高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

「貸しネクタイ」を5本

2007-06-18 22:39:23 | 活動徒然
 6月に入り、衣更えのシーズンとなった。地球温暖化の対策としてのクールビズも、スタートして3年目を迎えた。
 通勤電車の中も、オフィス街もノーネクタイ姿が目立つ。中には律儀にスーツにネクタイをビシッと締めたサラリーマンも居るが、汗っかき、暑がりの私からすれば、「よく我慢できるなあ」と感心する。
 そもそも湿度の高い日本の夏。しかし、サラリーマンは汗を流しながら、ネクタイ、スーツ姿で頑張っていた。2年前の夏、クールビズが導入された直後の解散で行われた「郵政選挙」。私はクールビズで選挙戦を通した。
 3年目に入ったクーズビズもだいぶ定着した感がある。国会も6月1日からクールビズがスタートし、議員も官僚もノーネクタイ姿で歩いている。
 だが、衆議院本会議場だけは、上着、ネクタイ着用が義務付けられている。つまり、クールビズが一ヵ所だけ認められていない。ちなみに参議院の本会議場はクールビズ0Kという。
 クールビズ期間の6月から9月まで、国会内は空調が28度で設定しているが、衆議院本会議場は25度になっている。これは河野洋平・衆院議長の意向で、本会議場は品位を重んじなければならないらしい。
 「参議院は0Kで、なんで衆議院はダメなんだ」と思っている衆議院議員は私だけではあるまい。衆議院の本会議は通常、火、木、金の午後1時から。午前中は委員会の審議などがあり、ノーネクタイですごし、本会議場に向かう前にネクタイを締める。
 先日も、ギリギリで本会議に駆けつけた同僚の議員が、ノーネクタイで議場に入ろうとしたら、衛視(国会内の警備をする人)に止められた。胸の内ポケットからネクタイを取り出し、あわてて締めていたが、中にはネクタイを、国会裏の議員会館まで取りに帰る人もいる。
 公明党では、国会内の控室(国会対策委員会の部屋)に「貸しネクタイ」を5本用意。ネクタイを忘れてしまった人は利用している。
 冷房の温度設定を28度にして、地球温暖化に貢献しようというクールビズ。だが、国会のど真ん中だけ25度というのは、国民の目から見たらどうか。「品位」は大切だが、ネクタイ、上着を着用しても「品位」のない人はいる。
 年金の記録漏れ問題など、終盤国会はヒートアップしている。本会議場も、クールビズにして、〝冷静な〟議論をすることも必要ではないか。

教科書無料、今春から中3まで!!

2007-06-04 22:41:21 | 活動徒然
 私の手元に古ぼけた一枚のビラがある。
 A4の大きさで、バックの黄色の地が薄くなって白っぽい。中央上側に横書きで「教科書無料、今春から中3まで!!」「公明党14年間の主張、遂に実現!!」と大きな見出し。その左側には、おかっぱ頭の小学生の女の子が笑っている。
 昭和44年に公明党が作成したビラだ。このビラが昨年夏、文部科学省のファイルから出てきた。平成19年度予算案の概算要求の時期。太田昭宏代表(当時・幹事長代行)が文科省に足を運び、予算の要望を聞いていた。
 その時、官僚の一人が大きなファイルから、ビラを抜き出した。
 「教科書無償化を実現したのは公明党ですよね」と、官僚は太田代表に訴えた。というのも、財務省では歳出削減の観点から、教科書無償を廃止しようとの動きがあった。
 ビラにも書かれたように、公明党が国政に初進出したのが昭和31年(参院選に無所属で3人当選)。その時から義務教育の教科書無償化を訴えていた。今ではあたりまえの制度だが、当時は教科書は自ら買うものだった。中には経済的に厳しく、教科書を買えない子もいたという。
「義務教育なのにおかしい」と公明は主張。しかし、財務当局の壁は厚かった。
 そして、主張しはじめてから14年。ようやく政策が実現した。当時、公明党は野党だった。
 ビラの左隅にはこうも書いてある。「教育費をたすける児童手当実現もあと一歩です!」
 児童手当も昭和42年、地方自治体からスタート。このビラの当時は105団体が実施していたが、国の制度にはなっていなかった。粘り強く公明党は動き、ビラから3年後の昭和47年、国の制度として発足。だが対象は第3子以降で、5歳未満で月額5千円だった。
 公明党が与党入りしてから8年。その間、この児童手当も4回にわたり拡充された。今では小学6年生まで、第1子、第2子は月額5千円(3歳までは1万円)。第3子以降は月額1万円が支給されるまでになった。
 政党は政策を実現するのが仕事だ。選挙になると、各党は公約を発表する。2年前の衆院選で「年金消費税3%」と主張していた党が、今回の参院選を前に、その年金消費税を引っ込めてしまった。
「野党だから(政策実現が)できない」と言うかもしれない。だが、政策の実現は冒頭のビラではないが、10年以上かかることもある。読者の皆さんはしっかり吟味していただきたい。