FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊たちへ愛を込めて

R・ゼメキスを観る前にゼメキスを

2016-01-03 16:45:01 | 日記
映画「フライト」の凄さをいま一度考えてみた。
おそらく前のブログでもこの映画を劇場で観た後に書いたのだと思うが、
今年の「ザ・ウオーク」を観る前にもう一度と思いました。

ハッキリ言って僕の中のゼメキスベスト3には

「バック・トゥー・ザ・フューチャー」は入っていない。

ゼメキスの作品には、ポップな安心して家族と見れる作品と

人間の闇と生々しさを描いた人間ドラマの二種類に分けられる。

僕は後者が好きだ。

ベスト3
●キャストアウェイ
●フォレストガンプ
●フライト

おそらくこれみ今年公開の「ザ・ウオーク」が加わるのではと願っている。

さて、
「フライト」の凄さだ。

僕はプロの文筆家ではない。
だから理路整然とはここで書くことは出来ないしやろうとも思わない。
だから支離滅裂とまではいかなくても、メモ書きレベルのことでいいから表したいと思う。

◎シナリオの完成度。
シチュエーションがもうなんだか心鷲掴みだ。
主人公の天才パイロットは、ルール違反を平気でするクズなのか、それとも全滅でもおかしくない乗客を救った稀代の英雄なのか、それともこの物語の核心部分はもっと違うところに?
こんなワードがグルグル回るくらい、基本テーマがまったくブレないのだ。
これは作り手が、何を作っているのかをキッチリと分かってやり通した証明だと思う。

◎主人公ウィップス=デンゼルワシントンの体型。
ここに余計な言葉や解説無用の表現が出ていた。
勿論アル中。精神的な脆さ。堕落の象徴。虚勢。愚かさ。弱さ。

◎傍聴委員会前夜のホテルでのシーン。
まさに悪魔のノック。扉をたたく音。人間の弱さと落とし穴。いつでもどこでもそこにある。

◎R・ゼメキス監督は見た目がもっさいオッサンなのに…本当に繊細でデリケートな人間なんだなと分かる。
それは、とにもかくにも画の見せ方だ。音の使い方だ。ハリウッドでもピカイチの使い手だ。

◎この主人公はアル中である。アル中は物語上の堕落のメタファーだけなのだ。
しかし、描きこみ方がハンパじゃない。完璧なアルコール依存症者の姿を見せつける。
酒飲みの僕が実感して感動と憐れみを憶えるくらいなのだ。本物だ。
これはオレの姿だ!

◎実写とCGの融合性実験の成功事例になった。やはり失敗を何度も経験したゼメキスだからここまでの境地に達した。

◎サウンドトラック→ローリングストーズ最高だ。キューブリックよりも上手いと思う。ストーズの音が鼓膜に焼付く。

◎物語後半のシーンからラストシーンまで、ダメな男なら分かる感動。ダメな男だと思えた男なら分かるシーンの連続。
これが見せたかったんだろうなと僕は感じた。

◎堕天使にみえてしまい、めちゃ可愛いジョン・グッドマン!サイコー!ドン・チードルも思わずたじろぐ…

総評
とにかく人間の描き方を修得したゼメキス。天才肌なのに失敗を繰り返してようやく人間を描けるようになった大好きな映画作家だ。
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