その名も、まめちゃん。-虹色流星号-

日本一ダメダメ男、まめぞの日記。
...今日もトホホな一日を過ごしました。
 *旧「その名も、たぁちゃん」

入院日記40-5-2

2009-07-19 20:41:09 | その名も、たぁちゃん。
潰瘍性大腸炎で入院40日目第5-2話(7/6)

-パブロフの犬編-


-食べれない給食-

もともと体が小さく食が細かった彼女(妹)は、給食を食べきることができなかった。

-食わされる給食-

絶対政権を思うがままに行使する担任は、給食を残すことを許さなかった。

給食の時間が終わりお昼休みが来ても、食べ終わるまでは遊ぶことはもちろん、席を立つことが許されなかった。
さらに5時限目の授業が始まっても給食を片付けることが許されず、そのまま放課後まで居残りを強要された。

「おかしいんじゃないの?」と毎日イヤミを言われ続けという。

これは彼女だけではなかったが、食べれない子は徐々に減っていった。


-パブロフの犬-

小学2年なったが、担任は変わらずで、毎日同じ苦痛を味わうことになった。

担任が出張の時は給食を食べることが出来た。それが他の子から担任の耳に入ると、更なる反感と仕打ちが待っていた。

次第に彼女の体に異変が起こり始めた。給食の時間になるとかかる校内放送を聞くと、吐き気を催すようになった。

《パブロフの犬》と言われる典型的な精神病だ。

それが次第に悪化し、毎日給食の時間になるとトイレで吐くのが習慣になった。

担任にバレれば恐ろしい仕打ちが待っている。他の生徒にバレても担任に告げ口されてしまう。

だから、給食の時間の前に、誰にも言わず、こっそりと、毎日、毎日、吐き続けた。
もちろん、こうして吐いた後に給食を食べれるハズはない。

「この子はどうしようもないダメな子」と烙印が押され、担任には給食時以外にも相手にされなくなったという。

まだ低学年な彼女は、誰にも相談できない。

「怒られるから…」
「怖いから…」

まだ小さな心の内に、全てを閉じ込めたのだ。

【つづく】

入院日記40-5-1

2009-07-19 18:03:59 | その名も、たぁちゃん。
潰瘍性大腸炎で入院40日目第5-1話(7/6)

-精神病と時代編-

ここからは「入院日記40-5」を幾つかに区切って、妹の精神病について聞いた話を書いていきたいと思う。

ここに書いた話は、どれも初めて聞いた話だ。

僕は大学のために、千葉で独り暮らしをするまで妹と一緒にいたはずなのだが、会話なんてしなかったからだ。

*ここからは「妹」を「彼女」と表記する


-精神病と時代-

妹が精神病になったのは、さかのぼること20年前。小学校一年生の時だったと言う。
その当時、「精神病」や「心理学」なんて言葉はなかった。あるにはあったけれど、研究が進んでいなかったし、心理学がもてはやされたのは僕が大学受験の頃だから、10年前くらいだろうか。

今でこそ、当たり前のように聞き、誰でも多少の知識を持っているが、時代が違うのである。

「精神病」を誰も知らないのだから、「精神病」にかかっているなんて、誰にもわからないのである。

「原因不明の不治の病」と称されるならまだいい。精神病は単なる「気のせい」ですまされる時代だ。


-教師の絶対政権-

もうひとつ、20年前の《時代》を説明しなければならない。

当時の教師は絶対的な強さを持っていた。悪いことをすれば酷い言葉で怒鳴り、ビンタは当たり前、鉄拳や飛び蹴りだって日常茶飯事だった。

今では大問題になるような「体罰」が「教育」だったのだ。

これは、教師にとっても、生徒にとっても、親にとっても当たり前の「教育」で、異を唱えるものは誰もいなかった。

「悪い子ですいません…」
「できが悪くてすいません…」

20年前はこんな時代。

つまり、精神病の存在しない教師の絶対政権の時代に、「気のせい」だと言われる不治の病に彼女はかかってしまったのである。

【つづく】

入院日記40-4

2009-07-19 16:07:25 | その名も、たぁちゃん。
潰瘍性大腸炎で入院40日目第4話(7/6)

-噂の妹編-

暗殺者かっ!!

この人の登場はいつも意表を突いてくる。

今日来ることを知っていたのに、うっかり左目を落としてしまいそうになるほど驚いた。

うん、ダイジョーブ。左目、ハマってる。
予想を遥かに上回る早い時間に登場したのは、妹だ。


妹は現在、うつ病の治療で精神科のクリニックに通院しているらしい。その事を、昨日母親から初めて聞かされた。

帰省してきても部屋に籠っていて、大して話したこともない彼女が、見舞いに来るとやけにテンションが高い。育児ストレスで精神的に病んでいるのではと、それとなく感じていたが、まさか本当に病んでいたとは…。

「あれ!?病院に行ってたんじゃないの?」

「早い先生だとこんなもんだよ。遅い先生だと2時間待ちとか…、そうなると逆にグッタリ(笑)」


僕も鬱気質で悩みを抱えているから、いろんな事に興味があった。
どんな苦悩を抱えているのか、精神科にかかった経緯や、精神科がどんなところか。

前日から、話を聞きたくて聞きたくて仕方なかった。

でも、話してくれるだろうか。苦痛を与えてしまうのではないか。


僕は、自分自身のことを誰にも話せない性格だ。心の内、悩みなどはなおさらだ。

話すことが苦痛で仕方ないのだ。


それが、彼女は自分の精神病について、何のためらいもなく話し出した。

心の治療によって変わるのものなのだろうか。

僕は、まるで体の一部分に異変が起こってしまったときのように、前屈みで彼女の話に聞き入った。

(もちろん、妹に対して、体が♂になることなんてあり得ないが…)

*ここから、マジメで長い話が続きます。
・妹の苦悩話
・僕の苦悩話

そう、今なら、話せる。

【つづく】

入院日記40-3

2009-07-19 13:56:06 | その名も、たぁちゃん。
潰瘍性大腸炎で入院40日目第3話(7/6)

-酸っぱい大人味編-


朝食は「ロールパン2個、シーチキン、コールスローサラダ、フレンチクリーミィドレッシング(ノンオイル)、ハネーソフト」

パンかぁ…。

朝ごはん党の僕にはとても物足りない内容だ。そもそも5分粥まで上がってきたからには、食べ応えあるお粥が食べたいのが本音だ。

ハネーソフトとは、ハチミツみたいなものだ。

僕は知っている。

低脂肪食だから、他の患者には出るマーガリンが出ないのだ。

ついでに言うと、マヨネーズも僕には出ない。

本来ならツナマヨが出るはずなんだけど、僕のお皿に乗っているのは、思いっきり油を絞ったパサパサのシーチキンだ。

コールスローだってオカシイ。いや、コールスローとは言えないわけよ。フレンチドレッシングなんだから。

それにしても「クリーミィ」って(笑)

ナニをそんなにアピールしてるんだ?

白濁のクリーミィなドレッシング…。

スッパイ…大人の味?


【つづく】

入院日記40-2

2009-07-19 11:58:56 | その名も、たぁちゃん。
潰瘍性大腸炎で入院40日目第2話(7/6)

-モミモミ♪編-

希望の月曜は、まるでそれをぶち壊すかのように採血で始まる。

-朝イチの採血-

寝起きの採血では、血の巡りが悪いため、採血の時にツラい思いをすることがある。

針を刺されてから必要な量が出るまでの時間がやたら長くなったり、注射器のノズルを無理に引っ張って強引に血を抜き取られたり、それでもダメなら別の場所に注射し直されたり…。

ふぅ( ̄o ̄;)

で、その対処法として、僕なりの作戦がある。

・採血前に水分を摂っておく

単純に体内の水分が増え、血量が増える。
幸いというか、僕には朝イチ目覚めたら飲まなくてはならない薬がある。骨粗鬆症防止の薬「アクトネル」だ。飲み方がうるさくて180mlの水で飲まなければならない。これ以上水を飲んだら、間違いなくトイレに駆け込むことになる。


・モミモミ♪

体内の水分を増やしたら、血流を良くする。その為には、朝からアツくなればいいのだ。

アツくなるには、このイボイボのついたアイテム(写真)を使う。

ヾ(ФωФ)ふふふっ。

モミモミ♪

モミモミ♪

あ、いや、コイツは、決していかがわしいものでは、ない。

写真ではわかりづらいが、穴のサイズは極太である。

え~っと(汗)
じゃなくて…。

コイツは握力を鍛えるためのアイテムだ。普段使うことがないので、入院中に鍛えようと持ってきた。ただ、点滴の針が刺さっている状態で使うのは危険を伴うので、結局使っていないのだが…。

モミモミ♪

モミモミ♪

これで腕の血流が良くなって、採血もスムーズにいってくれる。

もちろん、下手な看護師が採血に回ってきた場合は、お手上げだが……。

計りしれない採血の場数を踏んでいるたぁちゃんの、大して役に立たない《知恵》である。


【つづく】

入院日記40-1

2009-07-19 09:59:43 | その名も、たぁちゃん。
潰瘍性大腸炎で入院40日目第1話(7/6)

-トイレの孤独編-

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*入院日記、再始動します。約2週間遅れの古い話になります、ご了承下さい。
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1:30

深夜のこの時間にお腹が痛くなることが多い。しかも長期戦を強いられ、痛みを伴う戦いになる。

今夜も、そうだ。
個室で、孤独な、戦い。

一段落して、再び眠りにつくも3時に目が覚める。起こされた理由がわからない。腹痛もないし、特にトイレに行きたいわけでもない。

それでベッドでグズグズしていると、グスグズがウズウズに変わってくる。行きたくないけどイきたい気もしてくる。

ウズウズ…

ウズウズ…

病室では音が響いてしまうので、使うのがためらわれる。

そんな相棒を隠し持って、
トイレに向かう。

手のひらサイズだが
《愛棒》ではない。

かといって、

ひとりぼっちの
《哀棒》でもない。


相棒:ブルブルバイブレーション機能付き携帯電話だ。

深夜、僕の落ち着く場所が《トイレ》になりつつある。

前回の入院同様、悪い兆候が出ている。それは、単刀直入に書くと《うつ》だ。


ベッドにいるよりも、トイレにいたほうがいい…。

トイレの孤独が心地よい。

結局、軽く一時間もの間、トイレの個室に籠っていた。

そのあと眠れたのは、1時間程度、トータルで、4時間弱。昼寝したわけではないのに、どうして毎日眠れないんだろう。

ただ意外にも、暴れん坊将軍大腸様は穏やかだ。深夜に一度はどぎつい重いトイレになるが、トータルで3回で済んだ。

いつか、不眠のしっぺ返しが来るような気がしてならないのだが。


今日は月曜。毎週言っているが、激動の月曜だ。何かが変わる。希望の曜日でもある。


【つづく】