活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

立ち入り禁止は、心ときめくキーワード ’09 渡嘉敷ツアー(その5)

2010-01-04 00:00:54 | 自然の海
(※ TOP写真は、バックヤードツアーで見たマンタ君)


■10月9日 午後3時20分頃

ジンベイザメの巨大水槽前で、その巨大さ(ジンベイも、水槽もね)を
存分に堪能した後に。

午後3時半の、バックヤードツアー出発時刻が近づいてきたことを見て
一行は地下にあるツアー受付テーブルへ。

既に、何人かの人たちが集まっている中。
先に貰っていた整理券を手渡して、列に並ぶ。


しかし。
こうした”普段入れないところに立ち入ることが出来る”ツアーって
ワクワクするよなぁ。

少しケースは違うけれど。

昔。
ダイビングを始めた頃に。
ショップのカウンターの向こう側は、とても眩しい存在だった。

カウンターテーブル一枚を隔てて、こちら側とは明らかに異なる
空間がそこにはあった。

いつか、自分もそこに行きたくて。

潜り続けた末に。
やっと、インストラクターとなり。
ショップスタッフとして、初めてカウンターの向こう側に立った
時の感慨を、列に並びながらふと、思い出していた。


やがて。
お姉さんの声がけとともに。
一行は、少し脇にあるエレベーターに。

一気に、上階まで駆け上がるエレベーター。
降り立ったそのフロアは。
先ほどまでの地下とは打って変わって。

外界の日差しが窓から差し込んでくる、明るい空間だった。


そこには、新しいお姉さんが待っていてくれて。
皆に、トランシーバーのヘッドセットを渡してくれた。

簡単な操作方法の説明を受けて。
夫々(それぞれ)、ヘッドセットを装着し、スイッチを入れる。

懐かしいなぁ。
スケルチの調整スイッチなんて、久しぶりに見るぞ。
てなことを思いながらも、使うのは電源と兼用になったボリューム
スイッチのみ。

バックヤードは、水槽の水の浄化音等で、思いの外(ほか)賑やかしい。
そのために。
説明員のおねえさんの声を、このレシーバーを通じて皆が聞くのだ。


水槽を遠望しながら。
おねえさんの説明を聞き、スイッチを入れボリュームを調節。

「聞こえますか~」の声に、全員が手を上げたら。
いよいよ、バックヤードツアーの始まりである。


いきなり。
目の前は、ジンベイザメの巨大水槽「黒潮の海」の上部を見渡せる
位置からの眺めとなる。



フェンス越しに、水槽を眺める。
ジンベイ等は、浄化の関係で水面が波立っていることもあって、
なかなか目視できない。

それでも。
その広大な水槽上縁部をフェンスに沿って歩いていくと。
その巨大さが、下から見上げたときとは全く異なる迫力でもって
迫ってくることを感じることが出来る。

フェンスは、給餌用スペースや、魚の観察用スペースといった
目的別に様々な形状をしている。

更に、天井からは。
水槽内を照らすために、無数のライトが吊り下げられている。


それらを眺めながら。
やがて一行は、水槽上部にクロスに張り巡らされた通路の中央に
行き着く。





そこは、下がガラス張りになっていて。
水槽を眺めることが出来る。

しかも、ガラス面が水と接しているようで。
水中をよく見通すことが出来る。



ここで、しばしフリータイム。
皆、思い思いの地面の小窓から水槽を見下ろしている。

僕たちも。

ジンベイは。
マンタは、どこだ?

と、きょろつく。


でも、矢張り僕たちダイバーは肉眼で見る方が性に合っている。
少々水面がてかっても、いいのだ。

と、視線を窓からフェンス横の水面に転じると…。


いたよ。
いた、いた。
いらっしゃいました!
#当たり前なんだけど・・・。

いやあ。
昔、モルディブにて水中でジンベイに出会った奴が。

「潜水艦が出てきたのかと思った!」

と語っていたけれど。

実際に同じ水の中で出会うと、そうした気持ちにもなるんだろうな。

いつか、この目で。
同じ水に触れながら。
会ってやるぞ、待ってろよ!と、まだ見ぬジンベイに誓いを立てながら、
「黒潮の海」水槽から撤退していく僕であった。

帰路。
脇にある、小さな水槽が目に入った。

おねえさんによると、そこはまだ到着したばかりの魚や、病気の魚を
観察するための水槽だそうな。


勿論。
彼らにしてみれば。
生まれ育った海にいる方が、幸せに決まっている。

水槽の中に閉じ込めて、見世物にされるのは誰だってごめんだ。

元より。
そうした思索を想像すること自体が、人の傲慢や勝手な思い込みだ。
ということはあるのだけれど。

それでも。
動物園然り。
水族館。
植物園も、また然り。

研究のためにも。
また。
広く、そうした生物と人間が出会えるための場を提供するためにも。

そうした施設の必要性は、求められ続けるだろう。

であれば。
せめて、出来うる限りの快適な環境を、彼らに提供できんことを。

そう願いながら。

病気の魚がいるという水槽に向かって。
早く元気になれよ、との呟きを残してツアーは終了した。

(この稿、了)


(付記)
これから、行かれる人のために。

このツアー。
おねえさんの最初の注意にも有るけれど、かなり高温多湿な
環境となる。

季節によっては、着るもの等の調整をこまめにすることが
必要となるだろう。


(付記2)
美ら海水族館は、外洋の海水をそのまま引き込んで温度調整
無しに使用している珍しい水族館である。

その意味で。
魚たちにとっては、少しでも原環境に近いと言えるのかもしれない。

それが、彼らの慰みにあるとは思えないけれど…。


(次回予告)
さて、次回は宇宙ハンター55さんお待ちかねの。
レンタカー屋さんごめんなさい編の予定です。

お楽しみに(笑)。

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2 コメント

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Unknown (シャドー81)
2010-01-05 19:04:18
ありゃー、10月のねたを持ってくるなんて、ついにねた切れ?と思ったら、次をちゃんと書いている。すごい

水族館のバックツアーか、面白そう。

しかし、10月のねたを、よくここまで覚えているもんだなぁ・・・
返信する
Unknown (MOLTA)
2010-01-07 01:48:43
面白かったですよ。

このときは見れませんでしたが、給餌のタイミングに遭遇すると、もっと楽しいみたいです。

大阪でも、海遊館がナイトツアー等もやっている(た?)ので、機会があれば是非トライしてみて下さい。
返信する

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