活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

国際科学映像祭ドームフェスタ in ソフィア堺 初日観戦記

2012-09-25 00:49:35 | 映像の海
22日から前日祭。

そして、この24日から本番が始まった、国際科学映像祭ドームフェスタ

今年は嬉しいことに、大阪は堺市にあるソフィア堺で開催である。

昨年は東京開催のため涙を飲んで見送ったけれど、今回は
参加できる!

いや。
今年参加しなくては、いつ参加するのか!

そう勢い込んでみたものの、なにせエントリーそのものが
初めてである。
Web申し込みも、どれくらいで枠が埋まるのかとか、もう
想像する以外にはなく、心配で8月に申し込みが開始となった
そのときには、サイトがアクセス可能になるやいなや申し込み
させていただいたが、エントリー番号は2番となっていて、
嬉しいかった反面、やや拍子抜けしたこともあった。


さて。
その国際科学映像祭の今日は初日。
朝10時から1時間のショートプログラムコンテストには
間に合わなかったけれど、本番のフェスタ参加作品の上映
にはなんとか間に合った。


気合入れて、三日間の通し券を買ったのである。
もう、観ない訳にはいかないのである。


個々の作品について、詳しく触れたいのだけれど、今日は
もう時間も遅いので、簡単に作品の所感を以下に綴る。


■A-1 Voices in the dark(47min.) アメリカ


ベースは、天空の城ラピュタのような空中都市の描写。
そこを丹念に描きながら、物語は進んでいく。

世界は、どこまでも続く入れ子構造。

そんなモチーフを彷彿とさせる作品である。

城内の居室にあったチェス盤の盤面から、世界は打って
かわって異なる様相を見せ始める。

それはまるで、カーテンが落ちるたびに新しい仕掛けが
ある舞台を見ているよう。

でも、どのシーンにも通底しているのは、全ての世界は
マスの集合体で構成されているということ。

それがタロットカードの場合もあるし、正体不明の
キュービック、はたまた人の顔であったりもするけれど。


残念だったのは、途中で挿入された歌が英語で歌われて
いたこと。

いや、制作がアメリカなので当たり前なんだけれど、
この歌詞の意味がわかれば、映像が訴えたいことも、
もっとしっくり自分に伝わるだろうになあと思いながら
観ていた。

でも、それって映像だけでは伝わりきれない何かが
あるっていうことなのか。

いやいや。
それぞれの母国語の言葉の機微を理解できなければ、
伝えきれないものだって有るだろう、やはり。

そんなことを思いながら、観続ける。

面白かったのは、空中都市の港にボートが係留されて
いたこと。

あれってやはり、大空に漕ぎ出せるんだろうか?



■A-2 高野山/KOYASAN (5min.) 日本

和歌山大学の尾久土教授が監督をして撮影中の作品。
今日の紹介は、特任助教授の吉住さんが行われた。
吉住さん、久しぶりにお見かけしたなあ。

作品自体は、まだトレイラー版のようなもの。

高野山の美しい映像が、淡々と積み重ねられていく。

その美しさは十分分かるんだけれど、ではこの作品が
何を伝えたいのか?というところが今ひとつ僕には
伝わって来なかった。

あの空間に流れる、悠久の時の流れなのか。
あるいは自然の美しさなのか。
それとも、そこに篭められた人の思いなのか。

何か核があれば、もっと感情移入できるのになあと
自分ではまともな絵も撮れない僕が偉そうに言う、
この愚かしさ(笑。

まあ、批評なんてそんなもんだと、おおらかな心で
ご寛恕を。


■A-3 未知への大紀行~ブラックホールに挑む~(4min.) 日本

トレイラー版なので、極短い。
でも、この本編を早く観たい。

素直に、そう思った。

それは、ブラックホールという神秘的であり、かつ人々の
知的好奇心を常に喚起する存在が、非常にビジュアル的に
美しく、かつわかりやすく描かれていたから。



■B-1 コズミックジャーニー/COSMIC JOURNEY(21min.) アメリカ

タイトルに、偽りなし。

宇宙の広大無辺な空間の広がりを感じさせてくれた映像
だった。

音楽も語り口もよくマッチしていて、物静かに作品世界を
下からしっかりと支えて広がり感を出してくれている感じ。

最後に紹介された、宇宙への旅は、結局はあなた自身を探す
旅でもある的なメッセージが、妙に心に残った。


■B-2 ハッブル宇宙望遠鏡の挑戦/The Hubbke Space Tecescope(30min.) 日本

ひたすらに、ハッブル望遠鏡が撮影した美しい銀河の
映像が積み重ねられていく。

その詩的な美しさにうっとり。

でも、切り口が、先の「コズミックジャーニー」と
似ているので、連続した分こちらが少し不利かな。

でも、ハッブルの次を担う望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」も
紹介されたし、何より最後に映された2つの銀河系の衝突シーンの
美しさは素晴らしかった。

あんなに星々が引き合い、うねりを起こしていき、そしてやがて
一つになるまで激しい渦を起こすなんて!

実際に、あそこにいたらどうなるんだろう?と思ってしまった。

もっとも、僕たちの銀河系も、遠い先にはアンドロメダ星雲と
ぶつかってしまうらしいけれどね。


あと、作品の中で紹介されたハッブル博士の言葉。

うろ覚えだけれど、

「五感を備えた人類は、未知なる宇宙を探訪せずにはいられない。
 人は、それを科学と呼ぶ」

というメッセージ。

メッセージには(個人的には)違和感があるんだけれど、そこで
提示されたコンセプトがしっかりと軸になってぶれていない感は
ある。
(だから、なんでそこまでお前が上から目線なのだ?w


■B-3 GOODNIGHT GOLDILOCKS/A Planet for GOLDILOCKS(25min.) 日本

ゴルディロックスは、女の子。

森で迷子になったその子は、ある家にたどり着きます。

誰もいませんが、テーブルにはスープが入ったお皿が3つ。
ある皿は熱すぎ、ある皿は冷めていて、最後の一つはちょうど良かった。

椅子やベッドも然り…


この寓話は、生命体が生存可能な領域に存在する惑星を指している。

ハビタブルゾーン(この作品では、ゴルディロックスゾーンと
呼ばれているが)に、存在する惑星については、観測技術の
進歩とともに、飛躍的に発見数が増えてきた。

そしてついに、海を持つ可能性のある惑星の発見に至る。


そうした太陽系外に存在する生命が存在可能な惑星探査の状況を
描いていくこの作品。

生命=地球型 という定義には首を傾げるんだけれど、まあそこは
心の中で(地球型の)と保管してやればOK。

そのテーマが全編を通じてしっかりと軸を成しているため、観ていても
ぶれない。

また、様々な異世界の描写も面白かった。

かなりのめり込んでみたと思う。


■B-4 Life a cosmic story(30min.) アメリカ

う~ん。
この作品は、すこしきつかった。
英語のナレーションの意味が分からなくって単なる音楽と化して
しまっているんだけれど、それだけが原因じゃない。


言葉が無くたって、面白い作品はあったと、上でも書いたとおり
である。

でも、この作品は、英語が分りたいと思った。


それはつまり、映像の持つ力が弱いということと同義ではないか?

(お前の読解力や想像力が無いためだ!という話は、甘受します。
 反論しません。できません。)

「Voices in the dark」の時には、まだ言葉の障壁は文化圏の
違いとも相まってやむなしという感覚だったけれど、「コズミック
ジャーニー」で、決してそうではない!言葉を超えたメッセージを
伝えられる映像もあるんだということを体験してしまった今では、
この作品はやはり、少し僕には辛かったのである。




■B-5 Vlackholes;the another side of infinity(24min.) アメリカ

目からうろこ。
前の作品が、英語が分りたいと思ったのとは真逆。
この作品は、映像の持つ力だけで、人を完全に作品世界に引っ張り
こんでしまった。

今日観た中では、No1かな?

この映像の美しさと、そこに篭められたメッセージ性をお楽しんでほしい。

[IFSV2012]Blackholes : the another side of infinity




■B-6 Dynamic Earth:Exporing Earth's Cliamte Engine(24min.) アメリカ

こちらも、前作(B-5)と同じくらいに面白かった!

この作品は、その名の通り地球がテーマ。
なので、描写も非常にわかりやすかったのが特徴。

その視点は宇宙からミクロまで広範囲に及ぶけれど、
一貫して地球の凄さ。素晴らしさを描きたいという思いが伝わって
くる作品。

ちなみに、僕が一番気に入ったシーンは、バンアレン帯が太陽からの
磁場をガードしてくれている映像。

なんかこう、雄大かつ美しいビジュアルだったんだよなあ。

[IFSV2012]Dynamic Earth : Exploring Earth's Cliamte Engine



■B-7 さがせ!第2の地球/EXTREME PLANETS(2min.) 日本

いよいよ、初日最後の作品。
後一息だ!と、誰もが気持ちを入れなおした筈。

なのに、トレイラー版だったとは!

確かに手元のパンプレットには2分と書いてある。
だけど、その前が力の入った作品が続いていただけに、
まさかここに来てトレイラーとは、予想外だったという
ところ。

(僕も、同じトラップにw)


最初、タイトルバックが表示されたあとで映像が終わり、
場内が明るくなった時点では、殆どの人は機械の故障か?と
思ったみたいで、どうやらここで終わりのトレイラー版だと
分かった時には、自分たちの勘違いを笑う声が響いていた。


う~ん。
全体の時間の関係も有っただのだろうけれど、ここは
しっかり本編を流して欲しかったなぁ。

まあ、色々と大人の都合というものもあるのだろう。
#その割には、場内のメーカーブースで無料DVDを配布して
 いるという話もあったと思ったが…。


DVDのナレーターは、2パターンあるそうな。
今日上映されたトレイラーは、ナウシカやクラリスで
有名になった島本須美さん。
もう一つは、お名前を聞きそこねたけれど落語家の方。
大阪らしいナレーションをしていただいたとのことで
あった。

う~ん。こちらも聞いて・・いや、観てみたい。

[IFSV2012]さがせ!第2の地球




以上で、初日の映像紹介を終わる。


このあとは、記念撮影を経て基調講演が2つあった。

特に、Dan Neafus氏の講演が面白かったけれど、もう遅い
のでUPはまた明日に。


ちなみに明日の二日目は、仕事でトラブルが発生して
しまったためにいけないことに。

ああ。。。

なんとか、三日目は朝から参加したいものである。


(この稿、了)








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