高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

野田首相の自らの言葉に責任もて

2012-01-24 13:13:14 | 活動徒然
 民主党のブーメランがまた明らかになった。

 今度は野田首相だ。2009年の衆院選。大阪の選挙区の応援に入った野田首相の街頭演説の模様がユーチューブで流され話題になっている。

 「マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールなんです」

 「消費税5%分のみなさんの税金に、天下り法人がぶら下がっている。シロアリがたかっているんです。(中略)シロアリを退治して、天下り法人なくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです」

 少し引用が長くなってしまったが、読者も開いた口が塞がらないだろう。野田内閣は通常国会で、消費税増税の法案を出そうとしている。そのために今年初め、「社会保障と税の一体改革」と称して、政府・民主党としてその素案をまとめた。

 だが、政権交代から2年半。有権者の前で訴えた言葉はどうなってしまったのか。当時の自公政権に対する批判とはいえ、野田首相の言葉がブーメランのように戻ってきている。

 民主党はこれまでも党幹部のブーメラン発言が話題となってきた。

 有名なのは04年。小泉内閣の3閣僚の年金未納問題に対して、「未納3兄弟って言うんですよ」と発言した菅前首相。その後、自分も未納疑惑が発覚し、党代表を辞任した。

 鳩山元首相も03年、「秘書が犯した罪は政治家が罪を受けるべきなのです」と、メールマガジンで書いている。ところが、政治資金規正法違反で自らの秘書が有罪判決を受けても、秘書のやったこととして「罰」を受けることはなかった。

 今回の野田発言は、国民生活に直結する消費税問題に絡むことなので、さらに深刻だ。

 マニフェストについてもそうである。民主党のマニフェストに書いてあったことはどれだけ達成されたのか。消費税増税はマニフェストに書いてなかったはずだ。

 今回の消費税増税は野田首相の言った「ルール」を自ら破っていることにならないのか。

 国民は政治家の言葉を信用しなくなっている。これは民主主義にとっては大変な危機だ。

 今日から始まった通常国会。首相は自らの言葉にどう責任をもつのか。あいまいなのは言い訳で終始すれば、国民は野田内閣を見放すだろう。

国政の「五十肩」は許されない

2012-01-11 15:16:26 | 活動徒然
 「いっ痛!」

 右肩に鈍痛を感じた。少しでも腕を動かそうとすると、ビリビリッと痛みが走る。昨年12月30日の朝のことだった。

 痛みは次第に鋭くなり、その日の夜は寝返りをうつこともできず、何もしなくてもズキッ、ズキッ、と激痛が襲ってきた。

 いよいよ「五十肩」がやってきたのだ。実際の年齢も52歳だから、別におかしな話ではない。と、冷静に書いているが、その時はそんなものではなかった。

 しばらくは湿布を張ってしのいでいたが、痛みを抱えたまま新年を迎えた。

 2日午前には新宿駅西口で、恒例の公明党・新春街頭演説会。山口代表、太田・党全国代表者会議議長(前代表)らと共にマイクを握るのだが、何しろ右手が動かない。仕方なく左手でマイクを持ち何とか話した。毎年、寒さで凍えるが今年は痛みの方に気をとられて、この日は寒さをあまり感じなかった。

 公明新聞に演説会の写真を載せることから、山口代表の演説の時、街宣車の上に乗っている議員は手を振ってもらいたいとの要請。私は左手しか上がらない。隣にいた同僚議員2人も私に合わせて左手を振ってくれた。

 演説会が終わって、「五十肩」の先輩である太田議長が「陽ちゃん、肩を温めることだよ」とアドバイス。でも、「自然に治るのを待つしかないよ」とも。

 困ったのは食事。左手に箸を持つが、茶わんを持てない。服を着るときも妻に手伝ってもらう。「何か要介護者みたいね」と妻。「近い将来、こんな感じで世話されるのかな」と私。

 1週間ほどして、痛みもおさまり、腕もだいぶ上がるようになってホッとした。「五十肩」の原因はよく分からない。ただ肩関節は人体の中でも可動域が最も広い関節だけに構造は複雑なようだ。

 年が明けて、いよいよ通常国会がスタートするが、国政の方も課題が複雑になって、硬直化している。社会保障と税の一体改革の素案を政府・民主党は一応まとめたが、与野党協議の見通しは不透明だ。

 「五十肩」は自然に治すしかないが、国政はそうはいかない。ただ、野田首相は消費税増税に「不退転の決意」で臨んでいる。

 「五十肩」も無理して動かすと悪化してしまうが、国政も力技だけでは動かない。ツボを押さえないと政治は固まったままになってしまう。