活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

噂の最強ボールペン

2009-04-29 10:14:47 | Webの海
文房具が、好きである。

フェチである、という程の資格は無いが、それでも大型文房具店の
中にいる時間は、僕にとっては本屋さん、図書館にいる時と同じ
くらいに大好きである。

そもそも、文房具には、おちゃらけた要素が少ない。
全く無い訳ではないが、殆どの文具は、機能的であること、かつ
美しくあること、材質と価格のバランスを取ること、この三つを
如何にしてマージ(結合)させるかに、最大の腐心を為されている。

そのデザイナーの努力が生み出すものは、ものによっては正に
機能美、と表現するにふさわしいレベルのものが、数多存在する。

そんな文具(ステイショナリーでもいいんだけど、やはり文具、
あるいは文房具という漢字の持つ印象が好きだ)の中でも、
もっとも身近なものと言えば、やはり筆記具だろう。

ものを書く、あるいは描くという行為は、アルタミラの洞窟
壁画を例に出すまでも無く、人間にとって二次本能的なものだと
思う。それゆえ、筆記具は文具の世界で栄光たる地位を占めて
いるのである。

ちなみに、その筆記具であるが。
僕は、軽いペンはダメなのである。

しっかりとペン軸の重さを感じながら、一文字一文字筆圧をかけて
書く。

それが、僕のスタイルなのである。

それが故、お気に入りのペンは、どうしても限定される。

シャープペンシルならば、ステッドラー。
ドイツの製図用品関係を作っている会社のそれが、僕にはマスト&
ベストアイテムである。

もう20年近く愛用しているが、飽きると言うことがない。
#何度か落としてしまい、ペン先が曲がってしまったりしたが、
 何とか手作業で修正して、事なきを得ている。

万年筆は、難しい。
色々な持ち味を持つものが出ており、かつどれもが異なるベクトル
でありながらも、それぞれの目指す道でよい書き味を示してくれて
いるからである。
今の相棒は、会社のデスクにおいているパイロット君。
重要な決裁へのサインなど、自分で気合を篭める時に使っている。

そして、もっとも難しいのがボールペン。
日常で、一番多く使うものであり、それが故に種類も多い。
加えて、シャープペンのところでも少し言及したが、僕は筆圧が
強い。
ぐいぐいとペンを押し付けるように書く癖があるが、その際にも
滑るようにペンが動いてくれなければ嫌なのである。

正に、油性と水性の双方の特徴を具現化して欲しいと兼ねてから
願っていたのであるが、そうしたペンを紹介してくれているコラムに
先日行き着いた。

それが、島村由花氏の「ventus ~風のごとく~」である。


ここで紹介されていた、三菱のJET STREEM
これは、正に最強だと絶賛する氏のコラムを読んで、僕も思わず
いそいそと谷四の「イケマン」に、買出しに行ってしまった。
#大阪ローカルで、すみません。

そこで試し書きしてみて、心が、震えた。

なんなんだ!? 
この、まるで氷の上にペン先を滑らせるような、この筆致は!?
この、しっかりとした重量感溢れるボディの重さは!?
手にしっとりと馴染む、ペン軸の質感とバランス感は!?


これぞ、究極のボールペン。
気がついたときには、4軸+1(黒、赤、青、緑+シャープペンシル)
がセットになった、ジェットストリーム4+1を持って、レジに
向かっていた。

これは、これだけ多芯でありながら、そのボディはファットになって
おらず、洗練されたラインを保っていると言う、軌跡のような
ボールペンなのである。

こちらは、主に自宅でのノート書き(直接打ち込んで書ける程度の
コラムではなく、ある程度まとまった文章等を書きたい時には、
キーボードよりも、やはりノートとペンの方がいい、というのが
僕の持論なのである。紙に書いた、それだけで、情報量は画面の
フォントよりも数倍に膨れ上がるため、後から読み返すにも良し。
俯瞰的に見るのも良しと、いいこと尽くめなのである)に使用
しているが、本当に満足している。

いい出会いをもたらしてくれた、島村氏のコラムに感謝、である。

なお、最近のページ「文具と機密」を読んで、思わず苦笑して
しまった。

同じような軌跡を辿って、今、我が家にもシュレッダー鋏と消しポンが
鎮座しているためである。

この消しポン、実に良くできたアイテムで、しかも押すのが癖になる。
気がつくと、どこかに不要な個人情報は無いか?と探してしまい、
見つけるや否やポン!

見事に打ち消された個人情報の成れの果てを見て、ああ、快感なのである。
われながら、危ないのである(笑)。


(この稿、了)


(付記)
”文房具 本”でググって見ると、こんなにも多くの書籍が出ている
ことに、改めて気がつかされた。

文具好きって、多いんだよね。やっぱ。



究極の文房具カタログ【マストアイテム編】
高畑 正幸
ロコモーションパブリッシング

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文房具56話 (ちくま文庫)
串田 孫一
筑摩書房

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4 コメント

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ご紹介ありがとうございます (島村由花)
2009-04-29 17:30:06
ジェットストリーム。
4色ペンには、心魅かれるのですが。
「緑」の使い道に困って、結局、赤、黒、青、の3色を別々に買いました。
返信する
Unknown (シャドー81)
2009-04-29 18:22:23
あれ、教えなかったけ?結構、まわりに言いふららしていたんだけどなぁ。

2年前の7月?に発売されるやいなや、大反響(そのころにはいなかったか?)。
今まで使っていたお気に入りのボールペンを捨て、すぐさま乗り換え。もう、2,3回ボールペンの芯?を変えました。

筆圧の弱い者にとっては、この書き味は、最高と思っていたが、筆圧が強い人にも最高だったとはねぇ。

それよりも、ノートに日記?までつくっているのか!そりゃすごい。
返信する
緑の使い道 (MOLTA)
2009-04-29 20:57:47
結構難しいですよね。

僕も、明確に使い分けを定義している訳ではないのですが、今までの油性ボールペンでは無かった緑の筆致の滑らかさと鮮やかさ、それとやはり持ったときの重量感が、4+1がしっくり来たことから、こちらを選択しました。

いい文具との出会いは、本当に幸せな気分にさせてくれますよね。
返信する
さすが、シャドー81さん (MOLTA)
2009-04-29 21:00:19
もうとっくに手を出していたとは。

このシリーズは、ほんと、替え芯を購入してきちんと使い続けたい、そういう気にさせてくれますよね。

筆圧が強いと、結構ボールが引っかかったような感じがして、書きにくいことも多いんですよ。

ボールがゴロゴロする感触のペンも嫌だし。

このペンは、油性と水性のいいところを合わせたようで、大好きです。
返信する

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