正定寺の閑栖  (しょうじょうじのかんせい)

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家族葬のありかたパート2

2014年11月26日 | 日記
「家族葬」とは「近親者だけで行う葬儀」と定義して文章を書きます。

むかしは、「近親者だけで行う葬儀」は下記のような事情を
有することが一般的でした。

①「結核」など世間と交わりを持たずに療養生活していた
  患者の葬送は近親者だけで行う事が多く見られました。

②なにがしかの刑罰を受けた方の葬送は、被害者への配慮で
 近親者だけで行う葬儀とされました。

③自死の場合も遺族の無念と故人への愛情があいまって
 近親者だけで静かに弔う葬儀が選択されていました。

④生活が困窮して、親族・知人を招いての葬儀が
 必然的に出来ない場合は家族だけの葬儀になりました。

以上の場合は、速やかに短期間で葬儀が行われていました。


会社や近所交際の弔問や儀礼的なものをさけて
故人とじっくり別れを惜しむ葬送とはどこか違っていた「家族葬」でした。

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遺族・親族だけでお別れをする葬送を「密葬」と言います。

但し、密葬には、後日「本葬」という弔問客を受け入れる儀式や
お別れの会などが催されます。
又、密葬では香典や献花なども丁重にお断りする場合がほとんどです。

今でも芸能人や政財界名士や世間に貢献した方々などが「密葬」を
行ったりします。

又、仏教哲学者などは生死観の思想により密葬さえなかったりもします。

この芸能人や名士が行う「密葬(家族だけの葬送)」を
「家族葬」と勘違いしている場合が多いのかも知れません。

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①から④の場合に、喪家が他に向かって「家族葬儀で行います」などとは
言いませんでした。

「家族でしめやかに送り出す方が故人も喜ぶと思うよ」と事情を配慮して
喪家を慰めた事が近親者だけで行う葬儀の通例となったと思われます。

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生活扶助世帯などの場合は棺・霊柩車費用から葬儀の御布施まで
市町村が手配をして行う場合があります。
まさにみんなで扶助して弔う葬送です。


葬儀にお金をかけられない場合も葬儀社や菩提寺に事情を説明すれば
対応してくれます。

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ようするに、
喪主は葬儀を立派に勤めることが故人への愛情。
葬送は生前かかわった方々と共に弔ってほしい。

世間は会葬者の多少や葬儀場の大小で喪家を評価しないでほしい。
僧侶は誇りを持って喪家を安心させるための葬儀を行ってほしい。
て、ところかな。

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「文章が分かりづらい」などを前回のブログで家族から指摘されましたので
パート2を書くことにしましたが、やっぱり説明しにくいものですね。
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家族葬とか密葬とか・・・勘違いが多い

2014年11月25日 | 日記
最近増えてきたものに「家族だけの葬儀」いわゆる「家族葬」なるものがあります。

葬儀の枕経 (亡くなったすぐに読経する儀式) にうかがうと
喪主から「家族葬でお願い致します」と云われる事があります。

字の如く「家族葬」は近親者(遺族)だけで、会社交際や近所交際の
弔問をなるべくさけて、儀礼的なものではなく、
故人とじっくり別れを惜しむ葬送が目的です。

そのために、逝去や葬送日時などを積極的に回りに
通知することはありません。

又、香典や献花なども丁重にお断りする事も多く見かけます。

これが「家族葬」です。

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昔の「家族葬」は、故人と親密な近親者だけの葬儀と云うだけの
定義をなしているわけではありませんでした。

たとえば
①不治の病と云われた「結核」などで亡くした家族を、遺族は地域や端々の親族に
 通知すること無く葬儀を執り行う事も「家族だけでの葬儀」と云っていました。

②自死の場合も同じでした。「和尚さん、実に残念な亡くなり方だったので家族だけで送りたい」と
 家族が申し出ていました。

③なにがしかの刑罰を受けた方の葬儀も「和尚さんは一人で、戒名も入りません」と家族から
 依頼された事もあると聞きます。

小さな田舎では「家族だけで行わなければならない事情」をかかえた葬儀を「近親者だけの葬儀」と云っていました。
何かしらの不自然な葬儀を「家族だけの葬儀」ととらえているようです。

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以前、通夜で喪主から「家族だけで行いますので、一番下の葬儀をお願い致します」と云われたことがあります。
一番下とは和尚さんの人数などで経費がかからない葬儀と云うことだったと思いますが、
横でそのことを聞いていたお母さんが「うちの父ちゃんは、コソコソ葬儀をださにゃいけんような父ちゃんじゃねー」と
回りに聞こえる大きな声で長男の喪主に向かって云っていました。
重ねて「今まで親戚・に不義理もしたこたーねー。香典だけでん葬儀は出来る」と・・・結局
その喪家は、ふつうの葬儀をしました。


「家族葬」の言い回しには、葬儀経費の思いもあるのでしょう。

葬儀にかかる、「葬祭場経費」・「香典返しや会食の経費」・「儀式経費」などを
少なくして、なるべく費用のかからない葬儀を「家族葬」と云っている場合も有ります。

いわゆる「葬儀社のビジネスプラン」です。

生活に困窮して充分な葬儀を出すことが出来ない遺族や
経費をかけないで済ませたいなどの遺族の考えに
「葬儀社が安価な葬儀プラント」として提供した一面もあります。

通常、菩提寺の和尚は喪家が生活困窮しているか否かは、
分かっています。
大変な生活環境の檀家さんの葬儀をいい加減に行ったり
御布施がないなら葬儀は出来ないなどとは言いません。
又、そんなことを言った和尚を聞いたことがありません。

※ネット上の「悪徳坊主」が檀家に無理難題を言う
都市伝説は聞いたことがあります。


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県外の和尚さんから聞いた話ですが、
檀家さんから「大切な父の死を家族と姉弟の6人で送りたいので「家族葬」でお願い致します」と
依頼されたそうです。

和尚さんが、通夜にお参りすると喪主があちこちに電話して葬儀の日程を伝えている光景を見て
「不思議だな」と思ったらしいのですが、通夜には数名の参拝だったので「家族葬」なのだな
と違和感も無かったそうです。

ところが、次の日の葬儀にはなんと会場満席の弔問者が葬祭場に会葬していたらしく、
和尚さんは「家族葬では無いのでは」とそのとき感じたそうです。

葬儀が終わり出棺の挨拶で喪主が「本日は家族葬で執り行いましたので、香典返しやお斎はご無礼させて下さい」と
弔問者に挨拶して火葬場に向かったそうです。

式場満席の弔問者から故人にお供えされた香典はどうなったのでしょうか?
うがった見方をすれば「香典いただき行事」のようです。

わざわざ遠方から時間を割いて参列した方には、なにがしかのお礼は当然のような気がします。

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父の友人は「家族葬」で葬儀を行ったらしいのですが、
喪主から「喪中はがき」が届きました。

亡くなった事も弔問にもお参りしていませんでしたので、
少しばかりですが香典を郵便局に行き書留で送りました。

そこで、こんなものを見つけました。

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日本郵便の広告文章は

線香たより 「翠麗」
昨今、近親者のみで故人をお送りする家族葬が増え、喪中はがきで初めてご逝去を知る機会が多くなっています。
そういった時に、「時間が経ってしまったけれど、何かお悔みの心を伝えたい」という気持ちをさりげなく
贈っていただける商品です。
今年は香典袋も入れられるサイズにリニューアルしました。

日本郵便株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 橋 亨)は、
2014 年10 月14 日(火)から、全国の郵便局(一部郵便局は除く)で、
現在販売中の『お線香たより「翠麗」』の新しい商品を販売します。

お線香たより「翠麗」は、昨今、近親者のみで故人をお見送りする家族葬が増え、喪中はがきなど
で初めてご逝去を知る機会が多くなっているなかで、
「時間が経ってしまったけれど、何かお悔やみの心を伝えたい」という
気遣いの心をさりげなく贈っていただける商品として、
2013 年10 月から販売したところ、
ご利用いただいたお客さまをはじめ多くのお客さまから、
「御霊前袋や御佛前袋を一緒に添えて贈りたい」という声が寄せられました。

そこで、今回、御霊前袋や御佛前袋を添えてお送りすることもできるよう、
これまで販売していた商品の外装を約50mm 長くしたサイズをご用意いたします。

以上です。

なんか不思議な感じがします。

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私は、「家族葬」とあえて云わずに、亡くなった通知も喪中はがきも一般葬儀のようになさると
いいのではとないかと思います。

葬儀費用をかけないような葬儀を希望の場合は、業者や寺院にその旨を話せば、
経費は抑えられると思います。

※ 中には、家族葬と密葬(本葬の前に行う家族主体の葬儀)を混同されている方も多いのではないでしょうか。













モミジの見頃も終わり・・・これからは掃除が待っています。

2014年11月24日 | 日記
例年より少し早く見頃を迎えた境内の紅葉。
いつになく色も鮮やかさに欠ける気がしました。

その紅葉も数日前の雨で散ってしまい、
見頃も終わりに近づいているようです。

いつもならライトアップもしているのですが、
忘れていました。

ここ数年の見頃を観察していると11月17日~22日頃が
一番の見頃のようです。

散った紅葉・・掃除が大変です



山門の近くも散り始めています。



日が当たらない裏庭には、これから紅葉するモミジもありました。


平成26年度秋季特別布教

2014年11月20日 | 日記
平成26年11月20日(木)午前10:00から12:00まで佐伯市蒲江畑野浦の福泉寺で
「平成26年度秋季特別布教」が開催されました。
九州東教区第2部の18寺院から80名ほどが参加しました。
講師に愛媛県大洲市城願寺住職の五葉光鐵師を迎えて、本山推進テーマの「おかげさま」と
題して講演がありました。
 
正定寺からは、女性部の大竹琴美さんと戸高松栄さんに閑栖寺庭の3名が参加致しました。
掃き清められた福泉寺で山中の正定寺とは違った潮風にあたりながら一日を過ごしました。



正定寺のモミジが見頃です。









詳細はこちら





一週間に及ぶ旅行

2014年11月15日 | 日記
9月29日に右副腎に癌が転移して手術をしました。
術後の痛みが有り、10月23日に行われた法類寺院(本匠因尾瑞祥寺)の
先々住職の五十回忌にはお参り出来ませんでした。

10月27日には右後頭葉に転移性がんが見つかり放射線治療を行いました。

11月に入ると手術の痛みも取れ、日常の生活を行えるようになりました。

11月9日に神奈川県伊勢原市の耕雲寺で晋山式があり、
一人では電車や飛行機の乗り降りが出来ないので、
介添えに女房が随行してくれました。

交通機関を利用すれば、荷物や移動が大変なので自家用車で
神奈川まで行くことにしました。

家内が運転者で私は助手席に座っているだけです。
そこで、以前から行って見たかった処へも足を延ばす事にしました。

行程距離は2.000㎞を越えたのではないでしょうか。

その一つが「出雲大社」です。

今年の本山参りで「伊勢神宮」にはお参りしているので、
次は高千穂か出雲と決めていました。

二つ目が石川県金沢にある西田幾多郎と鈴木大拙記念館に行くことでした。
11月11日は鈴木大拙の生誕日でした、お陰で両記念館の入場券が半額になりました。


鈴木大拙の生誕地


記念館


西田幾多郎記念館ではたまたま西田幾多郎書斎「骨清窟」が公開されていました。


西田幾多郎哲学記念館の館内


最終は四国に渡ってフェリーで九州へ。
松山では正岡子規記念館へ


充実した旅行でした。

充分に歩くことも出来ませんでしたが、術後の痛みもなく無事に帰ってこれました。

四国に渡ったので真言宗開祖空海の父である佐伯善通を開基として創建され空海生誕地の善通寺に
お参りして来ました。