高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

菅政権で国民の夢も紙切れか

2010-12-21 17:15:21 | 活動徒然
年末ジャンボの季節

 師走のこの時期、風物詩の一つに「年末ジャンボ宝くじ」がある。
1等2億円。前後賞も合わせると3億円。暗い世相の中、この「年末ジャンボ」に夢を託している人も多いのではないか。実はわが家も妻が毎年、キチンと買っている。だが、まだ1等は当たったことがない。しかし、「買わなきゃ当たらない」と私は妻を励まし(?)、購入を続けている。

 11月末の発売初日のニュースで、必ず放映されるのが東京・中央区の西銀座チャンスセンターだ。最も多くの「年末ジャンボ」1等を出す売り場で、行列が絶えない。特に1番窓口の人気は凄まじく、1時間以上並ぶことも珍しくないという。

 昨年の12月もあと数日となった日だった。JR有楽町駅の近くでの仕事を終え、チャンスセンターの前を通った。行列がほとんどできてない。一度はこの人気窓口で買ってやろうと思っていただけに、「ラッキー!」と心を躍らせながら窓口に向った。

 「やはり、2億円より前後賞合わせた3億円だよな。そのためにはバラで買うより“連番”だよな」と財布から3000円を取り出した。

 「連番で10枚!」と威勢よく窓口で私。

 「あのー、ジャンボは昨日で終ってしまったんですけど、いいですか」と売り場のおばさんの返事。

 「えッ。昨日で終了…」

 そうだよな。チャンスセンターがこんなにすいているわけないよな…と妙に納得をした。

 「今日から発売の宝くじもありますが、どうします?」

 普通の宝くじを買ってもな。やはり年末ジャンボでないと、などと自分に言いきかせ3000円を財布に戻した。

 年末ジャンボを買うと、大みそかまでの期間、「当たったらどうしようか」と多くの人が夢を見ることができる。

 一方、政府・民主党は今、夢どころか現実の世界の中、来年度の予算編成と「小沢問題」で七転八倒をしている。

 先週末、政府は予算の収入部分にあたる来年度税制改正大綱を閣議決定した。「企業に減税、家計に増税」という内容。各マスコミも「理念なき税制改正」「選挙を意識した目先の思惑」などと厳しい論調を展開している。

 「国民の生活が第一」と訴え、国民に“夢”を与え政権交代した民主党政権。大みそかの抽選で多くの「宝くじ」がただの紙切れになるのと同じように、年末の予算案決定で国民の“夢”は散りそうだ。

賞味期限切れの菅内閣

2010-12-08 10:50:40 | 活動徒然
 「民主党の作戦?。次から次へと問題を起こして、逆に追及できなくしてるんじゃない」

 今年、20歳になった大学生の長男が私に質問してきた。

 「う~ん。それが作戦だったら、高等戦術だな」

 民主党代表選で菅首相が再選し、内閣改造してスタートした臨時国会が3日、閉会した。64日間の会期を振り返ってみると、冒頭の長男の言葉も「なるほど」と思ってしまうほどだった。

 まず臨時国会の初めに問題となったのは「尖閣問題」。公務執行妨害容疑で逮捕した中国人船長を釈放したものの、それは検察の判断と仙谷官房長官は主張。その後、中国漁船の衝突ビデオを非公開としながら、そのビデオがネット上に流出するという失態。

 日中関係がギクシャクしている間に、今度はロシア大統領が北方領土の国後島を訪問。菅内閣の外交上の対応のまずさを露呈した。

 さらにAPECでは、中国の胡錦濤国家主席との会談に固執した菅首相。ようやく実現した会談ではメモを見ながら話し、「この国の外交は大丈夫か」という印象を多くの国民が持ってしまった。

 北朝鮮の砲撃事件では発生直後に官邸に政治家が居なかった。この〝空白の70分〟を野党から追及され、内閣の危機管理に不安が募った。

 柳田前法相の失言にもあきれてしまう。実質的な更迭で決着をみたが、仙谷官房長官の自衛隊に対する「暴力装置」発言など、言葉に対する緊張感に欠ける政府・与党。

 国会終盤では、国会開設120周年式典における、中井衆院予算委員長の秋篠宮ご夫妻に対する野次(?)問題も起きた。

「政治とカネ」に目を転じると、企業団体献金の禁止をマニフェストに掲げた民主党だったが、自粛を解禁。「クリーンな民主党」はどこへ行ってしまったか。さらに小沢元代表の国会召致問題も棚ざらしにしたまま国会は閉会した。

 それらの結果、内閣支持率は急降下をたどり、マスコミ各社の調査は軒並み「危険水域」の20%台になってしまった。

 ―国民も「こんなはずでは・・・」―

「こんなはずじゃなかった」

 昨年の衆院選で民主党に投票した多くの有権者はそう思っているかもしれない。
 
 これから年末にかけての来年度予算案の編成作業が行われる。既に〝迷走〟しているようだが、政府・与党のミスはそのまま国民生活に影響するという自覚がなさすぎる。

 菅内閣もそろそろ賞味期限が切れてきたかもしれない。