高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

心を傷つけ、悲しみを与える菅首相

2011-04-19 17:05:31 | 活動徒然
 言葉は人に勇気と希望を与える。一方で言葉は人を傷つけ、悲しみを与える時もある。

 震災後、自宅で妻が「これ読んだ?」とノートに貼った新聞記事を見せることがある。悲しく辛い震災だが、その中でも明るい希望あふれるエピソードも数多くある。それらのいい話を妻がスクラップしている。

 岩手・大槌町の避難所に張り出された「スマイル」というタイトルのメッセージボード。「大(槌)小6年 松橋瑞季より 今みんなができること。1.明るくあいさつ。2.進んで仕事を見つけること。3.元気に遊ぶこと。4.手洗い・うがい・健康第一!!」。拡声器で読み上げられ、場内に拍手と歓声が広がったという。

 ツイッターから紹介されたエピソードも。「子供がお菓子を持ってレジに並んでいた。順番が近くなり、レジを見て考え込み、レジ横にあった募金箱にお金を入れて、お菓子を棚に戻して出て行った。店員さんはその子供の背中に向けてかけた『ありがとうございます』という声が震えていた」

 東京消防庁による福島原発への放水。総隊長の記者会見で妻とのメールが明らかにされた。

「これから福島原発に出動する」「日本の救世主になってください」。

 言葉は「言霊(ことだま)」とも呼び、先人はそこに込める思いを大切にした。現代でも言葉の魂は生きている。それは発する人の生き様でもあるからだ。

 特にその生き様がダイレクトに言葉に表われるのが天皇、皇后両陛下ではないだろうか。両陛下は東京・足立区、埼玉・加須市の避難所に続いて千葉県旭市を見舞われた。

 避難所でひざまずき、一人一人に「大丈夫ですか」「お体は」と声をかけられる。その一語一語に避難された人は勇気づけられたはずだ。

 一方、言葉によって心を傷つけ、悲しみを与えたのが菅首相だ。松本健一内閣官房参与との会談で、福島原発周辺に「10年、20年住めない」との発言が波紋を呼んだ。どれだけ当事者である住民を悲しませたか。

 菅首相は発言を否定したが、2人だけの会談で一度出てしまった発言の影響は消せない。これまでも「東日本がつぶれることも想定しなければならない」と発言し、批判を浴びた。そこには、今も苦しんでいる人々に対する思いやりや優しさが感じることができない。

 陛下とまでは言わない。一国のリーダーに失礼だが、レジの前でお菓子を我慢して募金に協力した子供に学んでもらいたい。それができなければ即刻お辞めになった方がいい。


くだらない政局の駆け引きはいらない 一日も早い「安心、希望」を

2011-04-07 09:24:35 | 活動徒然
 文章が書けない。言葉がなかなか浮かんでこない。
 
 東日本大震災が発生して3週間以上が過ぎた。当初、テレビや新聞、雑誌などのメディアは震災しか報道しなかったが、最近は違うニュースや番組も増えてきた。
 
 被災地ではまだ多くの方が避難所生活を余儀なくされている。肉親を失い、家が流されても懸命に生きている。
 
 原発問題も連日の報道で不安を増幅している方も多いと思う。
 
 新聞記者時代、事故や事件を取材して記事を書いた。当事者の悲しみや苦しみは本当は分からないかもしれない。だが、その気持ちを何とか記事にしようともがいたことが何度もあった。
 
 多くの国民が今回の震災の被害の凄まじさに声を失った。だが、その多くの国民は被災された方々に思いを寄せ、何とか応援したいという気持ちを持っている。義援金をカンパし、計画停電にもじっと耐えている。
 
 そのような中、「日本を信じよう」と特集を組んだ週刊誌があった。いつもは政治に対する批判やスキャンダルが多い雑誌の中にあって、新聞の記事下の広告に載った「日本を信じよう」という文字に勇気をもらった気がした人も多かったのではないか。
 
 「こんな時だからこそ、自分たちの力を信じよう。
こんな時だからこそ、希望を持って前を向こう。
こんな時だからこそ、他人のためにも働こう」特集の冒頭に書かれていた。
 
 震災時、都内の飲食店でアルバイトをしていた女子大生が翌日、ツイッターに書き込んだエピソードも紹介されていた。
 
 満席だった飲食店。地震で客が一時、外に避難してもらったが、地震が落ちついてから、多くの客が料金を払いに戻ってきた。戻ってこなかった客も翌日、店にきて払ってくれたという。その女子大生は最後にツイッターでつぶやいた。「日本ていい国」
 
 原発で今も戦っている東電関係者をはじめ自衛隊員や消防、警察関係者。自ら被災しながらも被災者支援をする自治体関係者や医療・介護の従事者。被災地区ではないが被災者の方々への「何とかしたい」という思いを持った多くの人々。
 
 今、政治に求められているのは、くだらない政局の駆け引きなんかじゃない。一日も早く日本人に「安心」を持ってもらい、復興への「希望」を持ってもらえるようにすることだ。