筆者:東野光生(水墨画家)
毎日新聞 平成21年4月6日(月)夕刊より
サブタイトル:水の循環、季節の循環に想い馳せた『四季曼荼羅』
日本画家の、東野光生のエッセイを読んだ。
彼は、昨年京都の仁和寺の襖絵を手がけたのだが、そのときの思い出を
まとめたものである。
その中で、とても気になったフレーズがあった。
「雨が大地に沁み入るように、筆先の水が一枚の和紙に沁みていく。
様々な墨の . . . 本文を読む
毎日新聞 2009年4月19日(日) 日曜くらぶ2面
神々の場所 5 宮古島・赤崎御獄
筆者:伊藤和史
サブタイトル:神の好み 人の都合
沖縄に、御獄(うたき)と呼ばれる場所がある。
聞いたことはあるだろうか?
そう。
沖縄における聖地の呼称である。
沖縄には、色々な島に御獄がある。
その最高峰は、本島南部にある斉場御獄(せーふぁーうたき)である。
沖縄の宗教民俗学は、本土(という表現 . . . 本文を読む
著者 藤本ひとみ 集英社 2006年9月30日 第1刷 1500円(税別)
標題のとおり、四部作で構成されているこの作品。
残りの三作は、読後すぐに書評を書き上げ、アップさせていただいた。
・第一楽章:寵妃モンテスパン夫人の黒ミサ
・第三楽章:公爵令嬢アユーラのたくらみ
・第四楽章:王妃マリー・アントワネットの首
そして、本章が書評で紹介するラストとなる、
・第二楽章:詐欺師マ . . . 本文を読む
著者:T・ブロック/N・デミル 訳者:村上博基 文春文庫
「超音速漂流」 1979年に出版された、古典的名作である。
マイミクさんにお勧め本として紹介したものの、随分昔に読んだきりなので、
久しぶりに読み返してみたくなり、先日読了。
ちなみにこの本。
2002年に、改定新版が出されている。
政治情勢や技術情報等の若干の見直し等が加えられた、とのことだが、
そもそも最初に出版された当時は . . . 本文を読む
著者:アンドレ・ノートン ハヤカワSF文庫刊(1972年初版)
訳者:小隅 黎
数日前に、「手紙屋」の書評を書いた。
就職活動に悩める大学生が主人公の作品だが、それに触発された訳でも
ないが、ふと、アンドレ・ノートン女史の「大宇宙の墓場」を読みたくなった。
この作品は、デイン・ソーソンという若い宇宙船乗りが主人公のSF
太陽の女王号シリーズの第1作であり、目下累計1700巻を超える . . . 本文を読む
著者:スティーブン・ハンター 扶桑社ミステリー(2008/6/28)
訳者:公手 成幸 価格:819円(税抜き) ※上下巻とも。
初めて、スワガー・サーガに触れたのは、何時のことだったろう?
このシリーズのうち、日本で最初に出版された「極大射程」は
1998年の刊行となっている。
自分の記憶の中にダイブして見ると、確かこの本は海浜幕張の
イトーヨーカ堂に入っているくまざわ書店幕張店で購入し . . . 本文を読む
高速道路の官製値下げが行われて、しばらく経つ。
ニュースでは、当初のラッシュの山も過ぎて、SA等で人の増員の
手配をしたところは肩透かし状態だとか。
お役所の需要予測なんて、所詮はその程度。
今までに、まともな経済観測で当たったためしなんて無いではないか。
こう、飲み屋の親父が愚痴るような話で終わらせてしまうには、
今回の話はちとまずいと、アラームが僕の中で鳴っている。
勿論、個人的な生活 . . . 本文を読む
著者:喜多川 泰 ディスカヴァー・トゥエンティワン (2007/8/15)刊
Mixiのあるコミュで、著者の本を薦められた。
薦められた当の本はまだ手に入れていないが、先に縁があって
手元に来たのが本書。
※ ちなみに、薦められたのは
「『福』に憑かれた男 人生を豊かに変える3つの習慣」
作者の本は初めてだったが、文章も平易で非常に読みやすかった。
ただ、その平易さとは裏腹に、 . . . 本文を読む
著者:高木由臣 毎日新聞 2009年3月1日 東京朝刊 価格:1,019
評者:海部宣男
サブタイトル:なぜ生物は死すべき運命を背負ったか
※ この書評の原文は、こちらで読めます。
永遠の命を求めて…。
その昔、鉄郎はメーテルと共に、銀河鉄道に乗って旅をした。
その世界では、生身のままでは不死の夢は実現できず、機械の体を
手に入れたものだけがミレニアム(百年王国)を満喫していた。
. . . 本文を読む
著者:アラン・ベネット (白水社・1995円)
訳者:市川恵里 毎日新聞 2009年4月5日 東京朝刊
評者:池内紀
サブタイトル:齢八十、趣味に目覚めたその人は……
※ この書評の原文は、こちらで読めます。
うーん。と、唸らされた。
上手い。上手過ぎる登場人物のキャスティングである。
確かに、評者がいうように、この小説は日本では、上梓できない
だろう。
皇室をパロディの元ネタにするな . . . 本文を読む