高木陽介「奔馳不息(ほんちふそく)」

衆議院議員 高木陽介のブログ

大本営発表と「あたご」

2008-02-25 23:17:45 | 活動徒然
 日本人の生命を守る船が、その日本の漁船を「沈め」てしまった。乗組員の2人は一週間たった今も行方不明だ。
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故。まだ真相ははっきりしていない。しかし、事故が発生してからこれまでの報道をみると、どうも首を傾げざるをえない。それは防衛省の対応だ。
 事故発生したのが19日午前4時7分。石破防衛相に一報が入るまで1時間半かかった。その日のうちに防衛相は緊急連絡体制の改善を指示したが、なぜ遅くなったのか。情報が護衛艦隊司令部、海上幕僚監部、内局・運用企画局と伝達されていく途中で何が手間取ったのか。防衛省は明らかにしていない。
 さらにおかしいと思うのは、防衛省の発表する情報が次々に変わる、もしくは小出しということだ。
 「あたご」が「清徳丸」の灯火を確認したのは衝突2分前と当初発表した。しかし翌日には衝突12分前に確認していたことが明かされる。しかも確認した灯火の色も右舷の「緑」から左舷の「赤」に変わった。
 海上自衛隊の幹部が「訂正というより、新たな情報が加わった」と釈明したとの報道もあった。
 一方、「清徳丸」が所属していた漁協では、事故当時に現場海域にいた漁船の船長らが会見。各船のGPS(衛星利用測位システム)に残る航跡などを基に、衝突前後の模様を語った。
 海上保安庁が業務上過失往来危険容疑で「あたご」の乗員に事情を聞いている。その一方で、防衛省としても調査をしているはずだ。
 ちなみに「あたご」の建造費は約1400億円。行方不明の2人を捜索にあたり、捜査をしている海上保安庁の年間の予算が1800億円。これは1万2000人の海上保安官の人件費も含まれている。
 イージス艦の存在を否定するつもりはない。だが、それは日本の安全保障のためであり、漁船と衝突させるためではない。
 事故当時、「あたご」には10人の見張りがいたという。その10人が、どのように漁船を見たのか。そしてどのように対応したのか。多くの国民は防衛省に不信感を抱いている。小さなウソをつくと、その後もウソの上塗りをせざるをえなくなるが、最後はそれがバレる。
 太平洋戦争の時、「大本営発表」ということで国民に真実を伝えなかった。その結果、日本は敗れた。防衛省にとって不利なことでも、積極的に情報を開示していく。それが、防衛省の信頼を回復する第一歩になる。

テレビの討論番組に出てみた

2008-02-12 23:16:19 | 永田町からのEメール
 党の広報室長という立場上、テレビの討論番組に出る機会がある。
 放送された後、メール、電話、FAXなどが事務所に寄せられる。中には党本部経由で届くものもある。
 励ましの内容もあるが、大半はお叱り、ご批判の内容。反省することしきりである。
 日曜朝の3番組(報道2001、日曜討論、サンデープロジェクト)は生放送のため、話したものはそのまま放映される。しかし、月曜夜の「たけしのTVタックル」(テレビ朝日系)は収録番組だ。この番組はだいたい2日前の土曜の午後に2時間収録する。番組自体は1時間ものだが、CMなどが入るため、実質は40分程度。つまり3分の2はカットされている。
 これまでも、党の政策や考え方を述べてもバッサリ切られたことが何度もある。逆に、放送されたものを見ると、「ハマコー」こと浜田幸一さんなどとバトルをした時や、党の考え方からハミ出して発言をしている場面は、残されている。
 実はテレビ局にはニュースなどを扱う報道局と、ワイドショーやバラエティ番組を扱う編成・製作局(テレビ局によって呼称は違うが)に分かれている。
 「TVタックル」や日本テレビ系の「太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中」(これも収録番組)などは、いわゆるバラエティ系だ。しかし、最近は報道局が扱う番組もワイドショー化している。
 ちなみにTBS系の月曜から金曜朝の「みのもんたの朝スバッ」はワイドショー系。ところが土曜の「サタデーずばッと」は報道局が扱っている。
 「何でもっと反論しないんだ」といったご批判をよくいただくが、反論していてもそこがカットされていることも知っていただきたい。
 しかし、生放送はまさに言ったもの勝ち。ただし、1人で2分、3分話すことは無理。だいたい1分以内で言いたいことを言わなければ、司会役に遮られてしまう。
 テレビは影響力が大きい。だからこそ、党の主張を簡潔、そしてわかりやすく伝えられるように努力していきたい。