活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

ターミネーター

2009-06-28 00:00:27 | 映像の海
監督:ジェームズ・キャメロン 
主演:アーノルド・シュワルツェネッガー
(※ その他、詳細データはWikiを参照のこと


※ このコラムは、ネタバレ注意です。


T4の新聞広告等を目にするようになった所為か、久しぶりに
元祖を観たくなった。

といっても、なかなか2時間弱の時間を確保するのも大変で、
ようやく昨日の夜に、観ることができた。


もう何年ぶりかで観たが、やはりいいなあ。
この作品。

冒頭の、あのどこか哀愁を帯びたテーマからもう、作品世界に
引き摺り込まれてしまった。

映像も、今のCG全盛のそれとは異なり、ストップモーション・
アニメで撮影された部分のぎこち無さが、かえってどこまで
ダメージを負ってもINPUTされた命令=全てのサラ・コナーを
抹殺せよ、を忠実、かつ着実にこなそうとするシュワちゃん演じる
ロボット(T-800)の不気味さをよく表わしていた。

この映画の面白さは、正にそこにあると僕は思っている。

これが、例えばJ・キャメロン監督の前作「殺人魚フライング
キラー」とかだと、恐怖の源泉は生物兵器の魚(ピラニア+
トビウオ)である。

これだと、襲われる恐怖はあっても、相手の存在に対する
恐怖は無い。

なぜなら、相手は知性も理性も無い、怪物だから。
そういったものが怖いのは、当たり前なのである。

このパターンは、「燃える昆虫軍団」「巨大蟻の帝国」等にも
見て取れる。

いや、決してそういう趣向のものも嫌いではないのだが(笑)。

結局(色んな意味で)、人が一番怖いのは人なんだ、と思う。

本来感情が有るべき人から、そういった要素を全て剥ぎ取って
しまう。

そして。
あくまで無表情に、あくまで淡々とあなたを殺すという目的の
遂行のためだけに迫ってくるとしたら…。

そう考えたとき、「殺人魚フライングキラー」で不本意な
監督業を強いられたキャメロンとしては、本作での敵役に人型の
ロボットを配したのは必然だったと言えるだろう。


もっとも。
そのキャラクター造形が確定するまでには色々と有ったようで、
Wikiによれば最初にキャメロンが想定していたターミネーターは、
線の細いT-1000タイプだったという。

それとは逆に、筋肉モリモリのシュワちゃんは人間のカイル役として
オーディションを受けたらしい。

その後、シュワちゃんから敵役の設定についての意見を貰った
ことをきっかけに、今の造形でキャメロンのイメージが固まった
というから、人と人、人と作品の出会いというのも、本当に縁
なんだなあと思う。

もし、どこか一つの歯車がずれていたら。
ターミネーターはここまでの大ヒットとならなかったかも知れない。

とすれば、キャメロンやシュワのその後の成功も無かったのかも
知れないのだから。

勿論、歴史の自己修復性によって、結局は落ち着くべき形へ
落ち着くという考え方も有るが。

SFファンの端くれとして、パラレルワールドの夢を捨てられない
僕としては、多様性の可能性をこそ支持したいのである。


話を「ターミネーター」に戻そう。

本作品のヒロイン。リンダ・ハミルトンである。
決して、美人という訳ではない。
その彼女が時折見せる一瞬の表情が、実に魅せるのである。

もっとも有名なものは、ラストで少年に撮られたショット
だろうが、あの表情のイメージに引っ張られると、とんでも
ないことになりそうな気がする。

もしかして、キャメロンもそれにやられたのではないか?
と思ってしまう。
(彼は映画の後、結婚もしている。
 しかも、形だけ見るとキャメロンの略奪婚である)。

そうした表情を持つ女性の魅力は、本当に怖い。
勿論、彼女のそうした魅力が、外見だけで無いことは、
「ターミネーター3」への出演依頼を脚本を読んだ上で
ドラマが無い!として断ったエピソードからも、垣間見る
ことが出来る。

最後に、そんなリンダが演じるサラ・コナーのMADを
ご紹介して、この稿を締め括ろう。

これを作った人。
最初に見た瞬間に、閃いてしまったんだろうなぁ(笑)

ターミネーター 関西人 サラ・コナー


(この稿、了)


(おまけ)
これにも笑った。思わぬゲストが出るのも一興。
でも、このMADシリーズの中では、やっぱりこの1作目が
最高かな。

ターミネーターvsロボコップ




I’ll be back.
あまりに有名になったこの台詞を。
また、上で引用した関西弁を確認されたい方は(笑)
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ちゃんとDVDになっているんだなあ。
ちなみに、キャメロンが現地に入ったときには、まだ撮影用の
魚が1体しか完成していなくて、主役と二人で必死で4体まで
監督自ら作ったそうな。
で、映画に出てくる魚は、その4体が全て。
後はカメラワークと他の作品からの使い回しで、何とか沢山
いるように見せているという裏話が泣かせる。
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