明党さんが言っておられるドクターヘリ。これらの予算は道路をつくるよりかなり安く済みますよ」
 衆議院の第18委員室。18日に開かれた衆院国土交通委員会の前原国交相の答弁だ。
 鳥取選出の自民党議員が、道路整備の必要性を訴えて、「命の道」という言葉を発した。その後の答弁で「命の道」と言うなら道路整備よりドクターヘリが大事だと冒頭の発言があった。
 私は耳を疑うとともに、「ドクターヘリの予算を民主党は削ったぞー」と野次を飛ばした。前原国交相はその野次にキョトンとした顔をした。
 公明党は与党時代、ドクターヘリを提唱し、法律を作って全国配備を推進してきた。今年6月の補正予算では地域医療臨時特例交付金3千億円を計上。それぞれの地域で医療体制の拡充を図ることになっていた。
 ところが、鳩山内閣の発足直後、補正予算の2兆9千億円の執行停止を決めたが、その中にこの特例交付金が含まれていた。その結果、この交付金でドクターヘリの配備を計画していた北海道、秋田、三重、徳島、岐阜、宮崎では、大変な混乱が生じている。
 大臣として答弁するなら、現状についてしっかり認識をしてもらいたいものだ。
 また、同委員会で私も質問に立ち、高速道路料金の無料化について尋ねた。
 実は今年の5月、週刊東洋経済のインタビューに前原国交相はこう答えていた。
 「私自身は無料化に反対だ。料金を半分とか三分の一にするのはいいが、受益者負担で債務を返済していく仕組みを壊すのはよくない。(中略)私は党代表の時代から無料化はいい案だと思っておらず、見直しを進めようとした」
 この記事について、前原国交相は、「そういう考え方を持っていた」と認めたうえで、社会実験をして国民に理解してもらうと答弁した。無料化はよくないけどやるのか、無料化はいいのか、本心については明らかにしなかった。
 公になった自らの言葉は否定しようがない。さらに社民党のマニフェストでは無料化に対して「問題がある」と記している。社民党出身の辻元副国交相も質問した。すると「社民党は非常に慎重な立場です」
 野党時代は責任もなく自由に発言していたようだが、政治家にとって「言葉は命」。そこには与党も野党もないはずだ。


天皇陛下在位20年

2009-11-10 22:26:47 | 活動徒然
 天皇陛下在位20年の記念式典が12日、東京・千代田区の国立劇場で開催される。
 元号が「昭和」から「平成」に変わって20年が過ぎ去ったわけだ。当時はまだ新聞記者だった。ベルリンの壁が崩れたのが20年前の11月9日。バブル経済も最盛期であった。
 俳優の松田優作が亡くなったのもこの年だ。没後20年が過ぎ、映像がテレビで映し出されると、懐かしく感じる世代も多いのではないか。
 「10年ひと昔」というが、20年となると〝歴史〟になってしまう。先日も若い新聞記者と話していたら、「平成になった時は小学生でした」との言葉に、「自分も古い人になってしまったか」と痛感した。
 平成になった頃、政治の世界は「リクルート事件」で揺れていた。私も社会部記者として、何度も国会に足を運んで取材をした。
 この事件をきっかけに、選挙制度改革を軸にした〝政治改革〟のうねりが高まっていった。竹下、宇野、海部、宮沢と次々に内閣が変わり、平成5年の夏には、非自民の細川内閣が発足した。
 私もこの夏の衆院選で政治の世界に飛び込んだ。自民党が昭和30年の保守合同以来、初めて野党に転じたのもこの時だ。政権交代の立役者は自民党を飛び出した小沢一郎・現民主党幹事長。当時、新生党の代表幹事として、公明党の市川雄一書記長とのコンビは〝一・一ライン〟と呼ばれ、内閣とは別の所に権力の所在があるといわれた。非自民政権がわずか10ヶ月で崩れたのは、小沢氏の強引な政権運営が大きな要因と指摘されている。
 鳩山内閣がスタートして50日が過ぎた。しかし、細川・羽田内閣の時のように小沢氏の〝二重権力〟が再び復活するのではと、危惧する声も多い。
 鳩山内閣の目玉の一つの行政刷新会議。鳩山首相自ら「必殺仕分け人」と宣揚したメンバーが、1日にして〝仕分け〟されてしまった。
 人事権は鳩山首相にあるのか、それとも小沢幹事長か。
 20年前、小沢氏は自民党の幹事長だった。
 当時は携帯やネット、メールは普及していなかった。記者はまだポケベルの時代。20年たって時代は大きく変わったようだが、小沢幹事長の手法は変わってないようだ。