FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊たちへ愛を込めて

太宰治の清貧譚(せいひんたん)

2010-10-17 18:54:42 | 日記
太宰治の短編「清貧譚」。

気位(きぐらい)が高いのに経済力のない貧乏青年が主人公。

ひょんなことから出会った、天才的な菊栽培の才能をもった少年とその姉。

ちょっとした流れから主人公の青年の敷地内に暮らすことになった姉弟。

住むところもままならなかった姉弟も菊の栽培が成功してどんどん暮らしが良くなってくる

のを横目で見ながら複雑な心境になっている主人公の青年のすがた。

ひさしを貸して母屋をとられるはなしみたいに展開していく。

エラそうに清貧を語り自分を正当化する主人公の青年もよく聞けば、ご先祖から受け継いだ

土地を譲り受けてのうのうと暮らしているところが矛盾していてどうかと思うが、根は純粋でどこか

憎めないところがある。

おそらく、この競争社会では負けた人間なのかもしれない青年主人公。

理屈ばっかりこねまわすのは得意だが要するに生活力がない男なのである(トホホホ・・・)

しかし、菊栽培の天才くんの姉の方はそんな主人公の本当の人柄を見抜いて気持ちを寄せるようになる。

最後は一見さわやかなオチになるけれども、ミソは人間の本性の色んなことを

物語を通じて教えてくれるところだ。

真面目であることゆえにかたくなな態度や、潔癖さとか、それに関わるうっとうしさや

才能とはいったいなんなのかをストーリーテラーの天才は「おとぎ話し」のかたちを借りて

説教臭くなく教えてくれる。ここが大事なところですよォ。きょうびR40のいいトシした大人は説教臭い

本にはウンザリしているのだ。

ちまたに溢れるビジネス本&ハウツー&ノウハウ本に食傷気味なのだ。(ありすぎだよ)

3D映画も観たくないし、海のサルも観たくないのだ。(単なるへそ曲がりと言わないで)

いいよね、太宰治。

先入観や間違ったイメージを捨てて読んで良かった・・・・・
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「フクシ伝説」を読め! | トップ | 八景島シーパラダイスへ! »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事